電脳塵芥

四方山雑記

山本太郎(れいわ新選組)が提示する貯蓄ゼロ世帯のデータが示すのは文字通りの「貯蓄ゼロ世帯」ではない

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 この貯蓄ゼロのデータをれいわ新選組や党首である山本太郎党首討論d根使用していました。この表は元々は2018年の参議院予算委員会で使用していた以下のものが出所とも言える。

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つまりはここで表示されているデータ自体は2017年のものです。2021年のこの時期に出すにははっきり言って古い。で、このデータ元自体は「家計の金融行動に関する世論調査」がもとで現在2020年までのデータが出ており、該当の表は「単身世帯」なので今回も単身世帯のデータを見ます。それによると2020年の貯蓄ゼロ世帯の割合は以下の通り。

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これだけだと分かりにくいのでピックアップすると。

【2020年の貯蓄ゼロ世帯の割合】
20歳代:43.2%
30歳代:31.1%
40歳代:35.5%
50歳代:41.0%
60歳代:29.4%

以上の様になっており、いずれの世代においてもれいわ新選組が提示するデータから改善がみられています。ちなみに年齢別ではないデータにおける近年の推移は以下の通り。

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 さて、この件については以前も書きましたが2017年と2018年に奇妙な破線があります。これは2017年と2018年で集計の仕方が異なるためデータの連続性が崩れたためです。なので単純に2017年から2018年の数字の改善は必ずしも状況の改善とは言えません。
 ちなみにですがこの「家計の金融行動に関する世論調査」における「金融資産の非保有(貯蓄ゼロ)」は以下の様に試算されています。

【貯蓄ゼロ世帯のカウント方法】
①問1で現在保有している金融商品の選択肢で「いずれも保有していない 」を選択
f:id:nou_yunyun:20211018112827p:plain ②問2で預貯金の合計残高で「うち運用または将来の備え」がゼロの世帯
f:id:nou_yunyun:20211018113641p:plain ※参考「https://www.shiruporuto.jp/public/data/movie/yoron/tanshin/2020/pdf/shukeit20.pdf

上記をそれぞれ金融資産非保有(貯蓄ゼロ世帯)とカウントしています。特に②ですが、「預貯金の合計残高」がゼロの世帯ではなく、「うち運用または将来の備え」がゼロの世帯であることに注意が必要で、記入にあたっての注意を見ればわかる様に「日常的な出し入れ、引き落としに備えている部分は除く」というものです。つまりはれいわ新選組が提示している「貯蓄ゼロ世帯」とは実際の貯蓄ゼロも含みますが、日常的な生活を送る上で貯蓄がある世帯ですら「貯蓄ゼロ世帯」とカウントされます。ということを考えると、貧困を訴えるのにはいささか微妙なデータと言わざるを得ません。

厚労省のデータにおける貯蓄がない世帯

 なお貯蓄有無のデータですが、厚労省2019国民生活基礎調査においては以下の様なデータがあります*1

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全世帯だと13.4%が貯蓄なし世帯となり、母子世帯に至っては31.8%が貯蓄なしとなっています。年齢別のデータがないために表にすることは難しいですが、母子世帯などのデータは示唆に富むものかとおもいます。


10/23追記

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年代別を作ったので置いておきます。れいわ新選組が提示するデータとは全然違いますね。


 とりあえずれいわ新選組の示しているデータは単純に古いと共に数字が悪いところでデータの更新が止まっている点で宜しくない。このデータを振り回している身でありながらもしも政府の恣意的なデータを指摘するとしたらちょっと図々しいと言わざるを得ない。またそのデータの性質上、これを「貯蓄ゼロ」と大々的に言っていいのかも疑問が残ります。なんにせよ、今後このデータを使うのは止めた方が良い。

*1:2020年の調査が休止になり、2019年が最新となります

中国による日本分割予想図がまたぞろ増えてる

nou-yunyun.hatenablog.com

 以前上記の記事を書いたんだけですけど、ツイッターやってたらまたぞろ新しい分割地図が出来てたので記録。

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これは「2019年現在」とある様に2019年に造られた画像でしょう。それが2020年になると。

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分割予想図も何故か結構様変わりしてます。2019年の方は2019年12月18日のツイートが見つかるものの初出は分からず。このツイート主は皮肉的?に使用している模様なので画像自体はもう少し前からのものでしょう。で、2020年の予想図*1ですが、おそらくは4月8日の以下のツイートが初出。

