電脳塵芥

四方山雑記

国内観光における訪日外国人客のシェアについて

この報道に騙されるべからず。日本国内観光における訪日外国人客のシェアは5パーセント程度。観光地や観光産業の冷え込みは95パーセントの日本人客が動き出せば大方解消できる。日本人が国内旅行しやすくする助成策を終息後に即実行。

 2019年の訪日外国人ってJNTO(日本政府観光局)によると3188万人を超えているわけですが*1、それすべてが観光客ではない*2とはいえ訪日外国人の日本国内観光におけるシェア5%程度というのは感覚的に違和感を覚えたので調べてみた次第。
 ただひとまず詳しく調べなくても言えることですが、例えば韓国人観光客の大幅減で対馬などは相当な打撃を受けています。2017年3月の対馬市観光振興推進計画によれば2015年の観光客数の58万人中21万人が4割近くが韓国人観光客、それが2018年では韓国からの訪日観光客数は41万人。対馬は3年で20万人もの観光客が増加し、そしてその増加分が著しく低下したわけですが、その減少分をカバーできるほど日本人は対馬に行ってはいない。というか常識的に考えてその数を一時的にではなく恒常的に日本人観光客で補える分の観光客を呼ぶのは甚だ困難というか、無理でしょう。よしんば、対馬でそれを実現できたとしても日本国内の数々の観光地で訪日外国人減少分をカバーする為に日本人が国内旅行をするのは不可能といっても過言ではないかと。

 閑話休題さて本題。

 「日本国内観光における訪日外国人客のシェアは5パーセント程度」ですが、この「シェア」が具体的に何を指すのかがわかりません。「旅行人数」もしくは「旅行消費額」の何れかと考えるのが妥当と考えますので双方を見ていきます。で、それが判るデータですが 「観光庁 観光白書」を参照するのが妥当でしょう。
 まずは「旅行人数」ですが、2019年度版の観光白書によると、

【2018年の日本国内旅行客数】
 日本人国内宿泊旅行 :2億9105万人
 日本人国内日帰り旅行:2億7073万人
 訪日外国人     :3119万人*3

日本人の旅行客は5億6178万人、訪日外国人は3119万人でその割合は約5%となり、確かに有本氏の言う通りの人数視点で見た訪日外国人旅行者数のシェアは5%の様です。では旅行消費額という視点で見ればどうか。これも同じく2019年度版の観光白書を見ますと、

【2018年の日本国内における旅行消費額】
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 日本人国内宿泊旅行     :15.8兆円(60.6%)
 日本人国内日帰り旅行    :4.7兆円(17.9%)
 日本人国内海外旅行(国内分):1.1兆円(4.2%)
 訪日外国人旅行       :4.5兆円(17.3%)

以上のような結果となります。

金額ベースで見れば日本国内観光における訪日外国人客のシェアは17.3%となり、5%を大きく上回っています。さらに宿泊に絞ったデータも存在しており、そこでは、

【日本人・外国人の延べ宿泊者数の推移】
 日本人延べ宿泊者数は4億2043万人泊(83%)
 外国人延べ宿泊者数は8859万人泊(17%)

となり、宿泊数上でのシェアは17%。こちらも5%を大きく上回ります。それとシェアの話ではありませんが観光白書では訪日外国人向けに「コト消費(スキー、スノボ、マリンスポーツ、温泉入浴などの体験型観光)」を強化して消費額が成長している地方も存在しており、2012年から2018年で訪日外国人は3.7倍にまで拡大しましたが、旅行消費額は4.2倍と人数を上回る伸びを見せています。また日本人・訪日外国人の平均旅行消費額ですが、

【日本人・外国人の旅行消費額】
 日本人宿泊旅行  :5万4243円
 日本人日帰り旅行 :1万7264円
 訪日外国人旅行支出:15万3029円

以上の様に日本人と訪日外国人では落とす金額に大きな差異が存在します。(差別心から端を発する)一部界隈では落とす金額の少ないと言われる韓国人でも8万ほどですので、言い方は悪いですが訪日観光客は日本人よりも多くのお金を落とすお客でもあるわけです。単純に失った訪日人数分を日本人で補ったとしても金額ベースで言えば補えない状況です。


 「人数」という一面から見れば有本氏は正しいことを言っています。しかしながらより重要であろう「金額ベース」で言えば訪日外国人のシェアは17%であり、数値の矮小化を図っているというそしりを受けても致し方ない数字の利用でしょう。訪日外国人は様々な場所に旅行に行き、2019年を考えれば3000万人規模なわけです。上述しましたが、助成策で日本人が国内旅行をすれば「ある程度」は解消できる問題ではあるもの恒常的にすべての観光地を救うかといえば、難しいでしょう。

訪日観光の教科書

訪日観光の教科書

*1:2018年は3119万人で2019年は微増。韓国からの訪日外国人は夏以降にかなり減少しており、この減少がなければあと200万人くらいは増えていた可能性は大いにあります。

