電脳塵芥

四方山雑記

「川口市で川で二人の遺体」という詳細不明な事案を明言せずだが、あたかも「事件」かの様に匂わせている

 2月26日の国会にて、維新の高橋英明議員が次の様な質疑をして批判ととれる記事が共同から出ている。

高橋氏は26日、クルド人への直接的な言及を避けながら「川に遺体が二つ浮いている事件があった」と治安の悪化を主張。
(略)
埼玉県の新芝川で8日に男性2人の遺体が発見されたが、武南署によると外国人が関与した事実は出ていないという。
共同通信 2月27日「維新高橋氏、クルド人危険視発言 国会質疑で「一斉取り締まりを」

この記事に対して、本文にある様に高橋議員は「クルド人を直接名指しはしていない」という批判も見られたが、例えば産経新聞の2月26日記事「川口のクルド人めぐり国会で初の関連質問「現地見て」 岸田首相「ルール守るのが大前提」」を見ればわかる様に、写真パネルを使用して”市立病院の前で何百人規模”(既存報道では100人ほどなので「何百人規模」という表現は過剰だ)など、明言はせずとも「クルド人問題 」を念頭にある事は容易にわかる様になっている。そして高橋議員が挙げたこの「男性二人の遺体」だが、共同通信記事にある様に警察署は既に「外国人が関与した事実は出ていない」と述べている。ところで、そもそもこの「男性二人の遺体」とは何か。これは2月8日に配信された次の報道によるもの。

「川に人が浮かんでいる」 埼玉・川口市の川に身元不明の男性2人の遺体 いずれも目立った外傷なし
きょう昼ごろ、埼玉県川口市にある川で男性2人の遺体が浮かんでいるのが相次いで見つかりました。いずれも目立った外傷はないということで、警察が事件と事故の両面で調べています。

川から「二人の遺体」が発見され、そして「川口市」であった事からも一部で注目を集めるに至り、5chでスレッドが建った後にもえるあじあに「【!】 埼玉・川口市の川に身元不明の男性2人の遺体」というまとめ記事が出来たり、SNS上においては有本香の投稿などが拡散される*1


https://twitter.com/arimoto_kaori/status/1755914367818973636

この有本香の投稿はなんの「明言」もしておらず、あえていえば「日本ではほとんど聞いたことがない」という文章から日本人以外の存在を「匂わせている」に過ぎない。ただし、この投稿を拡散に協力した人物などは大抵は「わかる」様にしている投稿と言える。さらにこれに乗っかり水難の多さを指摘する投稿が拡散を見せる。


https://twitter.com/citizen_koshig/status/1757361564024467955

補足情報に記述しているが、確かにここ数ヶ月での川口市の水難はやや多いとはいえる。しかしながら「1年だと4件5遺体」というが、それならば2021年にも水難で四人亡くなっているし、いずれもそこに外傷があったなどの報道や「事件性」を感じさせる追加報道も特にないように見えることから水難以上の事件性であったり、「何か起こってない?」というのは陰謀論に片足を突っ込んでいると言える。
 冒頭の二人の遺体の話に戻るが実際のところ、これが「事件」であるのか、「水難事故」であるのかは不明ではあるものの、2月10日の埼玉新聞でもその様な記述は特になく、3月1日時点でも続報はない。埼玉新聞によれば争った形跡などもない事から水難の可能性の方が高いといえる。つまり、この事案の特殊性は「遺体が二人」見つかった以上の話はないが、この「二人」と「川口市」を繋げることによってネットにおける右派を経由して冒頭の維新議員による質疑に繋がる事となる。「場所」とそこに「住まう人」、そしてほんの少しの「奇異」が入り混じった事によって「事件」として認知され、流言的に広められたともいえる。それも国会という場で。