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この際にはツイート主の紀子氏による中国視点?からのマウンティング的な意味での「私的な」予想地図でした。意味不明すぎる予想ですけど。で、この後に少し期間が開き、4月19日のこちらのブログで現在のような使われ方をしており、また4月21日にアノニマスポストが上記ツイートを馬鹿にするような記事を書き(その記事は何故か削除済み)というもので、ツイッターにおいても20日以降に現在の中国脅威論的な意味でのツイートがみられるようになります。ちなみに発端となっている紀子氏の元ツイートは消えていますが、この方は過去にこの様なツイートも。

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このアカウント、これらのツイートは削除済みではあるもの現在も運用されて残ってます。2019年版のももしかしたらこのアカウントが作成した可能性もありますが現状は不明。このアカウント自体が正直かなり尖ったアカウント(婉曲)で本気であるとは微妙に考えにくいですね。れいわ支持者である可能性もどれだけあるやらって感じで。いずれにしてもこんな画像持ちだして信じるな、煽るなって感じですが。
 そういえば話は変わって今は2021年ですが。

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2020年は過ぎ去りましたね。しかしこれ系の画像は本当に多い。

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※ハート出版『静かなる日本侵略 -中国・韓国・北朝鮮の日本支配はここまで進んでいる』の著者 佐々木類(産経新聞論説副委員長)発? 少なくとも吉田康一郎チャンネルにおける動画で確認できる。

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ペマ・ギャルポ飛鳥新社『最終目標は天皇の処刑』のカバー


10/22追記
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 なんだか新しいデマ付きで画像が来たので追記しておきます。画像だけはこちら。で、問題の文言はこちら。

日本大学の勝股秀通教授が2005年に北京市内の政府系研究機関で見つけた地図

元々この地図は2008年に「チベットを日本に置き換えたら」というたとえ話の為に作られた地図です。それをもとにして同じく2008年に中国外務省から流出したという話に置き換えられて流れ出たデマです。出所が日本大学の勝股秀通教授なんて言葉は今回の楊海英氏の発言以前には管見の限り見当たりません。念のために検索したって出てこない。ちなみに2005年となると勝股秀通氏は読売新聞の記者で専門は防衛問題や安全保障。解説部長、論説委員編集委員のいずれかを、もしくは兼任してはいたのだろうけどこの身分で中国に赴き政府系研究機関で見つけられるのかはよくわかりません。そもそも仮にこの地図が真実だとして政府系研究機関で見つかるってどんな杜撰な管理だよと思わざるをませんが……。いずれにしてもこんなデマ地図を持ってきて、それも新しいデマを付加して語ってる時点で研究者失格ですよ。


 そもそも中国外務省から流出~というデマがこの日本分割系画像の始まりなんですが、それが2008年。2020年時点でも未だに新たな画像は作られるわ、あまつさえ産経新聞論説委員だった人間が類似の画像を使うわ、カバーに使われるわで結構ひどいありさま。自分たちで作りだした捏造で自分たちを恐怖させて憎悪してと、マッチポンプ甚だしい。

*1:ちなみにバズってるツイートとかだとこれとか。

早稲田大学教授の有馬哲夫が言ってる「東北の水源地を中国人が買った」はデマ臭い

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 というツイートがありました。この早稲田大学教授の有馬哲夫氏はここ最近歴史問題などで暴れているという印象ですか、今回は置いといてこの「東北の水源地を中国人が買った」話について。ネット右派によるテンプレ的な文言ではあるものの、それはともかくとしてデマ臭いなと。
 根拠としては林野庁には「外国資本による森林買収に関する調査」が存在します。森林買収=水源地というわけでは必ずしもありませんが、鄙びた温泉地ならば基本的には森林地帯の買収と考えるのが妥当でしょう。で、「平成18~令和2年における森林取得の事例」における東北での外国法人又は外国人と思われる者による森林買収は以下の通りです。

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※県、市、件数、haという順です。

宮城、山形、福島の3県で合計102haが売買されていることになります。そのうち山形県大崎市シンガポールによる資産保有目的福島県いわき市アメリカによる太陽光発電事業用地宮城県大崎市アメリカによる太陽光発電目的となっており、現在のところ林野庁が把握している東北の森林買収において中国人、中国系企業が関わっている形跡はありません。林野庁の調査の抜けであったり*1、森林以外の土地にある水源地を買いに来たという可能性までは否定はできませんが、正直なところ有馬教授の話はかなりデマ臭いです。