*2:2018年の観光目的は2776万人。単純に当てはめれば2019年もこの程度の人数が観光客となると思われます。

*3:JNTOでは観光目的の訪日外国人とそれ以外の目的で分けているようですが、観光白書では訪日目的別には分けておらず単純に訪日外国人=観光客としている模様です。

ドライブスルー検診について

 ドライブスルー検診についての「調べてみました!」くらいの軽い記事です。

◆韓国でのドライブスルー検査について
 とりあえず、まずはドライブスルー検査に詳しい韓国の記事から。

※自動翻訳
コロナ19検査5分で終わり...進化するドライブスルー選別診療所
 
一日一日が野戦病院のような生活の連続だが、お互いを頼りめまいと看護師は伝えた。看護師のチョ(38)氏は、「私たちの病院のドライブスルーには、一日の自動車350台程度が来る」と「6時間ずつ3交代勤務をするそれでも序盤より環境が非常に良くなった」と話した。
ドライブスルー選別診療所は、コンテナ4個設けた。各コンテナで受付、診療、収納、検体採取を順番にする。受付の段階で身分証明書と携帯電話番号で本人確認をした後、診療段階で嶺南大病院所属の医師が発熱や呼吸器症状などの状態を確認する。収納を経て看護師が待っている検体採取の段階で、本検査が行われる。全過程10分になると知られたが、ここで医療スタッフは、このシステムに習熟されて平均的に5分で検査を終える
(略)
たまに内部事情を知らない市民が陽性判定を受けては、「あなたがたは消毒していなくて、私は感染した」と電話で抗議する事例があるとした。キム某(25)看護師は、「一人一人の検体採取をするたびに、きれいに消毒している」とし「一般スクリーニング診療所よりも検査進行速度が速いみる誤解が生じることもある」と述べた。
(略)
換気の良い屋外選別診療所が民間消毒業者が午前・午後に2回一帯を消毒する。
(略)
ドライブスルー選別診療所は、自動車で降りずに相談と診療、検体採取までのすべてのプロセスを一度にする方式である。医療スタッフとの接触を最小化し、検査待ちと医師の間の感染の危険を下げ、消毒・換気時間を惜しむ長所がある。効率性と安全性が知られると、政府は、全国の自治体にドライブスルー選別診療所運営指針を提供し、その数を拡充することにした。
(略)
検査の結果は、一般的な選別診療所のような1〜3日程度かかり、個人の携帯電話のテキストメッセージで通知される。嶺南大病院関係者は「一般的な選別診療所は、ドライブスルー選別診療所の検査速度をたどることができない」とし「あえて欠点を挙げるなら、交通渋滞だ十分耐えることができるレベルである」と述べた。
2020-03-05
코로나19 검사 5분에 끝…진화하는 드라이브 스루 선별진료소 | 연합뉴스

 韓国の記事をさらっと見た感じではありますが、ドライブスルー検査についてのある程度の工程が書かれた記事は以上のようなものです。なお、いくつかの記事を見た中では基本的に韓国国内でドライブスルー検査に対しての批判記事は見受けられません。逆に「世界絶賛「ドライブスルー」... 「1番」主治医キム・ジンヨンのアイデア(自動翻訳)」というように世界から絶賛されている検査であるとの記事はいくらか見受けられます。特に下記の様な評価を外から受ければ誇りと感じるのも不思議ではないでしょう。

※自動翻訳
「韓国は医療崩壊に地獄 "... コロナ19対処に貶め熱中する「日本」
医療システムの優秀性はもちろん、民主主義の原則を守った素晴らしい事例と評価も続いた。ワシントンポスト(WP)は、コラムニストヨスログインの寄稿文を通じて「民主主義国家の強みをうまく活用して、国民の健康を保護することが、より適していることを証明した国は韓国」とし「数百万人を強制的に家に閉じ込めて政府批判を防ぎしまった、中国 "とは異なり、民主主義の価値を守りながら大量の検査を迅速に進行したことを強調した。
"한국은 의료붕괴로 지옥"…코로나19 대처에 폄하 열중하는 '일본' - 이투데이

それと上記の記事の見出しを見ればわかるようですが、日本では韓国が「医療崩壊」しているという論がいくらか見受けられますが、韓国で「医療崩壊」を検索しても「日本が韓国は医療崩壊に陥っているに対する反論記事」以外には新型コロナに関する医療崩壊記事は見受けられません。上記の引用記事では村中璃子武藤正敏などを紹介しての反論、また記事によっては孫正義氏のツイート紹介とそれに群がるネチズンの声を紹介する記事などがあり、基本的に韓国(ネット)国内では韓国の「医療崩壊物語」は日本のいちゃもんというタームで語られていると考えます。少なくとも各記事を見る限り、個々のレベルでは病床の問題もあるかもですが、国内レベルで問題になるほどの崩壊は起こっている様には見受けられません。


◆日本でのドライブスルー検査について
 現状、日本はドライブスルー検査をする気はないようですが、新型インフルエンザを受けての検討などでドライブスルー検査が考えられていたというのを見た(新型インフル感染、ドライブスルーで防げ 岡山 初の発熱外来訓練|岡山の医療健康ガイド MEDICA)ので、他にはどうだったのかなと。