【補足情報】
2021年以降で埼玉新聞の報道ベースで確認できる川口市の水難報道件数は次の通り。

2021年 4件
2022年 1件
2023年 2件
2024年 2件 ※3月1日現在

これはあくまでも報道ベースであり、例えば埼玉県の消防年報では救急に関して川口市の水難への出動は次のようになっている。増加傾向であると言えるが、原因は不明。

2019年 出動 15 搬送 2
2020年 出動 18 搬送 1
2021年 出動 22 搬送 4

埼玉新聞による報道】
■2021年
1月28日
川口市弥平 新芝川に隣接する芝川マリーナ
・30~70代の女性
https://www.saitama-np.co.jp/articles/7264/postDetail

■3月7日
川口市舟戸の荒川
・30~50代の男性
https://www.saitama-np.co.jp/articles/7681/postDetail

■5月19日 ・川口市南鳩ケ谷7丁目の新芝川
・60~80代の男性
https://www.saitama-np.co.jp/articles/8454/postDetail

■8月7日
川口市南鳩ケ谷の新芝川
・行方不明になっていた84歳男性
https://www.saitama-np.co.jp/articles/9324/postDetail

■2022年
7月19日
川口市弥平の芝川マリーナヨットハーバー内
・60~70代ぐらいの男性
https://www.saitama-np.co.jp/articles/12995/postDetail

■2023年
4月23日
川口市舟戸町の荒川
・50~70代の女性
https://www.saitama-np.co.jp/articles/23875/postDetail

12月9日
・埼玉県川口市飯原町の荒川
・40~70代の男性
https://www.saitama-np.co.jp/articles/58555/postDetail

■2024年
1月21日
川口市新堀の辰井川
・70~90代の男性の遺体
https://www.saitama-np.co.jp/articles/63887/postDetail

2月8日
川口市南鳩ケ谷6丁目の新芝川河川内
・40~80代ぐらいの男性が二人
https://www.saitama-np.co.jp/articles/66697/postDetail




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*1:SNS上では有本と類似の反応がいくつか見られる。

難民に認定された人の月収「37万5千円」はデマだよ


https://twitter.com/shop_kakiko/status/1761342567524831286

 この投稿がバズっていた。元ネタは次の「城之内みな」による投稿。


https://twitter.com/7Znv478Zu8TnSWj/status/1760797167915352088

難民と認められると「年間450万円」という投稿はこれ以前も一応存在するが*1、一気に拡散したのは上記の「城之内みな」によるアカウントの投稿がおそらくは初。そしてこれがNewsSharingというまとめサイトによってまとめられて拡散される。


https://twitter.com/newssharing1/status/1760939849463545859

そしてそれを受けた反応があり、


https://twitter.com/airi_fact_555/status/1760970572107010073

その反応がJAPAN NEWS NAVIというこれまたまとめサイトに転載されて、


https://twitter.com/JapanNNavi/status/1761229950601048333


https://twitter.com/mattariver1/status/1761232062462493182

こういった反応や、冒頭の投稿へと繋がっていく。コミュニティノートがある様にこれはデマなのだが、そのデマ情報がまとめサイトに転載され、さらにその記事への反応を転載したまとめサイトやアカウントによってさらに拡散していくという、デマの転載拡大再生産の様相を見せる。
 そして冒頭の月収については「450万÷12か月=月当たり37.5万円」という考えで至ったのだろう。指摘内容はコミュニティノートに準拠するが、まず城之内みなは内閣官房の資料である2012年6月19日「諸外国における第三国定住による難民の受入れの概要」をソースにしている(コミュニティノートも同じ資料)。そこに次のような記述がある。

(1)中央省庁における予算措置
日本の場合,おおむね難民1人当たり約450万円の中央省庁における予算措置がされているが,例えば,ニュージーランドでは約490万円,米国では約110万円,カナダでは約80万円,スウェーデンでは約240万円となっている。
(参考1)
日本(パイロットケース)では, 政府予算は約1億3,500万円(注)であり,年間約30人を受け入れる場合,難民1人当たり予算額は約4 50万円となる。
(注)平成23年度の外務省,文化庁及び厚生労働省の委託費予算であり,一部に条約難民の定住支援に関する予算を含む。また,定住支援施設の手当に係る予算は含まれていない。