2012年による調査

 少し遡りますが2012年に「地方自治体による水源林取得等の政策効果に関する検討調査委託事業」というものが行われ、それに対しての評価が平成24年度第4回林野庁入札等監視委員会 審議概要で伺えます。そこでは以下の様なやり取りが記されています。

・この調査の中で外国人による森林の購入など所有権移転の問題も対応するのか。
・調査を行った自治体には参考に聞いているが、外国人の所有の実態把握のためではなく、地方自治体の水源林取得の政策効果について調査するものである。
 
・しかしながら外国人による水源地の取得が進んでいることは大きな問題ではないか。
・そのとおり。
 
・誰が購入したのかは分かるのか。
・別途、調査はしているがリゾート地や単なる資産保有といったケースはあっても、水源地購入を目的としたような事例は聞いていない。一方、自治体としても、この件については非常に強い懸念は有しており、例えば森林所有者が森林を手放し、寄付したいといった場合もあるが、管理が難しいことから自治体では断っているケースもある。

2012年段階では水源地購入を目的とした事例は確認されいません。また森林所有者という文面からも基本的に水源地と呼ばれるものは森林にあるものと考えられますし、外国資本による森林買収に関する調査からも東北地方でのそれは行われていない事が分かります。まあ、とにもかくにも有馬氏の語っている体験談はデマ臭いなと。

そのほかにこの話で参考になりそうなもの

【狙われる日本の水源地】というデマについて - Togetter

原野商法の禍根と現状の問題点の一考察② :不動産コンサルタント 松井謙介 [マイベストプロ青森]

ミネラル豊富な北海道等の湧き水を利用し、実用化できるとして原野を売りつける商法。しかし河川法に基づかない水利権は売買できず、大手飲料メーカーでさえ水源地を購入したとしても水源を利用しての成功例はまずはないのだそうです。しかし、最近の傾向として中国人等による水源地等の用地買いがあるのだそうです。日本のようにミネラル豊富な綺麗な水は外国人にとっては魅力的なのです。中国のものにならないと安心してはおられません。
(中略)
政府の対策は後手後手でいまだに外国人等を相手の原野商法が行われていたとは、驚くばかりです。

 

News Up ”水資源が狙われている問題“を調べてみた | NHKニュース

森林買収の背景には私たち庶民には到底理解できない海外の富裕層ならではのステータス意識と価値観があったのです。
(中略)
「彼らが求める森林は水源として価値のあるところはほとんどなかった。結局、事情を知らない海外の富裕層がブローカーにどうにもならない土地をつかまされたというのが真相だ。今ではブローカーもいなくなり、このあたりでは買収の話はなくなった」

 原野商法辺りは以前から指摘されている事です。不安視は理解できなくもないですが現状のところ水源地を水資源取得のために買われたという実態は確認できていません。そもそも水源地を取得してその水を中国へと輸出するためのコスト、バカ高くなって採算性とれるんですかね。この水源地の話は息が長い説ですが、隣国への不信感を増させるためだけに存在している「流言」としか思えませんね。

*1:NHK記事にある面積と差異がある為にどこまで精度の高い調査かは不明

不開示請求だった厚労省のPCR検査抑制についての行政資料を不服審査請求したけれど

 以前こんな記事を書きました。

nou-yunyun.hatenablog.com

 志位和夫氏が挙げていたPCR検査抑制ともいえる資料に対して開示請求をしたら開示延長からの審議、”公にすることにより、率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ及び不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれがあるものであり(略)不開示とした。”という理由での不開示請求。で、その後にこの不開示決定に対して不服審査請求ができるのでしてみたら、その返事が戻ってきました。

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 まず不服審査でのこちらの主張は志位和夫氏、そして東京新聞の2020年10月11日の記事「「PCRが受けられない」訴えの裏で… 厚労省は抑制に奔走していた 」において該当文書と思われる資料が掲載されていることから厚労省の言う「国民の間に混乱を生じさせる可能性」はないから開示してほしいというものです。それに対して厚労省は以下の様な主張をしています。

