電脳塵芥

四方山雑記

2020年のフッ化水素などの韓国向け輸出量の変化

www.nikkei.com

韓国貿易協会がまとめた2020年のフッ化水素の日本からの輸入量は19年比75%減となった。日本政府の対韓輸出管理の厳格化前と比べると9割減の水準で低迷が続く。

 という記事があったのでそれ関連でも。といっても以前に似たような記事を書いてるのでそと似たような感じで進めます。

フッ化水素の輸出量推移

 日経の記事にも書いてありますが、それをグラフにすると以下の様な感じ。

f:id:nou_yunyun:20210211053348p:plain

グラフを見ればわかる様に2019年の実質的な輸出制限発動後に激減、そして若干の回復はしたものの所詮は若干というレベルで停滞しており韓国での報道を含めれば輸出制限前の水準に戻ることはもはや不可能と考えた方がよさそう。外交によって日本国内の産業を殺すという離れ業をやったといえるかも。

韓国への輸出額(全体)

 韓国の全体の輸出額は以下の通り。

2019年:約5兆円
2020年:約4兆7千億円

2019年から2020年にかけて約3千億円ほど減少してます。これは不買運動の他にコロナ禍の影響もいくらかありそうとはいえ、しかし中国や香港の様に2019年に比べて増加している輸出先もある為に不買運動の影響はある程度は無視できないかなと。

農林水産物の輸出額

 農林水産省の資料によれば。

2019年:約501億円
2020年:約411億円

さらに主に何が減ったかの表があり、それによれば。

f:id:nou_yunyun:20210211055904p:plain

以上の様に2019年から90億円減となっています。そしてアルコール飲料、特にビールは不買運動で輸出が減少した典型的な商品の一つですが、その推移を見ていくと。

f:id:nou_yunyun:20210211060750p:plain

夏が近づいた時期に一時の微回復をしたもののこちらも以前の輸出量に戻るのは不可能な感じがある。


 代表的なものを2例だけ紹介しましたが、とりあえず輸出制限によって日本が自らの首を絞めた半導体用部品は自らの首を絞めて終わりの可能性が高く、それに端を発した不買運動における代表的な代物も運動前に戻るのは難しそう。勿論、それらの影響を受けていない商品も多々ありますが、とはいえ半導体用部品の実質的輸出制限に関してはやはり大失策以外の何物でもなさそう。

日本ビール検定公式テキスト 2020年4月改訂版

日本ビール検定公式テキスト 2020年4月改訂版

  • 発売日: 2020/04/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)