電脳塵芥

四方山雑記

黒瀬深が民主党政権下で国葬ってデマ吐いてる

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 デマ常習犯の黒瀬深氏ですが、以上のようなツイートをしていました。とりあえずこの件については端的に。

 まず「国葬」ではなく「内閣・自由民主党合同葬」です。国葬は戦後に国葬令無くなったことにより吉田茂など例外的に行われている事例もありますが、国葬というものは戦後にはほぼほぼ行われておりません。とはいえ、それなりの税金が投入される以上、「内閣・自由民主党合同葬」が国葬に近しいものとして扱われて、その文脈で語られていること自体は致しかたない。
 問題なのは宮澤喜一氏の「内閣・自由民主党合同葬」が民主党政権下でというもの。宮澤喜一氏が亡くなったのは2007年。この時点で2011年に葬儀を行ったのはあり得ないことが分かります。ここら辺の情報はwikipediaで良いと思うので、そこからの引用ですが、

2007年(平成19年)6月28日午後1時16分、老衰のため東京都渋谷区神宮前の私邸で死去した[18]。87歳。在任期間が1年を超える首相経験者は大勲位菊花大綬章を受勲することが慣例となっているが、遺族は本人の意向により勲章等は辞退した。8月28日に、安倍晋三首相を葬儀委員長として、内閣・自由民主党合同葬が日本武道館で行われた。
宮澤喜一 - Wikipedia

という様に宮澤喜一の内閣・自由民主党合同葬は2007年に自民党政権下で行われており、黒瀬氏は誤った画像を持ってきてデマを吐いています。ちなみに民主党政権時にも「参議院葬」は行われており、こちらを例示しておけば少なくともデマではなかった。なお民主党政権下で行われた西岡武夫氏は参議院議長現職での死去となり、こちらは現職の議長が亡くなった場合に慣例で行われているものです。「参議院議長故西岡武夫参議院葬儀(平成23年11月25日):参議院」にその様子が少しだけ映っていますが、これを「国葬」の様に扱うのはやや難しい気もしますが。

 さて、下記のwikipedia内にある国葬のページにある表を見ると黒瀬氏の引用した表もwikipediaであろう事が分かります。しかし、その内容は誤ったものへと改変されている。

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国葬 - Wikipedia

【追記】
 上で誤ったものへと改変されているとしましたが、どうも変更履歴を見ると「2020年9月11日 (金) 12:18」でこの一覧表に参議院葬が追加された際に宮沢氏と西岡氏の順番が誤って(?)表示されていた模様。黒瀬氏はその誤ったままの表を信じてデマツイートになったわけです。情報の裏付けが甘い。といいつつ、変更履歴を見ていなかった私がとやかく言えないなと思った次第なので、強い批判にあたる言葉は消しておきます。
【追記終わり】

 ちなみに「平成19年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書」によると宮澤喜一氏の葬儀には7696万の予算。 f:id:nou_yunyun:20200926033954p:plain

橋本龍太郎氏以前はネット上でさらっと探しただけでは出てこないので分かりませんが、予算規模を考えると過去よりも少し多めなのかなと。
橋本、鈴木両氏の予算は見つかったので貼っときます。

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鈴木善幸氏は5449万、橋本龍太郎氏は7702万で中曽根氏ではやはりちょっと上乗せされている。なお、2011年の参議院葬の予算は良くわかりません。ただ元首相死去との違いで言えば、参議院葬は議運の理事会で論議され、それが異議なしという結論を得ているという事ですかね(第179回国会 参議院 議院運営委員会 第6号 平成23年11月21日)。

国葬の成立 明治国家と「功臣」の死

国葬の成立 明治国家と「功臣」の死

  • 作者:宮間純一
  • 発売日: 2015/11/18
  • メディア: 単行本