電脳塵芥

四方山雑記

生活保護は別に「定員制」ではない

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 というツイートがあってこのグラフや「定員制」というのは少し問題をぼやけさせるかなと思ったので記事として残しておきます。このグラフは出典も明記されているので誤りではないのですし、その問題(生活保護の数が増えないことへの疑問だと類推)自体は良いと思います。あと揶揄としての「定員制」なのもわかりますが、それはともかくグラフを0万人から省略なしで200万人にしていることからミクロ的な変化が見えなくなっています。
 さて上記のグラフとほぼ同期間のものが厚労省自身が発表している資料(プレスリリース)「生活保護の被保護者調査(令和2年 11 月分概数)」にあります。この資料にもグラフが書かれており、それは以下のようなもの。

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言ってしまえばグラフを省略するか否か、グラフの見せ方問題にしか過ぎないとはいえむしろ被保護実人員はここ最近は減少傾向となっており、ただ2020年8月あたりからこの人数の減少が足踏みしているという方が「定員制」という認識よりも良いかと考えます。

受給世帯の変化

 人員ではなく世帯数というくくりで見ると以下のように増加も減少もほぼほぼない状態で推移。

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で、世帯数全体に関しては大きな上下は少ないですが、その内訳自体には変化が生じています。代表的なところで「高齢者世帯」と「母子世帯」の生活保護受給推移は以下の通り*1

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高齢者世帯は増加傾向であり、母子世帯は減少傾向であることがわかります。その他に「傷病者世帯」も減少傾向、「障害」、「その他」の世帯は近年はあまり変化のない状態にあります。

申請件数の変化

 お次は申請件数及び保護開始世帯数の推移。

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2020年(11月まで)は2019年よりほんの少しだけ上昇しているものの「目に見えて」というレベルでは上昇していません。ただこの申請件数ですが、対前年同月比でみていくと傾向がわかりやすくなります。

f:id:nou_yunyun:20210213174104p:plain 出典:被保護者調査(令和2年11月分概数)|厚生労働省

コロナ禍といえる影響は2月あたりからになると考えますが、1回目の緊急事態宣言である4月になると対前年比24.8%とかなりの申請件数になっています。ただ5月から8月にかけて一気に申請件数が対前年比でマイナスになっており、その要因で一番でかそうなのはやはり10万円の一律給付かなと。この一律給付は自治体によって配布時期が異なっており早い自治体では5月、遅い自治体では8月頃になっていた場所もあったと思います。報道からもそのばらつきが観測でき、例えばNHKでは

給付率は35.9%
4月末の第1次補正予算の成立から1か月以上たっても、給付率は総世帯数の35.9%にとどまっています。
(2020年6月12日時点)
 
現金10万円の一律給付は7月17日までに5412万世帯に対し、合わせて11兆8500億円の給付が完了し、給付率は予算額ベースで93%となっています。
(2020年7月27日時点)
10万円一律給付 対象や手続きは|特設サイト 新型コロナウイルス|NHK

とあり、これが生活保護申請件数が減った一番の理由である可能性は高いと考えていいでしょう。ただ8月以降はその10万円給付の様なものはありませんから、9月以降は前年より増えていったのでしょう。ちょっと雑な考えてはありますが*2。  なおこの申請件数は厚労省HPを見る限り公表し始めたのは2018年度末である3月から、プレスリリースにも書かれるようになったのは2019年度からです。なので過去の比較として遡ることは情報公開請求のようなものをしない限りは難しそうです。  


 厚労省の資料をパパッと並べただけですけれど、以上のように変動がありますので決して「定員制」みたいな批判は的外れで、むしろ近年は生活保護が減少傾向なのが果たしてどの様な成果の果てでこうなっているかなどは検証が必要かなと。以前に以下の記事を書きましたが、

nou-yunyun.hatenablog.com

民主党 → 自民党政権になる際の選挙で自民党生活保護に関しては削減の方向性をとっており、その公約によって生活保護の減少が進んでいる可能性はかなりあります。2015年からをグラフにすると以下のような感じ。
※もっと長期間のグラフは上記記事にあります。

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なおこのグラフの下限は200にしてるけれど、これを下限0にすると

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変化がほぼ見えないグラフになるのでグラフの使い方は難しい。なんていう遊びは置いといて。この生活保護受給者の減少は自民党や支持者にとっては公約達成と言えますが、その削減が社会にとって良いかはまた別の話。そしてコロナ禍においても申請件数がほぼ増えていないのは不思議な感。