外部の者によりその全部若しくは一部又は類似の文書が紹介されているとしても、行政機関が、内部検討のために作成された文書を公にした場合、当該文書の内容が当該行政機関により、最終的な意思決定がなされたものであるという誤解を生じさせ、不当に国民の間に混乱を生じ焦る恐れがあるため、その主張は認められない。
 また、かかる文書が公開された場合、外部からの圧力や干渉等の影響を受けることなどにより、率直な意見の交換又は意思決定において、中立性が不当に損なわれる恐れがあるが、請求者はこの点を考慮していない。

以上の様な論理の下で結論として不服審査請求は棄却すべきだと言われました。言われてしまいました。この回答に対して請求者としてこちら側から更なる反論の様なものをできるものの、正直厚労省側のこの論理はどんなことを言っても変わらない&こちらとしても理念的な話以外にもう言えることが特にない。なのでここら辺で諦めますかね……。

dappiのツイート数が最近奇妙に減ってるという話

 ツイッターアカウントdappiとは国会中継アカウントであり、虎ノ門ニュースという右派系番組のキャプチャを貼ったりするネット右派系のインフルエンサーアカウントです。国会中継に関しては与党に比べ野党の取り扱いが「ギャーギャー」に代表されるように非常に雑であったり、虎ノ門ニュースに関しては番組が番組なので傾向としては親自民党保守系、右派系、排外にも通じるアカウントと言えます。ただ例えば国会中継に関しては左派系とされる人が丁寧に与党の声を紹介しているかと言えば別にそうでもないので、党派性からのデフォルメ自体は「個人」でやるならば致し方ない面はあるでしょう。そのデフォルメは下品ですし、国会での議論を確認するのには向いているとは決して言えないというかむしろ害悪ですらある気はしますが。それと動画の編集をする時もあり、それをあたかも国会のやり取りであるかの様にをするのは性質が悪すぎますね*1

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 しかしながらdappiは小西ひろゆき議員の発信者情報開示によって法人の可能性が高くなり、そして弁護士ドットコムニュースでは以下の記事が書かれました。

弁護士ドットコムニュースが独自に取材したところ、この「法人」とはある企業で、その公式サイトには、ウェブサイトや広告の企画・制作などが事業内容として説明されている。また、この企業は会社情報検索サイトに、主要な販売先の筆頭に「自民党」を挙げている。
ツイッターの有名右派アカウントは「自民党」取引企業? 立民・小西議員が名誉毀損で提訴

公党、特に与党がその素性を隠し世論誘導の様なアカウント運営を法人に依頼しているならば甚だしい醜聞であり、民主主義的に非常に不味いとしか言いようがありません。
 で、dappiは以前から平日ツイートが多く、休日は少ないというツイート傾向から法人なのではという憶測はありました。それじゃ最近のツイート傾向はどうなんだろうと思って少しだけ調べてみた。

全体のツイート数

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 これを見ると月あたりのツイート数は2021年7月までは100台前半から200台中盤あたりを推移しています。しかし2021年7月からはそのツイート数が激減、10月に至っては現在2ツイートのみであり、夏あたりからアカウント運営上のなんらかの異常事態が起こっている可能性はあります。国会中継アカウントであるためにその期間ではない夏にツイート数が減るのではないかという推測は成り立たなくもありませんが、去年の国会閉会期間中の2020年6月18日~9月15日も3桁を上回っていることから2021年はやはり例年とは違う可能性はあります。

ツイートの時間帯、曜日の傾向

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 やはり土日は基本ツイートせず、時間帯もたまに21時以降ともしも業務と考えた場合には遅い時間帯はあるものの、基本的には日中~夜が多い。

2021年のツイート傾向

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 2020年のツイートは12月28日(日)の1ツイート、それ以前は25日のツイートが最後となり、年始も元日にツイートしたもののその後は幾日か休止しています。またGW、東京オリンピック、お盆*2などを見ていくと基本的に祝日となる日はツイートがないことが多く、カレンダー通りのツイートが多い傾向がうかがえます。
 次に9月。ツイートは9月16日から9月27日まで絶えます。ちなみに自民党総裁選の期間は9月17日から9月29日。若干のずれはあるもののツイートのない期間は総裁選と連動しているとも言えます。そして9月末、菅政権の締めに対しては以下の様に菅総理の功績を労わるなどのツイートと共に岸田氏へのツイートや岸田文雄高市早苗野田聖子安倍晋三らのツイートをRTしています。何故か河野太郎はない。

