《なぜ出生数が急減したのか。厚労省は「令和婚」を目指して結婚を19年5月に先送りした人がいたとみる。》
— プチ鹿島 (@pkashima) 2019年12月24日
ホントですか。 https://t.co/GmL2gD0uf8
元号に合わせて出生数がそんなに変わるか馬鹿! で終る話なんですが、2019年の婚姻数とか出生数のグラフとかでもでも。出典は厚生労働省の令和元年(2019)人口動態統計の年間推計や人口動態統計速報(令和元年10月分)などから。
なお、参照した「人口動態統計速報」は確定数とでは差異があります。速報(グラフに用いた値)は確定数に比べて上振れしている事に留意してください。
1)婚姻数
婚姻数の月別数は人口動態統計速報から参照でき、今のところ2019年は10月までのデータが存在します。それを簡単にグラフ化したのが以下の様になります。
※2019年の11月、12月のデータはまだ出ていないのでそこからの累計は無視して下さい
グラフ上から改元のあった5月に婚姻数が増えたの確かですが、その反面改元に合わせたため1月からの婚姻数は前年を下回っています。その後も全体的に低調。5月の改元に合わせた令和婚自体は大いにありましたが、それは結婚をしようとした方々がその時期に合わせて結婚しただけで結婚全体の数を押し上げてはいません。というより、10月時点で婚姻数は前年を割れています。また年間推計にはなりますが、
2017年:606 952
2018年:586 481
2019年:583 000
となり婚姻数は前年度割れになる可能性が高く、できても前年度維持です。仮にこの5月に結婚した方々の出産が増えたとしても結婚総数自体はそう変わらないために出産数が改善する可能性は限りなく低いのではないかと。
あと余談ですが離婚数は1,2年前とあまり変わらずです。
2)出生数
これまた同データから推移を。
2019年の出生数はすべての月で前年を割っている状況です。この現象が改元に合わせて減っていると考えるのは正直かなりきつい認識でしょう。来年に一気に回復するとも思えません。
結婚を先送りにして改元に合わせたタイミングの「令和婚」自体は確かに存在しています。ですが婚姻の時期が少しずれただけにすぎず全体の数に変化はありません。故にこれを少子化の話と繋げるのはあまり意味をなさないかなと。5月に結婚した方々が来年に出産(という仮定をするの少し気持ち悪いですが)したとしても、他の月の結婚数は低いわけで来年になったら出生数が回復するというのも考えづらいです。
改元で出生数が解決したら楽だけど、んなわけない。
※余談
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei19/dl/2019suikei.pdf
韓国、シンガポース、イタリアあたりは日本より出生数が少なく、やはりここら辺で参考すべきはフランス、スウェーデンあたりなのかなーっと。

- 作者:髙崎 順子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2016/10/14
- メディア: 新書