【2008年 新型インフルエンザ 保健所対応マニュアル 平成 20 年度版】

4.発生を想定した実地訓練
(5)訓練・演習の種類
オ)その他の医療対応訓練 ファックスや電話による処方、ドライブスルー方式の予防接種訓練などが考えられる
平成 20 年度地域保健総合推進事業 全国保健所長会協力事業

【2009年 シンポジウム「新型インフルエンザ発生に備えた国立病院機構の体制」】

2009年2月に出された政府の新型インフルエンザ対策行動計画(略)対策の目的は(略)実行不可能な「完全をゼロに」ではなく「パンデミックの可能な限りの緩和」を目標に据えており、「封じ込め」に対し、「mitigation strategy(被害軽減)」とよばれる概念を提唱している。その方法の一つにウイルス伝播を助長する集団の形成を避けるということがあげられる。医療現場は患者が集中する場所であり、待合室における混雑はパンデミックという設定では最も危険で好ましからざる集団の形成を意味する。その対策として米国や本邦においてもドライブスルー形式によるインフルエンザ外来の試みがなされており、その有用性が示唆されている
新型インフルエンザからの提言

【2010年 佐賀県 鳥栖三養基地区健康危機管理対策幹事会】

―― 7月21日から、一般医療の受診が可能となりました。全医療機関の対応となったわけですが、この部分では、こちらの地域の対策案として注目されたドライブスルー方式の発熱外来にも触れています
中里  新型インフルエンザが発生する以前から、他の患者さんとの接触を防ぐことを狙って、ドライブスルー型発熱外来を検討していました。しかし、今回の新型インフルエンザのウイルスの病原性が明らかになるにつれ、当初想定していた強毒型ではないことが分かってきましたので、その段階で地域で協議をし、ドライブスルー方式の発熱外来はやらないこととしました。
―― 実際の対応の一環として、ライブスルー方式(ママ)の亜型が実行されたと記されています。
中里  患者さんに自家用車で医療機関に来てもらい、そのまま車の中で待機した状態で、医師が診察するという方法です。抗インフルエンザ薬が必要な場合は、ファクスで近くの薬局に処方せんを送り、その薬局の薬剤師さんに薬を車まで持ってきてもらうようにしたところもありました。
―― 「一般の患者さんと新型インフルエンザの患者さんを完全に分離して受診してもらうことは、困難だった」が課題に挙がっていますが、その解決策の1つとして、ドライブスルー方式の亜型を取り入れた医療機関があったことは、今後につながる工夫だと思います。
中里  発熱外来自体をどうするのか、という大きな課題もありますが、ドライブスルー型発熱外来の亜型が対策の一環として実施されたことは成果の1つに挙げたいと思います。
シリーズ◆パンデミックの教訓(No.3) ドライブスルー型発熱外来の亜型は成果の1つ

【2011年 新型インフルエンザ対策ヒアリング日本病院会

死亡率が高い場合はドライブスルー方式、ファックス処方箋方式を推奨し、他者との接触を極力回避した形で迅速な治療ができる体制を作るべき。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/housei/231219hear/siryou3.pdf

【2015年 「北九州市新型インフルエンザ等対策マニュアル(医療対応編)」の改定について】

3.県内未発生期~県内発生早期(国内発生早期)
(1)概要
イ. 生活衛生課は、市立医療センターの外来受入状況を踏まえ、その他の協力医療機関に帰国者・接触者外来を順次設置する。また、病原性によっては、外来診療を対面式から非対面式(ドライブスルー外来)へ変更する等適切な診療体制について検討する。

【2016年 度新型インフルエンザ患者発生時対応訓練(江戸川区)】

(2)感染症診療協力医療機関にて感染防御機材を準備、患者を診察する。(「ドライブスルー方式」)新型インフルエンザの可能性がある患者に対して、検体採取を行い、保健所に検査を依頼する。
平成28年度新型インフルエンザ等対応訓練事例集

などなどが見受けられます。それとネットでは中身は見られませんが 2017年の江戸川医学会誌には「新型インフルエンザパンデミックを想定したドライブスルー診療の検討 | 文献情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター」というものもあったりします。2011年の「新型インフルエンザ対策ヒアリング日本病院会」を除けば基本的には地方の動きであって中央の動きではありませんが、日本においても時折というレベルですがドライブスルー検診についての訓練や構想は行われています。リソースや準備、周知の問題はありますし、訓練では効率が逆に悪くなったという様な反省点が書かれていたりするのもありますので、これらの下地があったとはいえ即ドライブスルー検診の対応が可能だったかといえばそうでもないでしょうが、少なくともそういった動きがあったのも事実なわけで。