*1:ちなみにグラフの下限値はエクセルでグラフ化する際に自動で与えられた値になります。特に意図はありません。

*2:生活保護開始件数、生活保護廃止世帯数などのデータもあるので、ここら辺も加味する必要はあると思います。ただ、今回は面倒なのでパス。

2020年のフッ化水素などの韓国向け輸出量の変化

www.nikkei.com

韓国貿易協会がまとめた2020年のフッ化水素の日本からの輸入量は19年比75%減となった。日本政府の対韓輸出管理の厳格化前と比べると9割減の水準で低迷が続く。

 という記事があったのでそれ関連でも。といっても以前に似たような記事を書いてるのでそと似たような感じで進めます。

フッ化水素の輸出量推移

 日経の記事にも書いてありますが、それをグラフにすると以下の様な感じ。

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グラフを見ればわかる様に2019年の実質的な輸出制限発動後に激減、そして若干の回復はしたものの所詮は若干というレベルで停滞しており韓国での報道を含めれば輸出制限前の水準に戻ることはもはや不可能と考えた方がよさそう。外交によって日本国内の産業を殺すという離れ業をやったといえるかも。

韓国への輸出額(全体)

 韓国の全体の輸出額は以下の通り。

2019年:約5兆円
2020年:約4兆7千億円

2019年から2020年にかけて約3千億円ほど減少してます。これは不買運動の他にコロナ禍の影響もいくらかありそうとはいえ、しかし中国や香港の様に2019年に比べて増加している輸出先もある為に不買運動の影響はある程度は無視できないかなと。

農林水産物の輸出額

 農林水産省の資料によれば。

2019年:約501億円
2020年:約411億円

さらに主に何が減ったかの表があり、それによれば。

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以上の様に2019年から90億円減となっています。そしてアルコール飲料、特にビールは不買運動で輸出が減少した典型的な商品の一つですが、その推移を見ていくと。

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夏が近づいた時期に一時の微回復をしたもののこちらも以前の輸出量に戻るのは不可能な感じがある。


 代表的なものを2例だけ紹介しましたが、とりあえず輸出制限によって日本が自らの首を絞めた半導体用部品は自らの首を絞めて終わりの可能性が高く、それに端を発した不買運動における代表的な代物も運動前に戻るのは難しそう。勿論、それらの影響を受けていない商品も多々ありますが、とはいえ半導体用部品の実質的輸出制限に関してはやはり大失策以外の何物でもなさそう。

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農林水産物の輸出額増加における立役者について

 2020年の農林水産物輸出額が発表されました。

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その輸出額は9233億円となりこれは過去最高の金額です。農林水産物輸出額と言えば安倍政権時代に2019年までに1兆円目標というものがあったものの達成できず、2020年も達成は出来てはいないものの、だがしかしこの輸出額の増加傾向は止まっておらず素直に喜ぶべき現象でしょう。ちなみに目標と言えば「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略案(概要)」によれば2025年に2兆円、2030年に5兆円というあまりにも高すぎる目標が掲げられていますが、これは本題ではないので置いておきます。流石にあと4年で輸出額を倍に出来るとは思えませんし、5兆円というのは雲よりも高い目標のようにも思ったりしますが……。  さて、この2020年の輸出額増加の要因ですがメディアでは以下の様に記述されています。

農林水産省によりますと、去年1年間の農林水産物や食品の輸出額は9223億円でした。前の年を1.1%上回り、8年連続で過去最高を更新しました。このうち、農産物は前の年と比べて11.6%増えました。中でも、新型コロナウイルスの影響でいわゆる巣ごもり需要が海外でも広がり家庭向けの需要が高い鶏卵が2倍余りになったほか、豚肉も55%増加しました。
NHK 去年の農林水産物・食品の輸出額 8年連続で過去最高を更新

 

鶏卵は、香港で卵かけご飯の需要が高まるなど約2・1倍の45億円と大幅に増加した。同じく家庭向けが中心のコメが15・0%増の53億円、豚肉が55・0%増の17億円だった。上半期に大幅に落ち込んだ牛肉や日本酒も、小売店向けなどに販路を拡大して盛り返した。
読売新聞 香港「卵かけご飯」需要も後押し、昨年の農林水産物輸出1・1%増…8年連続更新