ここの記述は当時の政府予算である1億3500万円で難民を年間30人受け入れた場合の一人当たりの予算額であり、難民一人当たりの「年間支給額」ではない。さらに言えば外務省、文化庁厚生労働省の委託費予算の合算であり、その内訳はこの資料からは不明であるし、定住支援施設の手当てにかかる予算は含まれていないなど、正直言ってこの資料から「金額」を云々言うのは意味がないし、資料が読めていない。ちなみにコミュニティノートは額としては次の文言を引用している。、

(2)中央省庁による第三国定住難民への生活支援
日本(当初の180日間)では,収入補助等として,月額約4万5千円の生活費支給,住居(受託団体が手当。1世帯当たり家賃12万円前後)への入居等の支援や,一時金(約15万7千円)の支給などの支援がある。

ただしこれは「第三国定住難民」に対する支援であり、第三国の難民キャンプにいた難民を日本で受け入れた際のプログラムである事には留意が必要*2。日本での難民申請からの難民認定者(条約難民)へのプログラムとは若干異なる。


出典:文化庁政府の難民等に対する定住支援体制」より

日本における難民支援はアジア福祉教育財団の難民事業本部(RHQ)が行っており、そこには難民認定者に対する「月収」と呼べるような保護費の情報は存在せず、難民への支給として見当たるのは教育訓練援助金くらいとなる。これは日本国内の学校に入学した難民への一時金であり、最高額でも大学入学時の10万円となる。「生活に困っている」という相談項目もあるが、ここでは「難民申請者」に対する支援の話であり月当たり大人4万8千円の支給額となっている。この資料には住宅費がいくら出るのかは書いていないが、難民支援協会によれば月当たり単身で6万円、4人家族で8万円だと書いてある。なおこの申請中の保護費に関して、難民支援協会によれば認定の結果が出るまでは就労して自活することが想定されているとあり、保護費は来日後から就労資格が付与されるまでの限られた期間の支援と位置づけられているとある。この期間などについては2018年の改正などによる影響もあるようなのだが、その部分は割愛し、近年の申請者の保護費受給者の割合を見ていくと次のようになる。


出典:難民支援協会より

このデータを見る限りは、大抵の申請者は自活している事となる。そしてそれは難民認定を受けた後も同様と考えられる。RHQにしても難民支援協会にしても難民認定後に保護費、冒頭のアカウントが言う様な「月収」の存在などは微塵も感じられない。就労支援、定住支援などの存在は確認できるが直接的と言えるが、それは「月収」でばない。そもそもこれは資料を読めない人間が誤読した事に端を発し、ネット右派とまとめサイトロンダリングによって反難民感情に付け込んできたデマといえる。



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*1:2月21日に同資料をソースにしていると思われる類似の投稿がされている(その1その2)。関連性は不明。

*2:ちなみに第三国定住難民の現在の生活費額はRHQの説明を読む限りは2012年資料とほぼ変わらない。

難民申請中に強制送還できない法律を作ったのは民主党ではなく自民党時代



https://twitter.com/Jet_Driver_/status/1760482936229626258
※長いのでスクショは途中を割愛

 かなり拡散されている「悪夢の民主党政権」投稿。既にコミュニティノートがついている様に難民申請中に強制送還を行えなくなったのは2004年の小泉政権時による改正による。

第159回国会(常会)
出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案
三、難民認定制度の見直し
  難民認定申請中の者及び難民として認定された者の法的地位の安定化を早期に図るため、難民認定制度の見直しを行う。
 1 仮滞在許可制度の新設
  イ 不法滞在者である難民認定申請中の者について、仮滞在許可制度を創設することとし、同許可を受けた者については、退去強制手続を停止し、難民認定手続を退去強制手続に先行して行う。
  ロ 仮滞在許可を受けていない者についても、難民認定申請中の間は、送還を行わない
出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案:参議院

これは「迫害の危険がある国へ難民(申請者も含む)を送還してはならない」というノン・ルフールマン原則に則った法改正だろう。また過去の入管法の改正やその概要については出入国管理庁がまとめており、それによると次のようになる。

