https://comemo.nikkei.com/n/n41f7e39b07fdcomemo.nikkei.com
という話を見たんで、へーって思った次第。へーへーへーって、特に疑いもなく。なんで調べてみました。なおリンク先はの内容はとりあえず下記引用部分に注目しとけばとりあえずいいかなと。
その身長の伸びが近年止まってしまったどころか、逆に低身長化の傾向にあるという事実をご存じでしょうか?
(中略)
20-40代の男性の平均身長は、ほぼ170㎝を超えています。50代でも2017年にはじめて170㎝を突破しました。ですが、18-19歳男子の身長が直近2年連続低下し、170㎝に達しないという低身長化が見られます。
リンク先はこれをグラフにしており、その参照先データは「国民健康・栄養調査」です。で、引用部分の話についていえば「2017年国民健康・栄養調査(e-stat)」の身長のデータ。直接的な該当部分はここです。ちなみに現在のところ2018年分は概要は出ていますが、詳細は出ておらず身長のデータを参照するのは無理な様です。
となっており、確かにデータ上、18-19歳男子は平均して170を割っています。さらに2016年データでの身長は、
となり、確かにこのデータ上では減少傾向である事がうかがえます。そしてなんとさらに2015年データでは、
という様に2015年からも低下傾向となります。データだけ見ると2015年に平均身長174.9cmの19歳男子が2017年では170.7となんと4.2cmも縮んでいることが分かります。
おかしくない?
たった3年間の間に同じ年齢の平均身長が4cmも違うのは正直異常事態の類といってもいい。これが本当ならば相当の何かがあったのか、もしくは癖のあるデータであると考えた方が妥当です。
さて、では18-19歳に限らなかった場合にはどうかというと、「国民健康栄養調査」の2010~2017年の16~25歳男子での平均身長を見てみます。
先ほどの2015年の19歳の値が突出していることが一目瞭然ですが、それと共に調査年ごとにかなりのばらつきがある事が判ります。平均身長が毎年1cm程度ブレるというのは中々考えづらいことかと考えます。
このブレの要因ですが、調査人数が少ないことが原因かなと。上の方のデータで張り付けた国民健康調査ですが、「年齢」と「身長」の間に謎の数字があります。それは調査人数となります。以下の様に。
これは2015年データですが、例の突出した19歳の平均身長は19人からとった平均身長にしかすぎません。このサンプル数が少ないであろうとことは想像に難くありません。
そもそもこの「国民健康栄養調査」ですが、主な目的はその名の通り「健康と栄養」の調査であって、身長はその副次的な調査と考えます。その証左であるかのように「平成30年国民健康・栄養調査結果の概要」を読みますと、身長そのものの話はされていません。生活習慣、糖尿病、栄養・食生活、運動etc、という様な内容。このデータをもとにそれらの状態を見るのは良いとは思いますが、身長はあくまでも目安、これをもって10代の身長の参考にするにはあまりにも使用するデータが誤っているかなと。
じゃあ、実際10代の身長はどうなんだという話になりますが、それは「学校保健統計調査(e-stat)」を参照するのが良いかなと。で、手っ取り早くデータです。ただし学校での調査のために18,19歳のデータはありません。なので中学校(12~14歳)、高校(15~17歳)の男性のデータ比較となります。
表を見ればわかる通り中学校はほぼほぼ変わらずの推移、高校の方は2~3mm程度の減少傾向ではあるようです。ただ17歳の時点で170越えはしていますし、18、19歳にも少しは身長が伸びることを考えれば日本の10代男性の平均身長はまだ170は割ってはいませんし、この推移であっても170を割るのは相当後でしょう。
ちなみに女性(中学校、高校)の身長推移は、
となり、女性の方もやや減少傾向といって良いかなと。
一番最初にあげた記事は少々データ元がまずい気がしますが、とはいえ身長が減少傾向である事はほぼほぼ確かかなと。この原因を探るなら参照記事にあるような低体重児もあるでしょうし、日ごろの栄養状態とかもあるでしょう。栄養状態を調べるなら家庭ごとの所得による子どもの身長などなど、多数の要因を探せば探せるとは思います。さすがにそこまで色々と調べて……、というのは私にはできませんが。
とりあえず結論としては10代の身長、ちょっとだけ低下しつつあるというのはほんと。