NHK、読売共に鶏卵や豚肉の輸出が好調という事が大きかったように受け取れる記事を書いており、という事はそういう様な発表を農林水産省側のプレスリリースなどで行われている事が察せられます。ただコロナ禍の影響は大きく例えば真珠▲253億円、ホタテ貝▲132億円などと百億円レベルで輸出額が減少した水産物が存在します。個々の要因を詳述しているのは農業協同組合新聞の「農産物輸出 9223億円 過去最高も1兆円目標届かず」でご興味があればこちらを読むのも現状だと一番よいかなと思います。

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ただ全体的に言えるのは上記のグラフの通り水産物輸出が約600億円と大幅減少し、その減少幅を補う形で農産物輸出が約700億円増加となっています。

輸出額増加における立役者

 ここからが本題ですが、これらの報道に書かれていない輸出額増加における立役者が存在します。それは「調製食料品(他の項に該当するものを除く。)ーその他のもの」です。2020年における輸出額は1278億円。農林水産物輸出額9223億円の13.9%に値する一大輸出産品となります*1

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グラフを見ればわかる通り近年その増加傾向は顕著であり2019年から2020年にかけての約380億円増加という数字は凄まじいの一言です。なお主な輸出地域は香港と中国ですが、香港の2020年の輸出額の伸びもまた凄まじいの一言。

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 さて、この輸出額の一大産品ともいえる「調製食料品(他の項に該当するものを除く。)ーその他のもの」ですが、その詳細な中身は良くわかりません。例えば該当品目コードの中身を書いた資料を見ても素人目には何が何だかという感じ。以前に税関に問い合わせをしたこともあるのですが、やはりこの「その他」は「その他」であって詳細な中身は税関の方でも答えられないようでした。残当
 と思ってたら2020年9月の食品等流通合理化促進機構の資料にこんな情報がありました。

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下の方に「HSコード210690900」とありますが、このHSコードが「調製食料品(他の項に該当するものを除く。)ーその他のもの」に該当するものであり、そして例示品目が明記されています。それによると例示されるような代表的な品目は「健康サプリメント、厚焼き玉子、かきあげ、ミルクセーキ原料等」とあります。最後に「等」とあることから、これら以外の品目も多数あることは予想されますが(だからこその「その他」ですが)、とはいえここら辺が調製食料品のその他を代表するものとなるのでしょう。ただこのうち厚焼き卵、かき揚げ、ミルキセーキ原料などが主な産品であるとは考えにくく、やはり健康サプリが大きな輸出底上げなのかなと。それを証明する、というほどではないですが2018年に以下の様な記事もあります。

日本貿易振興機構ジェトロ)によると、健康食品に関する相談は近年増加傾向にある。(中略)ジェトロに寄せられた健康食品に関する相談件数は、2015年に248件で、2017年は420件にまで増加した。
健康産業新聞 【特集】「海外サポート」-健食輸出の問い合わせ急増 情報収集で商機を掴む-

この記事によれば健康食品、サプリメントはHSコードがなく食品に分類され云々とありますが、このうち少なくともサプリのいくらかは「その他」に分類されるという事でしょう。また株式会社インテージによれば日本の健康食品・サプリメントの市場規模は1兆4,095億円とあり、このうちサプリメントが何割かはまでは書かれていないもののそれなりの規模であることは確かであり、この市場規模がある商品が外国へと輸出されれば相応の額になるはずです。2015年からの輸出額増加も記事にある相談件数の増加という点と符合している事からも、調整食料品その他には健康サプリメントが相応の金額が入っていてもそうはおかしくないと考えます。勿論これは明示されているわけではなく推測であり、また「その他」という項目の特性上雑多なものが多種多様に入っておりだから輸出額の肥大化が著しいのでしょうが。
 以上のことから近年における農林水産物の輸出額増加には健康サプリメントなどの要因もそれなりにある事が考えられます。それ自体に是非があるものではありませんが、とりあえず一般にあるであろう農林水産物輸出イメージにはあまりないであろう健康サプリメントがその輸出額の中で結構な割合で存在するかもしれない、というの認識は持っていてももしかしたらよいのかなあと。ただ結局は証明できるデータがないので憶測になってしまいますが……。