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この後にはいつものように虎ノ門ニュース関連のツイートをしており、総裁選時の沈黙は終わったようにまた復活するものかとも思われましたが……。
 10月、虎ノ門関連、そして以下の菅義偉ツイートのRTを最後にしてdappiのツイートは絶えます。

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ツイート数は2つのみとなり、岸田新総理誕生の国会中継が存在せず、今までの傾向から考えると異常です。例えば去年の菅総理誕生時には以下のようなツイートをしています。

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安倍晋三の投票時にツイート、そして菅総理誕生時にツイートをしています。何故岸田政権誕生時にこれをやらなかったのかは今までの傾向を考えればおかしい。よしんば党派性を無視して国会中継アカウントとしてもやっぱりそこにおかしさを感じざるを得ません。個人ならば個人の事情が考えられますが、法人ならば何かがあったと考えるのが妥当でしょう。何かが。
 何はともあれ2021年の夏からのツイート数減少や自民党総裁選時の沈黙、そして10月のツイート減少を見るにdappiアカウントの運営に関して何らかの支障が起こっていることだけは確かです。それが政権交代なのか、クライアントの方針転換なのか、それによる金の切れ目が縁の切れ目なのか、小西氏の開示請求なのかはわかりませんが。そして改めて見ると最近のツイート傾向は個人と思えず、組織的な思想が見え隠れします。それがなんであるか、解明されると良いですね。

おまけ

f:id:nou_yunyun:20211009090442j:plain  dappiって維新、特に足立氏あたりは好意的に捉えており、それはひとえに野党を批判するからと言うのもあるでしょうけど、自民党からお金が流れていた法人がこれをやっていた場合、色々とおもしろい動きだなと。

*1:ニュースの様に限られた時間の中で要点のみを伝えるならば仕方ないと思いますが、でもdappiはそうではないでしょう。

*2:2020年はお盆期間中にも少しはツイートをしていました。

日本のコロナ感染減少は「政府が数字改竄」という「韓国の声」について

自民党選挙で勝つのに、一番負担になるのがコロナだ」。韓国で最も人気が高く、与党幹部らもたびたび出演する時事ラジオ番組「金於俊(キム・オジュン)のニュース工場」で4日、左派系の時事評論家、金於俊氏は自民党政権が10月31日投開票の衆院選で勝利するため、PCR検査数を減らし感染者数を抑制しているとの持論を展開した。
金氏は「1カ月で感染者が10分の1になるなんてことはない。そんなやり方があれば世界はとっくにコロナを撃退している」と訴え、「政府が詐欺行為を働いてはいけない」と非難。主張の根拠は示さず、「日本メディアも(日本政府の不正を)指摘できずにいる」とした
日本のコロナ感染減少は「政府が数字改竄」 韓国で疑いの声

 という記事が産経にありました。まず前提として日本のコロナ感染者現象の理由についてはNHKの「コロナ感染者 急速減少の理由 専門家の見解は…」という記事において、

【感染者減少として挙げられる理由】 ・(連休などの)感染拡大要素がなくなった
・医療危機が伝わり感染対策をした
・夜間の人出減少
・ワクチン接種の効果
・天候の影響で屋外の活動が増え、室内の活動が減った

などが挙げられています。ただし国立感染症研究所の脇田隆字所長が以下の様な指摘をしています。

「夜間の繁華街での人出の減少やワクチン接種が進んでいることが要因として分析されているが、それだけではこの減少の速度は説明できない部分がある。(中略)複数ある要素がそれぞれどの程度感染減少に関わっているのか十分に解明できていないので、引き続き分析したい」と述べました。

ひとまずは複合的な要因であることは確実ではあるが、日本の専門家も今回の感染者数の急速減少に対して何がどの程度関わっているかは十分に解明できていません。韓国と比較してそこまで差ができる理由でもなさそうな為に韓国側から見て、というか日本側から見ても何故ここまで急増減少してるかは不思議ではあります。それと現段階の日本の検査数を見ると減ってはいるけど、感染者数程の急速減少とは言いづらく流石に意図的な検査減少とは考えづらい。
【日本全体の検査数】
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【東京の検査数】
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 で、本題。

金於俊(キム・オジュン)氏という信用ならない語り手

 まず産経新聞によるキム・オジュン氏は陰謀論者というか、フェイクニュースその他で幾度も物議を呼んでいる正直信頼に値するかはちょっと疑問符がつくジャーナリストです。ウィキペディアやナムウィキによる彼の説明は以下の様なもの。

Kim Ou-joon wikipedeia(英語)
Kim Ou-joon (born December 4, 1968) is a South Korean conspiracy journalist.