民主党政権時は2009年(平成21年)となるが、この改正は第171回国会の時期であり当時は麻生政権となる。ついでに言えばこの改正では申請中の強制送還に関わる条文に変更はない。つまりこの表を見るかぎり民主党政権時(平成21年9月~平成23年12月)に入管法は改正されていない。ただし、この話の元となったネタは存在する。それは民主党政権時代の2010年3月に法務省の運用によって申請者の生活の安定の観点から導入された「難民申請6カ月後から就労を許可する」ことへの変更だ。これは法改正ではなく法務省による運用変更によるもので当時特に報道されたような形跡もネット上ではほぼ見当たらない。このために民主党政権の意向がどこまであったのかも不明なものとなる。では何故これが注目を浴びたのか。それは2014年末頃から読売新聞が難民偽装について書き始め、そして2015年2月に読売新聞が「難民偽装」という特集を連載したことによる。詳しくは難民支援協会の「難民申請の「偽装」「悪用」「濫用」等に関する報道について」や合同・一般労組全国協議会の「技能・実習制度改悪=2年延長を許すな!奴隷労働をやめよ!制度そのものを解体せよ!」に読売報道の反発として書かれているが、そこには以下の様な記述が見える。

2010年3月の難民申請後6ヶ月を経れば合法的に働けるようになった法改正が甘かったと法務省幹部
「法改正」ではなく運用の変更であり、合同・一般労組全国協議会のHP上では同様の指摘がなされている。記事のわきが甘いことが指摘できる。

つまり読売新聞はこの部分に一つのターゲットを絞っていることが理解できる*1。そしてその一連の記事の中に「難民申請、民主政権時の就労「一律」許可見直し(2015年3月8日)」という見出しの記事が配信される。

難民認定制度」では、難民申請を行った外国人に対し、申請から半年後に国 内で働く資格を自動的に与えている。申請者の生活に配慮し、民主党政権が2010年、生活困窮者に対してだけ優先的に認めていた就労資格を「一律」に見直した。これを契機に偽装とみられる申請が急増した。

この記事によって「民主党政権」と「難民」が結びつき、一気にSNS上で認知を得る。例えばこの記事が配信される2015年3月7日以前は「難民申請 民主党」で検索しても検索ヒット数はさしてないが、この記事の後にはbotの影響もあるが激増する。

そしてこの「情報」が流布することによって伝言ゲーム的に別のデマが生まれる。例えば「民主党政権が難民申請制度を何度却下されても申請できるように変えた」という類の投稿もそれだ。

民主党政権は既述の様に入管法改正はしていないし、この部分は運用ではどうにもならならく2023年の法改正によって原則二回となった部分だ*2。難民申請中に強制送還できないのも自民党政権時によるものだ。上記画像の上の投稿の内容はそして冒頭の「強制送還できない法律を作った民主党」に近い投稿でもあるが、影響力としては次の投稿は馬鹿にできないだろう。


https://twitter.com/mk00350/status/1597497535861751810

「帰国拒否者」を強制送還できないという前提はついているが今回の論旨にはかなり近いものとなっている。また類似の投稿としては次のものも挙げられる。


https://twitter.com/kaminoishi/status/1397474112663015425
※井上太郎は類似の投稿を複数行っており、これはその一例。読売新聞報道時から反応していたが当時より先鋭化しているともいえる内容に変化している。

こういった投稿やそれに影響を受けた情報圏で「調べた」結果として冒頭のたーか@営業中は「難民申請中は強制送還できない法律を作った民主党」という認識を得たと考えられる。とはいえ、そんな事実はない。実際に2010年3月にどれほどの政権の意向があったのかは不明だが、それはともかくとして冒頭のデマは読売新聞の記事から端を発し、悪いことは民主党に責を負わしたいという願望、そして昨今のSNS上の反難民潮流の末のバズだろう。



