というブログの記事を受けたツイートが少しだけバズってて、そんでブログの内容はというと、
岸田首相がゼレンスキーと会って約束したのは、7300億円の資金援助だけでなく、3000人の自衛隊員派遣だった。先月、ウクライナに到着した3000人の日本人傭兵は、ほとんどが退役したばかりの元自衛隊員である。現役自衛官を派遣すると大問題になるから、名目上は自衛隊を退役させて、傭兵として戦場に送り込んだ。ところが、ウクライナ側は死ねとばかりに、日本人傭兵を戦闘の最も激しいバハムートに配置したため、死傷者が続出。ウクライナの偵察兵が白旗を挙げて降伏し、傭兵の隠れ場をロシア軍に教えたため、既に数百名が戦死したという。日本では報道されず、誰も知ることのない日本人傭兵の戦死だが、英国や中国の報道機関が惨状を伝えている。
野崎晃市（４８）
というもの。この野崎という方は中国在住の宗教社会学者という事で、またトップ画像を見ればわかる様にどう見ても中国で記事になっていることが理解できる。
そもそもこの画像自体は2月23日にyoutubeで江湖百晓生がアップロードした「惨烈、3000日本雇佣兵、做了美国替死鬼」のサムネイルなので情報元はここかなと。
この画像のそもそもの元ネタは実際にウクライナで日本人傭兵として現地にいる「サーロ（rattionyade）」氏による写真。これが2月10日。
https://twitter.com/rattionyade/status/1624056388748976132
みればわかる様にバズっており、これがMilitaryLand.netで紹介されるなどして拡散。
https://twitter.com/Militarylandnet/status/1624353498904117249
そして2月15日ごろから中国圏ネットで日本人傭兵3000人情報が流布され始める。例えば「重磅消息! 彻底翻脸! 3000日本雇佣兵杀向乌克兰」など。ちなみにこの投稿によれば”2月15日最新消息！英国媒体《每日邮报》披露，3000日本雇佣兵已经杀到乌克兰，与乌克兰并肩作战。”とある様に情報源は2月15日付のイギリスのDaily mailがソースとのことなのだが検索しても見つからず、この記事以外*1においてもリンクが張られておらずにDaily mailがソースなら胡乱だが、Daily mailがソースという情報自体がやや胡乱。ちなみに2月時点の記事であると岸田のキの字も記事にはないことから、今流布している情報は岸田ゼレンスキー会談に対応した内容にデマがアップデートしたものだと考えられる。基本的に流布しているのは中国のネット圏内と思われるが、中国でもフェイクニュースではないかという指摘が「辟谣！3000日本雇佣兵驰援乌克兰，全是日本退伍军人」という投稿でされるなど、基本は個人投稿が主でありメディアで語られていないことからデマと考えるのが妥当。というか、3000人の日本人傭兵、それもわざわざ自衛隊員を退役させてとか荒唐無稽のレベル。なおここから派生して、176名の日本人兵士が爆弾で死んだという情報も流れているが、こちらも同様にネット与太だろうと。最後に脇道だけれど写真は旭日旗であるので、redditでの投稿には批判が見えるし、韓国メディアでは記事化もしてる。旭日旗の歴史的意味を鑑みればこれは避けえない批判。中国では兵の写真とナチとを下記のように関連付けられた投稿も存在している様でファクトチェック記事すら存在する。
事程左様に旗が持っている歴史的意味は馬鹿にはできない。そう考えると旭日旗は色々な意味で利用しやすい旗。
■お布施用ページ