*1:なおこの「その他」は農林水産物すべての「その他」ではなく調整食料品とういカテゴリ(農産物扱い)の「その他」となります。

日本における近年の女性の投票率について

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 というツイートについて。引用先にある総務省の表では最後にある平成26年衆議院選挙では男性投票率53.66%、女性投票率51.72%となりやや男性の投票率が高めです。ただ2%程度の差を”「日本人女性の皆さん、もっと気合い入れなよ」”と言えるほどの差であるかはやや疑問です。なお表にある様に(白枠で囲まれている方が投票率が多い)昭和44年から平成17年までは女性の投票率の方が多く、男性の投票が上回るようになったのは平成21年から。ここから見ても別に女性の投票意識が男性より総じて低いというわけではない事が受けとれます。参院選の方でも近年男性の方がやや多い傾向なのは変わりませんが何れもそこまで女性の投票率云々(逆に男性の投票率云々)を言えるほどの大きな差はないかなと。それと本題とは別に引用されているグラフは「目で見る投票率(平成29年版)」ですが、「目で見る投票率(平成31年版)」があるのでそちらを使用したほうが良かったですね。平成29年衆議院選挙は男性投票率54.08%、女性投票率53.31%となり、男性の方が高いとはいえ使用するなら最新のデータを使用したほうが宜しいでしょう。

各年齢別にみた投票率について

 さて、そもそもグラフの男女別投票率は全年齢を合わせた投票率です*1。そこで各年例別の男女別投票率はどうだったかを見ていきます。データは総務省の「平成29年10月22日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査 速報資料」にある「6.年齢別投票状況について」から。

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各年代別をグラフ化すると以上の様になり、見てわかる様に65歳以上の高年齢層以外の年齢ではすべて女性の投票率の方が男性を上回っています。ただその後に女性の投票率がみるみる減少しているのを見てみると女性の投票率が男性よりも低いのはこの高年齢者層によるものでしょう。この女性高年齢者層の投票率減少がなぜ発生しているか、また以前からそうであったかまではデータがありませんので触れませんが、平成21年からの男女の投票率減少はこの高年齢者層の比重の増加ではないかなと考えます。

f:id:nou_yunyun:20210206211707p:plain 出典:令和2年版高齢社会白書より

データ上でも高年齢者層が増加している時期でもあり、それ以外の理由を見るけることは難しいかなと。
 ちなみに先ほどの総務省のデータを見るとこの高年齢者層か否かで区切った投票率は以下の様になります。

【18~64歳】
男性投票率:50.80%
女性投票率:53.53%

【65歳以上】
男性投票率:69.97%
女性投票率:60.29%

【全年齢投票率
男性投票率:56.65%
女性投票率:56.07%
総務省の公開している男女別投票率は抽出調査であり全数調査ではない為に「目で見る投票率」のグラフとは割合にずれが生じています。

さらに65歳以上の男女別投票率の差を見ていくと以下の通り。

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これを見る限り高年齢者層(特に70歳代以降)になると女性の投票が男性より顕著に低い傾向が見受けられます*2。むしろ逆にとらえて高年齢層の男性は女性よりも投票に行く動機があるといえるかもしれません。この事象そのものを調べたわけではなくまた2005年の調査とやや古くなりますが、以下の様な指摘がありその理由の一端を感じさせます。

男性の場合は家族の主権者・家計責任者、地域運営の主権者・主体者、組織団体の主権者・主体者としての必要性から、選挙や選挙の行方に関心を持っていた。さらに伝統主義的政治文化・参加文化、行政末端補完機能組織・団体においても男性は役職に就いたり、上位に位置しやすい。男性には性役割から、より主体者・主権者として選挙や選挙の行方に関心を持ち、関心を高める構造があるのである。しかし未婚・地域組織の弱い居住地の住民、支持政党がない、組織・団体未加入者は関心も投票参加も低かった。
石田 好江 真野 昌子
女性の投票行動とジェンダーっくられた選挙への低い関心と高い投票参加

また情勢の投票率が高いことに関して以下の様な指摘もあります。

「男性より僅かに高い投票参加」という行動は、女性が投票することを「性役割義務を付加した投票役割」として認識し、「男性」という集団・男性中心主義・男性優位政治体制からの同調・動員圧力に応え、投票義務感やコミットメントから、まじめに投票参加する構造からつくられていたのである。
(略)
55年体制崩壊後も「男性より低い政治性」「男性より高い投票参加」という現象が続いているのは、現在も「投票・投票行動のジェンダー化」に疑問を持たない女性層が動員に応えて最も投票に参加し、「男性」「男性中心主義」「男性優位政治体制」が女性票を取り込み、利用する構造が存在しているからである。
同上