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*1:2014年10月27日に朝日新聞が「難民申請、実は就労目的 留学生や実習生「乱用」増加」という記事を配信しており、読売新聞だけがこの点を問題視しているわけではない。朝日も記事にしていることから法務省などが問題視ししていたと思われる。ただしこの朝日記事は特にネットでウケはしなかった模様

*2:厳密にいうと二回目の申請中までは強制送還が出来ず、三回目以降は申請中であっても強制送還が可能となるというもの。詳しくは法務省HP

2月18日の蕨で行われた日の丸街宣倶楽部に対するカウンターデモでクルド人は「日本人死ね」と言ってはいないと思う

 2月18日に蕨において日の丸街宣倶楽部という団体が以下の様なデモを行った。


https://twitter.com/hinomaruspeech2/status/1750509069344141343

このデモに対してSNS上で「#0218蕨ヘイトデモを止めろ」 というハッシュタグが用いられるなど、現地でカウンター活動が行われ、そして次の様な動画がアップロードされる。

https://twitter.com/Hudutsuz81/status/1759110278074266029:embed)

音声を書き起こすとするならば、

~18秒ごろはブーイング
18~26秒ごろは「恥を知れ」
27秒ごろからクルド人と思われる男性が、
 病院に行け
 病院に行け
 精神病院に行けレイシスト
33秒ころ女性の声で「あんたたち恥を知りなさい」
36秒ごろ女性の声で「日本の恥」?
39秒ごろ女性の声で「あんたたちね、差別デモや差別で日本は守れない」

以上の様な言葉が聞き取れる。例えば「(精神)病院に行け」などの発言がカウンターとして良いのかという議論はあり、その部分で問題視されるというのはあり得る。しかしながら石井孝明の下記発言が行われた事によって全く別の解釈が行われている。


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1759201152221237470

「病院に行け」を「日本人死ね」と聞き取ったのだ。動画を見ればわかる様に「病院に行け」と発言者は三回言っており、三回目の頭には「精神」が付き、さらにお尻には「レイシスト」が付く。「日本人死ね」と言っている場合、三つめは「精神日本人死ねレイシスト」という意味不明の言葉を羅列している事にもなる。さらにいえばこれはクルドに対するヘイトデモに対するカウンターであり「レイシスト死ね」ならばともかく「日本人死ね」はカウンター側の発言としても意味が不明だ。カウンターデモには日本人も当然いる。「日本人死ね」と言っていると読んだ後にも「病院に行け」と言っている様にしか聞こえない。しかし、石井孝明の投稿はバズり、「日本人死ね」と言っていると解釈した人間が多数現れる。動画を聞いたうえで。


https://twitter.com/bigawamp/status/1759216415343575156


https://twitter.com/TM47383445/status/1759232639880581613


https://twitter.com/TV65377118/status/1759211027991023672


https://twitter.com/ginseiou/status/1759363119053467815
※投稿が長いので割愛

以上の様に動画を聞いたうえでも彼らは「日本人死ね」と聞こえている。サヨクが「病院に行け」と強弁したと言っているアカウント存在しており、ここまでくると彼らは「そう聞こえる」のだろうとしか言えない。最早ここまでくるとこの件で言葉を交わして議論をすること自体不可能だろう。それが少数ならばよかったが、石井やその投稿に付和雷同するアカウント、まとめブログもえるあじあの「【恐怖】埼玉県、駅前でクルド人集団が怒号「ニホンジンシネ!」連呼」などによって、あたかもクルド人が「日本人死ね」と言っている事が半ば既成事実化して語られている*1。石井孝明はSNS上におけるクルド人へのバッシング言説のオピニオンリーダーといえるが、しかし彼自身の発信は以前にも指摘した様にそのソースが胡乱であり、信用に値するとは言えないレベルのものも存在する。今回もそれに値するが、さらに一歩先に進んだ感がある。多くの人がまっさらな状態で聞けば「病院に行け」と聞こえると思える音声だ。それが簡単に覆されている。ものすごい粗悪で悪質な語り手に語り場がジャックされている。