 今回の件については、厚労省内部での議論の議事録とか見たいなあって強く思ったりします。やらずに終わるんですかね。

浴室保有率についての話

 なんてのがあったので「家の風呂」の話でも少し。
 まずドラえもんの連載開始時期は1969年12月です。この方の言っている事を真に受ければ一般に「家の風呂」に入る習慣はドラえもんの連載開始時期である1970年代にはなかったことになりますが、その世代でない私でさえ感覚的にかなりの疑問符が付きます。とはいえ、そんな個人的な感覚は置いておいてデータでも。
 住宅の浴室有無については総務省が昭和23年以来、5年ごとに行う「住宅・土地統計調査」という調査で統計がとられています。ただし、現状のネット上では直接該当調査を調べようとしても1988年の調査までしか遡れません*1。なので該当調査を使用している以下のHPからグラフを引用します。

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図録▽銭湯の軒数と料金

グラフから見て分かる通り1970年代の浴室保有率は7割くらい、一貫して上昇傾向であり70年代後半には8割ほどの普及率となって言います。日本列島改造の時期を田中角栄が総理であった1972~74年とし、その時期に浴室保有率が上がったのは事実です。70年代初頭には3割が「家で風呂に入る」習慣がなかったというのは今から考えればかなりの割合といえるでしょう。しかしながら7割の住宅に浴室がある状態で「家で風呂に入る」習慣がなかったというのは誇大表現です
 この浴室有無については全国平均であろう事にも留意が必要です。たとえば鳥取県統計課の住宅・土地統計調査 平成20年(速報)III 結果の概要には以下のグラフが見受けられます。

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これは鳥取県に限った場合の浴室保有率などの推移ですが、昭和53年(1978年)時点の鳥取県浴室保有率は90%を超えています。この時の全国の保有率は82.8%となり、全国を8%ほど上回っています。反面、2008年の東京23区の浴室保有率を見ると89.6%で全国平均よりも下回る保有率となっています。東京が低い理由は浴室無しの割合が多い「民営借家 (木 造・設備共用)」や「民営借家 (非木造・設備共用) 」などが多いからと想像できます。これらの住宅は家族で住むというよりも学生や独身の人間が住むという傾向の強い住宅の可能性が強く、家族という括りで住むことは少ないと考えられます。彼らが地方から出てきた場合、浴室のある家がある可能性はそれなりにあるかと考えます。

 また東京ガスHPにある「風呂文化歴史研究会」を見ると以下の様な記述がなされています。

昭和20年代 戦後復興期 1945~1954年
 銭湯の時代
 ・みんなが集まるお風呂
 ・石炭や薪でたいた時代
昭和30年代 住宅供給を目指した時代 1955~1964年
 内風呂の時代
 ・新しいタイプの浴槽が登場
 ・お湯のある快適なくらしを目指して
昭和40年代 高度成長期 1965~1974年
 お風呂の近代化の時代
 ・バランス釜の登場
昭和50年代 より快適な住生活へ 1975~1984
 お風呂の技術革新の時代
昭和60年代・平成以降 高齢化・家庭回帰の時代 1985~
 お風呂の多様化の時代
※一部削除しています。
東京ガスHPは項目だけですが、こちらのHPに各項目の文章があります

保有率などの具体的な数値がないのは痛いですが、大まかに風呂の時代区分けがなされており参考になります。55~64年には「内風呂の時代」と銘打たれており、住宅・土地統計63年調査の浴室保有率が59.1%という事を鑑みればこの前の時期に内風呂が徐々に一般家庭に普及し始めたことがうかがえます。その後の65~74年もバランス釜の登場(65年)などにより、普及が安定的に推移したのは統計からも明らかですが、70年代に爆発的に入浴習慣が増えたとは言えないでしょう。

 事程左様に地方によっては70年代に9割近くの住宅が浴室を保有している地域は存在しており、また浴室がない住宅に関してもそこに住む住人の出身次第では「家で風呂に入る」という日常は共有していた可能性は大いにあります。また浴室の一般への普及時期もそれよりも前の年代と考えた方が妥当です。もう一度書きますが、一般的に「家で風呂に入る」習慣が新しいものとは言えないでしょう。
 そもそも「入浴シーンを覗く」という行為、それも対象者が少女であるという表現に対して、”「家で風呂に入る」というこれまでの日本になかった習慣を新しく出来た「非日常のプライベート空間」として面白がっている”という説明は意味不明というか、おためごかしにしか見えません。新しい云々を抜きにしても、このシーンは普通に「非日常」でしょう。風呂に入ってたら突然に人が現れるんだから。このシーンは風呂に入った裸体の人間(性的対象)を覗くというカッコつきの「サービスシーン」と捉えるのが普通で、プライべートな風呂に侵入したこと自体を非日常として楽しんでいるのではなく、それによってハプニング的で合法的な言い訳として現れた性的消費を「楽しむ」ものではないかと。ただ、その「楽しむ」は対象の「非日常のプライベート空間」を侵したものであり、現代において使用に耐えうる表現かというと、もうそういう時代じゃないはずで。
 大体、女性がプライベートで風呂に入ってたら男性が急に風呂に入ってくるって、普通に恐怖・通報案件では。勿論、この性が逆だとしも。

お風呂の歴史 (文庫クセジュ)

お風呂の歴史 (文庫クセジュ)