これは15年以上前の話であり、現在では投票行動の質的転換が起こっている可能性もありますが高年齢者女性の投票率低下を考える一助になるのではないかなと。

*1:全数調査ではなく抽出調査なのに留意

*2:ただ80歳以上に関しては単純に生存者の数に左右している面もありえます。この年齢層になると抽出されている有権者数が2倍近く異なり女性の有権者は多いですが、それと共に平均寿命などを鑑みれば女性の方が高年齢者数そのものも多い可能性があり、単純に投票に行けるかどうかなども勘案する必要があるかもしれません。約18%の差というのは流石に大きすぎですし、そういった肉体的限界故の投票率低下はあり得るのではないかと。

報道や発表などで確認できる自宅療養者への配食サービスについて

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 ↑の画像がツイッターで少しバズっていました。もともとこの画像は、

1)当事者が写真付きでツイートする。 f:id:nou_yunyun:20210204013827j:plain
※最初は画像のRT数が示す様にそこまで拡散されていませんが、数日後に中に入っていた紙と共にUPしてそれなりに拡散されています。

2)別の人間が批判的文言(丸めて言えば内容がしょぼい)と共にツイートしてそれが拡散

3)大阪維新の議員がそれに対して「悪質な印象操作はやめてください」と共に配食サービスメニューを貼る
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f:id:nou_yunyun:20210204014207p:plain

(多分)以上の様な経緯で話題になっているかと思います。なお、1枚目の写真に写っているものと藤田あきら市会議員が貼っている表を見るとカップ麺やふりかけ、スープなどを見る限り表にある配食サービスメニューと合致しており、メニュー表と一緒のものを写真にアップしたら「悪質な印象操作」になるのは意味不明で議員自ら実際の配食メニューをディスってるのと同義になってしまってます。また、藤田議員はメニューをホームページ上で公表しているといっていますが、せいぜい以下の様な内容しか書いておらず公表しているとは言えません。

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なお、この表がHPにないことから開示請求するみたいな動きもあるようですが……、まあこの表が出てくるだけな気がします。
 最初に画像を貼った人がその後に藤田議員にメニュー通りではという他の方の指摘をRTしていますし、当事者からしてもこのメニュー表と写真の内容が同じことはうかがえます。写真からはどん兵衛カップラーメンのインパクトが強く、また段ボールの下の方に入っているものが見えないために確かに配食サービスの品が全て見えない状態になってはいるものの、ただ開封状態を撮ってアップしたことを「悪質な印象操作」と言えるかと言えばそれは流石に難癖の部類ですし、何よりも藤田議員は明らかに迂闊で且つこの画像を撮った自宅療養者にとっていわれのない攻撃に等しいツイートをしており、議員として甚だ適格性を疑わざるを得ません。

 前振り終わり。大阪の配食サービスが至らないものかどうかは表を見て各々が判断すればいいでしょうけれど、じゃあ他の自治体どうなのという事で。そういえば過去には

nou-yunyun.hatenablog.com

というのを書いていましたし、その日本版という事で。韓国は1年位前にやっていたことを今話題にしている日本何なの感ありますけど。

東京墨田区

f:id:nou_yunyun:20210204020317p:plain 出典:新型コロナ: 東京都墨田区、コロナの自宅療養者に支援物資: 日本経済新聞 ※2020年8月より開始

東京江東区

f:id:nou_yunyun:20210204021118p:plain 出典:新型コロナウイルス感染症り患者に対する自宅療養サポートセットの支給について|江東区
※2020年4月より開始

東京足立区

f:id:nou_yunyun:20210204021649p:plain
出典:新型コロナウイルス対策 自宅療養セットの支給しています|足立区

f:id:nou_yunyun:20210204022525p:plain
出典:News Up どう乗り切る?コロナ感染 1人暮らしで自宅療養 | NHKニュース
※2020年4月より開始
※1月から配達事業は東京都の自宅療養者支援事業に移行。配達食品が変わったかまでは不明

阪堺

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出典:新型コロナ: 堺市、新型コロナの自宅待機者に食品など無料配達: 日本経済新聞
※2020年5月より開始

大阪寝屋川市

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出典:「無料」の配食サービス 受け取りは“非接触”で… 自宅療養者などを支えるために | 特集 | 報道ランナー | ニュース | 関西テレビ放送 カンテレ
寝屋川市は弁当を配食
※2020年11月より開始

埼玉県

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出典:News Up どう乗り切る?コロナ感染 1人暮らしで自宅療養 | NHKニュース
※2020年11月より開始
※どの市か書かれておらず、県の提供?