 

キム・オジュン/批判と議論
キム・オジュンは事実関係を問う前、まず本人の主張を打ち出し、いざという事実と異なる場合は、自分の発言には全く責任を負わない姿を見せる。間違っていてもないでくださいというふうに移る場合が多いという点である。
(略)
後に情報提供者が現れたり、物理的、状況的証拠が提示され、ヒットしたりした。しかし、ほとんどの「言葉」が、その証拠もなしに別名"扇動"に近いレベルの偽ニュースだ。つまり下物語を通じて詳細に説明しますが、あれこれまくりキャスト見れば偶然合うこともあるレベル。すべてのものに陰謀論の基準を突きつけ個中には本当に陰謀があったことがあれば、それは自分がすごく合わせがされているわけて移るだろう。
キム・オジュンの主張のほとんどは、本人と性向が他の人を見て主張している別名偽ニュースで、自分と政治的性向が他のメディアや放送を見て偽のニュースと称しながら、肝心の本人が最も多くの偽のニュースの生産工場である。
(略)
このようなキム・オジュンの行動は、まるで芸能人 のファン層とも同じ彼の信奉者で、さらに強固になる。陰謀、根拠が不足し見える予測が失敗した場合の信者たちは、「意図は良かった」、「肯定的な結果を生んだ」、「合理的疑いだった」は、精神勝利サムシンギを活用して、シールドを張って、他の問題が発生するまで沈黙することが一般化されている。
※自動翻訳

以上は彼の「批判と議論」における「概要」の一部からの抜粋ですが、まずキム・オジュンなる人物はナムウィキ上では人物のページ意外に「批判と議論」という別個のページが出来るほどの問題点のある人物であり、またこのページで挙げられている陰謀論や議論は一人のジャーナリストが発したにしてはかなりの多さです。韓国故に個別の判断は避けますが、それでもかなり特殊な人物であることだけは確実かと。ただ、以上の様な事を書かれていても人気はそれなりにあるらしい。

実際の放送と韓国内での広がり方

 放送は以下から確認できます。

youtu.be

私は韓国語をわからないので何がどうとも言えませんが、発言はニュース番組の冒頭で軽く触れる程度。何らかの確信や専門家とのインタビューでの発言などではなくキム・オジュン氏の党派的*1、評論家的感覚で語られている感があります。ただ一つだけ不思議なのはこの日本の数字改ざん発言、韓国ではそこまで流布されている話ではなさそうですし、深堀をしたわけではないけけどニュース記事にもなってない様子ですし、とある政治系掲示板でも話題になっている様に見受けられないくらいの正直かなりちっぽけな話題な様に感じられます。非一般世論、というよりも世論レベルでは存在すらしていない説な気がします。で、発言は4日。記事になったのは7日。どの経由で産経新聞はこの情報をキャッチしたのか不思議だなと。この記事を書いたのはソウル特派員の時吉達也という方なので、時吉氏かその周辺がチェックしていてそれを書いたとかかな?

 よしんばアレなジャーナリストがした発言でも韓国内で共感を呼んでいるならば記事にする価値は多少はあるのかもしれませんが、その気配はかなり薄い。動画のコメント欄でもこの発言に対するコメントはほぼ見ませんし。正直なところ、この記事によって日本の読者の韓国への偏見を育てる為に書いた記事としか思えません。「日本にイチャモンをつけるおかしな韓国」という様なフレームワークとして。あと数字改ざんの前提として公文書改ざんをした日本政府という現実があるので、そういう失態がこういう陰謀論的考えを呼んでいるんだよなと思わなくもなく。

*1:ちなみに親与党系、進歩派です。

ソウル地下鉄にあるという「日本人を屠殺しよう」という看板について

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 この画像はアノニマスポストが自身のまとめ記事に張り付けたまったく関係のない画像です。以上、終わり。でもいいんですが。

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発端は中央日報の記事「【寄稿】韓日関係、「善くないサマリア人」と共存する知恵を学ぶ時だ(1)」における以下の記述。