*1:脇道ですが、この浴室有無の調査は2013年からは調査項目から外れたらしく、2013年、2018年調査には見受けられません。見落としがなければですが……。それと昭和23年から昭和33年の調査も見れないので、その時期に項目があったのかも不明

2019年のアメリカ合衆国からの「とうもろこし」の輸入額について

 覚えている人はどれくらいいるのかわかりませんが2019年にこんな話題が一時期ありました。

安倍総理大臣がトウモロコシを買うと言ってくれた」
トランプ大統領が共同発表の場で強調したのはこのことだった。
「トウモロコシ、アベが全部買う!」の真相とは | 特集記事 | NHK政治マガジン

トランプ大統領が「日本がトウモロコシを買うぜ!」とツイッターで息巻いた件。その後に日本政府は「ツマジロクサヨトウ」という害虫が日本に入ってきたからその対応の為に云々という話もあったりしてツイッター外でも少し話題になりました。で、じゃあそのトウモロコシの輸入って結局どうなったのか。

 まずは該当データはどこからかですが、貿易統計などから輸入額を確認可能です。トウモロコシの貿易品目番号は「1005~」となり、1005以降の番号で播種用、飼料用、爆裂種、蒸留酒用、コンスターチ、その他のものなどに分かれています。2014年から2018年までのアメリカからのトウモロコシ輸入額は下記の通り。

【トウモロコシ輸入額】
2014年:3442億円
2015年:3160億円
2016年:2458億円
2017年:2736億円
2018年:3421億円
※出典「品目別貿易実績:農林水産省

この期間だけ見ると2014年が一番大きな輸入額となっており、そこから一度下がる。そして2017、8年にまた上昇となっています。では、2019年はというと、

2019年:2662億円
※出典: 普通貿易統計 貿易統計_全国分 品別国別表 輸入 月次 2019年12月 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口

2019年になってトウモロコシの輸入額は減少しました。 グラフにするとこんな感じです。

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で、月毎の推移では……、

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となり6月以降は減少傾向。トランプ発言のあった8月末以降にも少し下がった場所で停滞している様そうであり、トランプ発言後にトウモロコシの輸入額の増加はデータ上確認できません。また2020年1月の輸入額も既に確認できますが95億円となり、依然として低いままの輸入額となっています。また、この輸入トウモロコシは主に飼料用トウモロコシであったと記憶しておりますが、2018年と2019年での比較は以下の通り。

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というように飼料用トウモロコシが大幅に下落しています。全種類のトウモロコシ輸入に占める飼料用トウモロコシの割合が一番大きく、他の品種でも落ち込んでいますが、この飼料用の落ち込みが全体の輸入額の落ち込みに貢献していることとなります。それとこれは当然ですが、輸入額が下がっているので輸入量も下がっています。

 トランプ発言のあと、安倍首相は

安倍首相は会談でトランプ氏に追加購入のため「民間企業を緊急支援する」と表明。飼料メーカーや商社の購入を税金を基にした補助金で支える方針とみられる。購入を無理に増やすために多額の補助金投入を迫られる可能性がある。
東京新聞:トウモロコシ追加購入に補助金 日米貿易首脳会談 理由の「害虫被害」わずか 年間輸入3カ月分275万トン:経済(TOKYO Web)

という様な補助金投入の可能性が報じられましたが、2020年3月現在においてはトウモロコシは輸入が増えているどころか相当量の減少となっています。飼料用トウモロコシの輸入量で言えば2018年は1000万トン、2019年は660万トンという様に

 一時話題になって色々言われていましたが実態としてはむしろ減少です。この補助金政策などがそもそもいつ始まるのかという時期の話が不明な為、一概には言えませんが現状ではただのトランプの戯言に終わっていると言っても過言ではないかと。むしろ何故飼料用トウモロコシ輸入がこんなに減少しているのかの方が問題な様な気がするほどの減少幅な気もしますが……。なんでこんなに減ってるんですか。

◆3/8 追記

 ツイッターでブラジルとかの影響があったのではという指摘を受けたので、少し調べてみました。本記事ではアメリカのみに絞ってみたので全然調べてなかったでござる……。
 まず最初にトウモロコシそのものの輸入額推移。

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これをみると多少の上下があるものの2019年のトウモロコシそのものの輸入額は減っていないことが分かります。で、2019年のアメリカのブラジルのトウモロコシ輸入額を見ると次のようになります。

f:id:nou_yunyun:20200308211600p:plain ※グラフに書き忘れましたが飼料用トウモロコシの比較です

アメリカの減少とブラジルの増加が対象関係にある事が明白です。ブラジルはもともと輸入額が大きい国でしたが、2018年上旬は著しく低迷。その後に著し増加を見せています。とりあえずアメリカのトウモロコシ輸入の減少はブラジルの輸入が増加したから、です。なぜブラジルが低迷してその後に増加したのかまでは手を伸ばしませんが、とりあえずそんな感じです。