千葉県

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出典:https://www.pref.chiba.lg.jp/kenzu/kenkouken/siori.pdf
※2020年12月より開始

神奈川県

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出典:https://www.pref.kanagawa.jp/documents/60973/shiori11.pdf
※2020年11月より開始
※文面を読むと「食事及び日用品(ティッシュ、トイレットペーパー)」で、食事に関しては弁当を配食の模様

群馬県館林市

f:id:nou_yunyun:20210204030940p:plain 出典:新型コロナの自宅療養者に食品など配達 館林市とコープが連携 - 毎日新聞
※2021年1月より開始

愛知県名古屋市

f:id:nou_yunyun:20210204025209p:plain
出典:https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/cmsfiles/contents/0000132/132533/kf200904-n.pdf
※2020年9月より開始
名古屋市は弁当を配食


 とりあえず公的なHPやメディアなどで写真含むで確認できるのはこんなものかなと。自治体によっては文字情報で確認できるものや、個人のブログやツイッターでもいくらか拾ってくることは可能ですが基本は上記の自治体に属しているものという感じです。個人的には発端となった大阪市については表と他と比べると五十歩百歩な気もしてどこまで問題あるかはよく分かりませんし、段ボールの外に出した写真を見せると印象が変わるのは事実かなとは思います。それとは別にSNSにアップするの禁止とか議員の対応は普通に酷い。

単身世帯、二人以上世帯の「金融資産保有額(金融資産非保有世帯含む)の平均及び中央値の推移

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 という表が少し拡散されていたので便乗して単身世帯、二人以上世帯の「金融資産保有額(金融資産非保有世帯含む)の平均及び中央値の推移」を置いておきます。

 さて、出典ですがこれは表にも書いてある通り金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査」からのものとなります。当ブログでも以前に扱ったことがあり、その時に気づいた注意点についてまず書いておきます。

(注1)金融資産の有無は、2017年までは、回答者が「保有している」と「保有していない」から選択。2018年からは、a.問1(b)で10(いずれも保有していない)を選択した世帯と、b.問1(b)で1(預貯金)のみを選択し、問2(a)で1(預貯金の合計残高)の「うち運用または将来の備え」がゼロないし無回答の世帯をそれぞれ「金融資産を保有していない世帯」(金融資産非保有世帯)としている。
「貯蓄ゼロ世帯」の推移について

要は金融資産有無の問いの仕方が変更されたために、2017年と2018年でデータのとり方が変わりデータに連続性がなくなったという事です。これが金融資産保有額にどこまで影響するかはちょっとわかりませんがその点にだけ留意してください。では、以下はグラフを置いていきます。

単身世帯の金融資産保有額推移

■20歳代
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■30歳代
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■40歳代
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■50歳代
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■60歳代
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二人以上の世帯の金融資産保有額推移

■20歳代
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■30歳代
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■40歳代
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■50歳代
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■60歳代 f:id:nou_yunyun:20210125144831j:plain

■70歳以上 ※単身世帯に「70歳以上」はなし
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 2018年で大きく値が動いてるのは質問項目の変更な気もしたり、それと二人以上世帯20歳代の2016年の中央値が0万円というのは前後の値を見ると信じるに値しない数値の様に見えたりとどこまで信じていいか悩ましい値ではありますが、とりあえずは推移はこんな感じです。ちな、別記事で書きましたが「「純貯蓄階級100万円未満」の世帯が2018年くらいから増えている」という案件もあり、貧しい人間は増えていると考えていいかなと。

「ホーム・アローン2」からトランプのシーンが「抹消する」とは書いてない

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 マコーレ・カルキンは所詮は主演俳優でしかないので別に消す権利はない。で、終わる話なのだけれど、何故かこのキルゴアさん氏をはじめとして消える事前提で話している人間がいくらか見受けられてので少しだけ記事を置いとく。
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 そもそもこの話、ツイッター上で以上の様な

ケビン役のマコーレーも再編集に賛成のようで、「『ホーム・アローン2』に出てくるトランプを、40歳になったマコーレー・カルキンにデジタル加工で置き換えることを求めます」というファンのツイートに、「(その案に)乗った」と返信するかたちで賛同。このやりとりを見たほかのファンも大半が好意的な反応を示している。
マコーレー・カルキン、『ホーム・アローン2』から「あの場面」を消すことを求める声に同意 - フロントロウ -海外セレブ情報を発信