ソウル地下鉄3号線の安国(アングク)駅5番乗り場の前に立って列車を待つときはいつも複雑な思いを抱く。5番乗り場のスクリーンドアには抗日詩が貼られているが、作者は李奉昌(イ・ボンチャン)義士だ。その最後の部分は「倭人を屠殺しよう」という内容だ。屠殺は肉屋で牛や豚を刃物で切って分けるという意味だ。なぜこのような詩をここに貼っているのか気になった。管轄部署に尋ねたところ「倭人(日本)大使館に行くには安国駅で降りなければいけないため」「安国駅一帯が独立運動の街であるため」という説明を聞いた。
韓国に来る日本人がこれを読むとどんな気持ちになるだろうか。これは文明国家がすることではない。立場を変えて考えてみよう。東京銀座の電車駅に「朝鮮人を切り殺そう」という文字が貼られていれば、これを見た韓国人の気分はどうだろうか。「倭人を屠殺しよう」という詩句を見て複雑な気持ちになるのなら「土着倭寇」として攻撃されるかもしれない。

中央日報の政治的立ち位置を考えた場合、引用部分は話のとっかかりでその後の部分が核ではありますが、それはともかくとして確かにその看板自体が書かれている事は強烈ですので、この記事を受けて当然ながら日本でそれが拡散。

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それがアノニマスポストで記事になった際に上記の関係ない写真が貼られて勘違いした人間が勘違いツイートをするといったものです。ちなみに件の李奉昌による文は以下の様なものであり、実際は「倭人を屠殺」ではなく「敵国の首魁を屠戮」が正しいでしょうから中央日報の(おそらく)意図的な誤訳、若しくはこの執筆者の論旨に合わせた歪曲です。この文に込められた歴史的背景を考えた場合、悪質ともいえる誤訳、歪曲ですが。

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なおこの李奉昌なる人物は天皇暗殺計画などをした人物ですが、詳しい彼の生涯などは韓国のナムウィキが詳しいので気になる方はそちらをどうぞ。

独立運動をテーマにした駅「安国駅」

 この看板ですが、そもそもなぜあるかと言えば安国駅が2018年9月18日に独立運動をテーマにした駅へと改装をしたからです*1

ソウル交通公社主管で、来年3・1運動100周年を控え、独立運動のテーマ逆に指定して、歴史的あちこちに記念碑を介して独立運動を感じることができようにした。
(中略)
「100年乗り場スクリーンドアと大気の椅子には、独立運動家の業績と語録を記録した。出勤や仕事帰りに車カーンごとに異なる独立運動家を会ってみることができるだろう。
https://opengov.seoul.go.kr/mediahub/16247307
※自動翻訳

つまりは独立運動家の業績と語録が駅のホームドアにプリントされているいったもので、駅自体のテーマや一種の国家独立を思い起こす施設となっていると言えます。そして件の看板は以下の様なもの。

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※出典:https://m.blog.naver.com/elqkdmffj/221281828593

独立運動をテーマにしてある事、そのテーマ内における独立の抗日宣言文という歴史的文脈がある事*2、そも「倭人を屠殺しよう」とは書いてはいないですし、あらゆる文脈を無視してソウル地下鉄に「日本人を屠殺しよう」というのはデマの類と言えます。まあ、これはそもそも中央日報の記事がおかしい。

*1:完成したのが9月18日で2018年の3⋅1運動99周年記念行事も安国駅で行われています。https://mediahub.seoul.go.kr/archives/1142436

*2:天皇暗殺宣言の様なもので受け入れられない日本人は多くいるでしょうが、それは韓国における「独立運動」という性格を考えればここに書いてある事が著しく不当でありレイシズムである、とは決して言えない。あと天皇暗殺は失敗したけど、日本側は王族暗殺を実際してるしとも。

外務省が旭日旗の意味を対外発信するのは政府の意に沿ったもの

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 在豪日本大使が上記のようなツイートをしており、「旭日旗の意味を知っていますか」と共に動画のURLを貼っていたりしてます。これに対して外交官の右傾化、極右化みたいな話をしている方がおり、その可能性自体は否定できませんが、そもそもこの旭日旗の意味の対外発信については残念ながられっきとした政府や外務省主導の業務にあたるものです。