韓国の大統領動静についてのメモ的なもの

 新型コロナによって輪をかけて日本の首相動静が局所的に話題になる昨今ですが、ふと韓国の大統領動静ってどうなんだろうという記事です。ただの自己認識のメモみたいな記事なので特に突っ込んだ話はありません。
 韓国の大統領のスケジュールは青瓦台HPから確認可能です。日本では報道による動静ですが、韓国の場合はどうやら記者はついておらず公式発表によって動静を明らかにするというスタイルな模様です。なおこのスタイルは伝統的に行われていた手法ではなく、

2014年の旅客船セウォル号事故当日、朴槿恵前大統領の動静が不明だった「空白の7時間」をめぐり、国のトップの動静を明らかにしないことへの批判の高まりを受けた措置。文氏は就任前、「大統領の24時間を公開する」と公務の透明化を約束していた。
文在寅大統領がHPで動静を公開 朴槿恵氏の「空白の7時間」批判受け 週単位で日本には及ばず - 産経ニュース

というものであり、文政権の約束が実現したものと言えます。これ自体は一歩前進であり透明化でありますが、公式発表である事、土日などでは記述がない日がある事、あくまで公的な行事の記述が多く事細かな動静ではない(会議の時間も開始時間があるが、終了時間はないなど)事などなど。例を挙げれば、

f:id:nou_yunyun:20200227010210j:plain ※自動翻訳しています

という様な感じで記述されています。新型コロナ会議が10時に予定されていますが、その次の時間は15時。常識的に考えて5時間の会議は行っていませんでしょうし、リンク先にも終了時間がかかれてないので何時間の会議を行ったかはここだけの情報では不明です。また17:22以降の動性もありません。これが現状での韓国大統領動静な模様です。
 日本の首相動静に慣れていると正直な話物足りなさがあるのは拭えないのが正直なところ。むしろ首相動静は日本の報道の誇れるべき特異な点なのかもしれません。権力者が何に時間を割き、誰に会ったかを知れるというのは大変に良き事なので日本はこのままの首相動静を続けてほしいものですが。あとそれによって権力者が身を引き締めてくれれば本当は良いのですが……。

 もっと詳細な情報が記述してあるならば大統領の動きを見て色々と~、って思ったのですが、それが出来るほどの詳細な情報とはあまり言えなかったのでここまでで。なおコロナ関連とかの韓国大統領の動きを見たければその発言の大抵はアップされていますので、ご興味があれば見てみると楽しいかもです。

今日の総理

今日の総理

  • 作者:池上 彰
  • 出版社/メーカー: ビジネス社
  • 発売日: 2009/11/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

2019年の訪日韓国人が激減したよ

 2019年の訪日韓国人が激減しました。その数としては、

<訪日韓国人客数>
2018年:753万人
2019年:558万人
JNTO 国籍/月別 訪日外客数(2003年~2020年)

1年で約25%、数としては約200万人の減少となります。ちなみにこの訪日客の減少は2019年前半からみられる傾向なものの、やはり大きな原因は2019年7月の日本による半導体など材料3品目の輸出規制を厳格化である事は論を俟たないでしょう。

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8月の観光客は前年同月比約48%減、10月以降はー60%を下回る様相を示しており、回復傾向は一向に見せず、2020年1月の訪日韓国人も同様に前年同月比59.4%減。韓国からの訪日数がこのままの推移である場合、2020年の訪日韓国人客数は2018年750万人の6割減である300万人程度になる可能性も存在します。実際にはここに新型コロナであったり、東京オリンピックなどのイベントが存在するのでそう簡単に当てはめられるものではありませんが、現状のコロナへの日本の対応を考えればマイナスの影響の方が高いでしょう。
 ちなみに韓国人の訪日客数が減ったという話の際に韓国人は消費金額が低いから来なくてもよいというスタンスを発する人が存在します。確かに韓国人の消費金額が低いのは事実で、その額は約7.5万円。訪日観光客の中で消費金額が10万円を下回っている唯一の国であります。額が少なければ来なくていいという話は甚だ排他的でありおかしな話ですが、そもそも訪日客数がそれを補って余りある人数が来ていた事にも留意が必要であり、雑な計算をすれば1人当たり7.5万円を消費する観光客が200万人減少すれば1500億円の減少です。実際には、

<訪日韓国人客消費金額>
2018年:5881億円
2019年:4209億円
2018年(平成30年)の訪日外国人旅行消費額(確報)
2019年暦年全国調査結果(速報)の概要

となり、1年で1600億円、割合にしてー28.4%とかなりの減少が発生しています。雑な計算よりも減少幅は大きくなっています。雑な計算の方を2020年に当てはめるならば300万人×7.5万円で2250億円近辺になり、その場合は2018年から3500億円程度の減少となります。これらの減少額が些細な金額ではないことは誰にでも理解できることかと思います。

 事程左様に訪日韓国人客数は激減しました。徴用工判決からのギクシャク感があってか7月以前からも減少傾向であった事は確かですが、しかし決定的になったのは安倍政権による輸出規制である事は間違いありません。その施策により200万人の観光客と1600億円の消費を失ったといっても過言ではないでしょう。ナショナリズム優先による失策といっても良いかと。