というやり取りがあっただけで、監督や版権を持つ会社が言ってるならまだしも、現状では所詮芸能ニュースの枠を飛び出るものとは言えない。そしてこれは一番最初に挙げたツイート主の記事にも書かれていることであるし、これがなぜ「抹消するんやと」とという決定事項の様に書かれているのはいささか読解能力に難ありとしか言えない。あとツイートを見ると「40歳になったマコーレ・カルキンに置き換えて」という内容はどちらかというとギャグとして受け取ったほうが良いと思うのだけれど。
 それとカナダの放送局では既に削除されているという話もありますが、例えばこの件についてのCNNの記事を見れば放送時間上の問題であり、また重要シーンでないから削除したとあるし、それもトランプが大統領になる前の2014年からそういう編集をしているとあります。所謂「ポリコレ」で削除したわけではなくテレビで放映される映画では良くあることと捉えた方が良いでしょう。
 主演俳優がこの程度の反応をしただけで「ハリスッドはポリコレという崖に殺到して自らを殺すレミングの群」というのは拡大解釈にもほどがあるし、それと仮にトランプが削除されるとしたら「ポリコレ」という枠組みよりもトランプ嫌いが多いってだけでは。なぜ「ポリコレ」になるのかが分からない。「嫌い」で削除まで行ったら大事だろうけれど、現状だとツイーター内の「お遊び」に対して何故か異常に過剰な反応をしているとしか見えない。


・余談
マコーレ・カルキンはその他にもトランプが透明人間になっているバージョンにブラボーと返したりしてて、トランプが嫌いなのはわかる。

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・余談その2
トランプの代わりにジョー・バイデンに変えてという、どこまで本気なのか良くわからない署名活動もされていますが、2か月前に始まったキャンペーンでこの記事の余波を受けて1000名超えたくらいのもの。流石に賛同者は少ない。

・余談その3
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 規模は小さいものの、あちらでコラ素材しとる。

ホーム・アローン2 (吹替版)

ホーム・アローン2 (吹替版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

民主党政権時の倒産数とか失業率とかの色々なデータ置いとく

nou-yunyun.hatenablog.com

 前に書いた上記記事が思ったより反応が多かったり、ツイッターで私がツイートした倒産数の話とかが思ったより拡散されたので、一応民主党政権時前後の倒産数とか、失業率とか、株価とかのグラフを置いておきます。特に突っ込んだ話自体はないですので、数字の意味合いなどは各々で判断してください。やっつけ記事です。

倒産数、休廃業数

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出典:https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H29/h29/html/b1_2_1_3.html

失業率及び有効求人倍率

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出典:完全失業率と有効求人倍率の推移のグラフ | 探してみよう統計データ|なるほど統計学園

公共事業費

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出典:https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg6/20200507/pdf/shiryou1_part1.pdf

株価

f:id:nou_yunyun:20210101183419p:plain
出典:【図解・経済】日経平均株価の長期推移:時事ドットコム

米ドル/円為替レート

f:id:nou_yunyun:20210101183902p:plain
出典:USドル/円の為替レートの推移(1980~2020年) ※画像出力ページ - 世界経済のネタ帳

貿易収支

f:id:nou_yunyun:20210101185723p:plain
出典:第1節 我が国の対外貿易投資動向:通商白書2019年版(METI/経済産業省)

実質賃金(2015年=100)

f:id:nou_yunyun:20210101191143p:plain
出典:【実質賃金、名目賃金】推移を図解 | ニッポンの数字

総雇用者所得と消費総合指数

f:id:nou_yunyun:20210101192634p:plain
出典: https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2020/12shihyou/shihyou1-2.pdf

雇用者数と就業者数

f:id:nou_yunyun:20210101192840p:plain
出典: https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2020/12shihyou/shihyou1-2.pdf

雇用形態別にみた雇用者数の推移

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出典:第1-(2)-15図 雇用形態別にみた雇用者数の推移|令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-|厚生労働省

GDPの推移

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出典:第1-(1)-1図 名目・実質GDPの推移|令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-|厚生労働省GDPに関しては「GDP算出法変更 研究開発費加え3%押し上げ」みたいな話も合りましたが、これが過去に戻って補正されてるかは分かりません。

キリがないのでここら辺で。