外交青書2020における記述

 まずわかりやすいのは外交青書 2020における以下の記述です。

第4節 日本への理解と信頼の促進に向けた取組
1 戦略的な対外発信
(1)戦略的対外発信の取組
外務省では、対外発信の最前線である在外公館の体制強化を図りつつ、①日本の正しい姿を含む政策や取組の発信に一層力を入れるとともに、②日本の多様な魅力の発信及び③親日派知日派の育成を推進するという3本の柱に基づいて戦略的に対外発信を実施している。
(略)
一部で旭日旗について事実に基づかない批判が見られることから、政府として、外務省ホームページに旭日旗に関する説明資料を多言語で掲載するなど、旭日旗に関する正しい情報について、国際社会の理解が得られるよう様々な形で説明してきているところである1。

以上の様に今回の行動はこの外交青書に沿った行動と言えます。また、上記にもあるように現在外務省HPには旭日旗に関する説明ページがあり、そこには以下の様な記述。

我が国の基本的立場(2021年5月18日加藤官房長官記者会見午前(抜粋))
 「旭日旗の意匠は日章旗同様、太陽をかたどっており、大漁旗や出産・節句の祝い旗等、日本国内で現在までも広く使用されているものであり、特定の政治的・差別的主張である等の指摘は当たらない。政府として、韓国を含め国際社会に向けて、旭日旗掲示が政治的宣伝にならないという考えを累次の機会に説明しており、今後ともそうした説明を継続していきたいと考えている。」

 この加藤官房長官の説明は旭日旗の「意匠」や文化的側面のみをピックアップした説明ですが、この説明には歴史的背景や好んで旭日旗を使用する人間によって付加された意味、また実質的な軍旗であることの問題性をないがしろにしている説明なので、こんなもので外国は説得できないし井戸の中の蛙しか説明できない論理といえます。さてそのほかの説明ですが、それは以下のようなもの。

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この説明PDFは日本語のほかに英語、韓国語、フランス語、スペイン語タイ語で行われています。3枚目とか説得力があると考えていたらちょっと怖いくらいですが……。  ちなみにこの戦略的対外発信については2020年が初出というわけでもなく、2019年の外交青書からこの旭日旗についての記述が出るようになりました。

国会における答弁や旭日旗対応のきっかけ

 外交青書に書かれたのが2019年版(6月に発行)からですが、ちょうど2019年の国会で以下の様なやり取りがありました。

松川るい旭日旗に関する韓国が繰り広げている世論戦、これに対しては日本政府としてはどのように対応されているのか、茂木大臣にお伺いいたします。」
茂木敏充旭日旗のデザイン、これは日の出であったりとか朝日をイメージしたものでありまして、日本国内でも広く使用されているものであります。そして、松川委員お作りいただいた資料にもありますけれど、類似のデザイン、海外でもよく見るんですよ。お店に入ったっていろいろありますし、旗の掲示が政治的宣伝になるとは考えておりません。そして同時に、組織委員会も同じような見解であると、このように承知をいたしております。
 こうした我が国の考え方、韓国含め国際社会に向けて累次の機会に説明してきておりまして、今後ともしっかり説明を続けていきたいと思っております。」
第200回国会 参議院 予算委員会 2019年10月16日

2019年はこのほかにも7回ほど旭日旗関連の話題が国会でなされており、外務省HPの旭日旗ページについても2019年の5月24日に運用が開始されています。これは茂木氏が口にしているように2019年までの韓国における旭日旗批判、例えば2018年の当時の外務報道官会見記録である

韓国での旭日旗掲揚を禁止する法案提出
産経新聞 原川記者】韓国内の動きなんですけれども,韓国与党の議員が,旭日旗を掲げた船舶の領海内での航行を禁止する法案を提出したんですけれども,これに対して,現状,何か抗議とか,外務省として対応されていることがあれば伺いたいんですけれども。
【大菅外務報道官】確認の上,追って,回答させてください
大菅外務報道官会見記録|外務省

などを受けての日本政府としての反応と言えるでしょう。
 なおこの政策評価については詳細は不明ですが2021年4月の資料「令和2年度外務省政策評価の結果の政策への反映状況について」の「【基本目標Ⅰ施 策Ⅰ-1】アジア大洋州地域外交」の項目内に「旭日旗関連事務に伴う 1 名新規増要求」とあり、もともと何人が従事しているかは不明なものの人員を装荷する当たり業務として無視はしていない事がわかります。

 以上の様に今回の一件は現地外交官の暴走などではなく政府の意に沿った外交行為と言えます。正直、日本政府やネット右派層が思うような効果を上げるとは思えませんが。