前年の9割減も 対馬念頭、韓国人観光客激減を政府支援:朝日新聞デジタル
韓国人観光客が消えた対馬 ホテルも免税店も閑古鳥|NEWSポストセブン

という様に対馬などはその典型ですが、観光地によっては存亡の危機レベルかもしれません。そして2020年も減る。


 オマケ。
 輸出規制の一角であるフッ化水素は現在以下の様な輸出推移となっています。

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12月の輸出額は1億5千万ほど。日本からの輸出は回復傾向はあるものの問題のなかった6億円近辺にまで戻るのは先になりそうです。この間隙を突いた韓国や他国による競合商品が生まれていますので実際にその値まで戻れるのかは不明ですが。
 それと今回の日本の輸出規制は許可制度にかかわるものであり許可さえされれば回復するものです。でもその場合は別に問題になったカッコつきの「輸出規制」が元に戻ったというわけではありません。仮にですが、このままの回復傾向が続いて元の値に戻る可能性もあるわけです。その場合、韓国での不買運動、今回で言えば訪日観光客数の「終わりの合図」的なものになるのか疑問。どのように終わりを迎えるんですかね、この問題。分かりやすいのは徴用工の話の決着なのでしょうが、果たしてここまで落ちたものがその合図で簡単に戻るのかも少し疑問です。

フリーターの数とかの話

コンビニエンスストアなど小売りや外食の現場を担ってきたフリーターが急減している。2019年には全国で140万人を下回り、ピーク時に比べて4割弱減った。
フリーター急減 外食・小売りの事業モデル岐路 昨年、ピーク時から4割減 :日本経済新聞

 というニュースがあったのでフリーターの話でも。まず記事内でも指摘されている事の様ですが、総務省労働力調査によればフリーターの定義は次の通りです。

16A-Q09 フリーターの人数
労働力調査」では、若年のパート・アルバイト及びその希望者のことを、便宜上『フリーター』としています。
 若年のパート・アルバイト及びその希望者
 年齢が15~34歳で、男性は卒業者女性は卒業者で未婚の者のうち次の者をいう。
  ・雇用者のうち勤め先における呼称がパート・アルバイトの者
  ・完全失業者のうち探している仕事の形態がパート・アルバイトの者
  ・非労働力人口で、家事も通学のしていないその他の者のうち、就業内定しておらず、希望する仕事の形態がパート・アルバイトの者
統計局ホームページ/統計FAQ 16A-Q09 フリーターの人数

という様に年齢は「15~34歳」という条件があります。また男女によって定義が異なっており、男性は卒業者という条件のみですが女性の場合は「卒業者で未婚の者」という条件が課されています。データ上で見るならば、総務省の労働力調査(2019)>「[第11表 配偶関係,年齢階級,雇用形態別雇用者,失業者及び非労働力人口(卒業者)」を確認すると、フリーター関連である「パート・アルバイト及びその希望者(注4)」には以下の様に記述されています。

卒業者:
男:66万人
女:165万人

卒業者で未婚の者:
男:58万人
女:72万人

となります。この「卒業者:男」の66万人と「卒業者で未婚の者:女」の72万人を足して2019年のフリーターは138万人としています。男女で条件が異なるのは女性の場合は主婦業の傍らパート・アルバイトとする方が多いために「フリーター」として扱わないという事にしているのだと思います。
 事程左様に本調査における「フリーター」とは、「フリーター」という括りを当初からもって対象者を調査しているのではなく、パート・アルバイトのうち、年齢などの各条件がそろえば「フリーター」という括りにされるものです。ですので例えば34歳以上になればこの定義から外れてフリーターではなくなり、パート・アルバイトという括りになるのではと思われます。また女性が結婚すればその方もフリーターではなくなります。

   次にフリーター人口の推移ですが、これらは「労働力調査(詳細集計)2019年(令和元年)平均(速報)」を見れば確認できます。当該グラフ(2009~2019)に内閣府にあったデータ(2002~2008)を継ぎ足したデータは以下の通り。

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労働力調査によればフリーターの数は138万人(男66、女72)となり、2018年からは5万人の減少となります。これは若者がフリーターにならずに就職をするなどの要因も大いに考えられますが、しかし前述した様に35歳以上になれば自動的にフリーターの数に換算されなくなるという要素もあります。それを総務省も意識してか「労働力調査(詳細集計)2019年(令和元年)平均(速報)」には35~44歳以上の「パート・アルバイト及びその希望者」の情報も記載されています。それによると、

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以上の様になり去年から1万人増えたこととなります。15~34歳の減少傾向に比べればこの年代は近年横ばいといえる状態です。あと余談ですが、65歳以上の「パート・アルバイト及びその希望者(婚姻問わず)」を見ると285万人となり、前年比から16%も増加しています。なので高齢者がより働く社会に向かっているのはデータからも見て取れます。

 特にこう結論などないんですが、フリーターの数が減少傾向なのは人手不足からの若者の雇用の増加と共に年齢的条件による追い出され組と15歳新規加入組の数のアンバランスさなどがあるのかなと。ここら辺はデータ上、年齢階級別しかなくて年齢別データがないので印象論になってしまいますが。あと、高齢者の人数が増えたという理由もあるでしょうが高齢者の労働人口が増えてます。この傾向はしばらくは続くのではないかなと。
 働きたくない。

はたらきたくない

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  • アーティスト:打首獄門同好会
  • 出版社/メーカー: Living,Dining&Kitchen Records
  • 発売日: 2019/03/06
  • メディア: MP3 ダウンロード

安倍政権の目標「2019年農林水産物輸出額1兆円」が未達に終わったのと「その他」の話

 安倍政権の目標の一つに「2019年までに農林水産物輸出額1兆円達成」というものがありました。この目標自体は安倍政権以前からの目標なので敢えて安倍政権の特色として強調する必要もそこまではないものの、ただ輸出が好調だったので当初は2020年目標だったのが2019年に1年前倒しの目標になったので安倍政権的には2019年には達成できる見込みだったのでしょう。が、その目標は未達に終わりました。

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https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_info/attach/pdf/zisseki-208.pdf

 2019年の輸出額は「9121億円」。2018年は「9068億円」であり前年比0.6%となり、前年を上回ったものの胸を張っての増加とは言えない増加値でしょう。この大きな要因を出国別にみていった場合、増加率の鈍化と共に香港、韓国、タイなどの輸出減が大きいと考えられます。

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https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_info/attach/pdf/zisseki-209.pdf

香港 2018年 2115億円 ⇒ 2019年 2037億円 ※78億円減
韓国 2018年 635億円 ⇒ 2019年 501億円 ※134億円減
タイ 2018年 435億円 ⇒ 2019年 395億円 ※40億円減

以上の三つの地域で250億円ほどの減少となっています。香港は一連の香港独自の事情の為に日本側の瑕疵はそこまであるとは考えませんが、韓国に関してはほぼほぼ日本の半導体輸出に端を発した問題が大きいと考えるのが妥当でしょう。タイは良く分かりません……。
 次に品目別に見た場合ですが、以下の様になります。

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https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_info/attach/pdf/zisseki-210.pdf

品目を見ると水産関連の減少が見えます。これは漁獲量などの関連はあるかもですが、詳しくはわからないのでこれ以上は触れません。各品目の伸びの推移は2019年の速報値よりも2018年確報値のPDFの方が詳しく載っていますので、ご興味があればどうぞ。

◆余談

 以下は余談というか、私自身もどう捉えればいいのかよくわからない話をします。

 農林水産物輸出額9121億円のうち、1位の輸出品目の輸出額は895億円で輸出額全体の9.8%を占めています。その品目は「調製食料品(他の項に該当するものを除く。)ーその他のもの(210690900)」。「その他」が輸出額で一番多いのはある意味当然ではあるのでそれは良いのですが、この「その他」はすべてを合わせた「その他」ではなく「調整食料品」という項目内の「その他」です。で、「調整食料品」そのものの輸出額は次の通り。

【2020年 21.06調製食料品(他の項に該当するものを除く。)】
 2106.90100(海苔):2億円
 2106.90200(豆腐):5億円
 2106.90900(その他):895億円
※参照先 輸出統計品目表(21類) 。なお海苔は未記載ですが、他のページを見ると海苔であることが分かります。

という様にこの項目自体「その他」で圧倒的に占められています。このその他の中身についてはこちらでその17分類を参照可能ですが、正直どういう品であるかは素人にはわかりづらいですし、このうちどの分類のものがそこまで大量に輸出されているかは不明です。 さて、この「その他」の伸びですが、以下の様になります。

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という様に安倍政権以降に結構な増加がうかがえます。特に2014年から2015年に約140億円ほど、2017年から2018年では約230億円、2018年から2019年も約100億円といずれも大幅な上昇です。2000年を100として長いスパンで農林水産物との上昇率を比較した場合、

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※2000年の「その他」の輸出額は138億円、農林水産物は3149億円

以上の様になり安倍政権前は農林水産物とほぼほぼ同じ伸びだったものの、2015年からは目に見えて大幅な上昇をしています。元々の輸出額が少なければ上昇率は高くなりやすいですが、2014年輸出額は353億円ですのでこの輸出額からの大幅な上昇というのはとてつもないヒット輸出品がなければ難しいと考えます。ですが、なにせ「その他」に分類されている為に何が輸出されているのかは不明。税関に問い合わせましたがやはりその他はその他であり謎なままでした。ちなみに輸出国の上位五か国の輸出額は以下の様な推移になっています。

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2019年は香港が下がったものの271億円とかなりの額を輸出。中国は2018年から2019年まで60億円とかなりの増加が見受けられます。香港の2017年から2018年などは100億円以上も増加していますし、本当にここまでの輸出額増加を見ると何を輸出したんだろうという疑問が尽きない。しかしその他の為にその品目は不明。香港をハブとしている為に輸出額が上がっている可能性がありますが、とはいえ再三再四言っているようにその他の中身は不明なのでよくわからない……。

 「調製食料品(他の項に該当するものを除く。)ーその他のもの」ってなんで、なんでこんな近年急激な増加をしているんですかね。