【ちょっと追加】
一般社団法人日本クルド文化協会が以下の様な投稿をしている。

これに対して、石井孝明は「音声を書き換えていますよね」などと反論している。

https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1759514502532649451

@Hudutsuz81がアップロードした最初の動画の時点で「同じ動画」を見て、石井側は「日本人死ね」と聞こえたといっており、カウンター側は「病院に行け」だと言っている。同一動画からの解釈の話でしかないので、「日本人死ね」を「病院に行け」と聞こえるのは「音声を書き換えている」と言いたいのかもしれないが意味不明だ。 ネイティブには「日本〇ね」とハッキリわかるとまで言っているアカウントもあり、正直もう意味が分からない。


【追記その2】
批判が多くなったのかは不明だが、石井孝明は音声すり替え説にかじを切り、連投している。
※追記に入れた投稿もわかりやすさのために入れています。


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1759495430679969921


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1759497474971189490


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1759497764055236879


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1759499973551599951


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1759500055239864822


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1759514391144460559


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1759514502532649451


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1759518237581275385


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1759519145543319844


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1759590282440679430


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1759592498283135053


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1759594226135056414


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1759718888097685629

20日の11時時点で確認できるだけですり替え説と言える投稿を13個ほどしている。追記にも書いたが石井孝明が「日本人死ね」と聞いたと言っている動画は@Hudutsuz81の投稿への引用投稿であり、「病院に行け」と聞いた人間が聞いているのもその動画だ。音声すり替えもクソもない。もしも石井孝明が今聞いて「病院に行け」と聞こえているならばそれは謎の「プロの人」がいうところの修正ではなく、石井孝明が最初に聞き間違えたのを自白している様なものでは。音声すり替え説をこんな多く投稿しているのも言い訳がましくみえる。



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*1:例えば、2月18日~19日におけるXの「日本人死ね」の検索結果を見るとそれが顕著だ

岩手の蘇民祭が終了した理由は単純な担い手不足であり、2008年のポスターも関係ない


https://twitter.com/KomeiT2/status/1758850124170838306

 このキャプチャはTBSの「7daysニュースキャスター」放送のもの。2月17日に最後の蘇民祭があることから特集及び中継などが行われる。まず、komei氏の投稿内容だと「意識の高い人」が祭りを終わらせようとしたと読める内容になっている。ただし、この論旨から逃げられるように続く投稿で「補足」として「因果関係は不明」とはしている。しかし、そもそも祭り終了の理由は妙見山黒石寺自体が次の様に述べている。

令和7年以降の黒石寺蘇民祭について
令和7年以降の黒石寺蘇民祭については、実施しないこととなりました。
その理由は、現在祭りの中心を担ってくださっている皆様の高齢化と、今後の担い手不足により、祭りを維持していくことが困難な状況となったためです。 今後可能な限り祭りを継続することも検討しましたが、祭り直前での急な開催中止等、多くの皆様にご迷惑をかけかねない事態の発生を防ぐため、祭り自体を行わないという判断に至りました。
これまで長きにわたり、黒石寺蘇民祭の護持にご尽力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。
また、蘇民祭を楽しみにしてくださっている皆様におかれましては、大変申し訳ございませんが、何卒ご理解を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。

一言で言ってしまえば過疎化といえる。奥州市の人口集計によれば該当地区であろう黒石の2008年(平成20年)年の15~64歳の男性の人口は392人、それが2023年集計は210人にまで減っている。実際は「黒石」地区だけが参加するわけではなく周辺地区も参加するのだろうが、それでもテレ朝の記事によれば黒石寺の蘇民祭関係者は「地域の人口は885人。その半数が65歳以上の高齢者」と言っている。他地域からの参加も出来るようだが、それでも祭りを維持できる人間の数が地域にいないという事なのだろう。そしてそれは番組でも説明している事がわかる投稿は存在している。komei氏が途中で見たから該当部分を見ていなかった可能性もなくはないが、とはいえ「意識高い人たち、伝統壊すの得意すぎる」などと言うのはデマを流しているに等しく、意識が低いとか高いとかいう問題ではない。そもそもの話、2008年のポスター問題は「意識の高い人たち」という話よりも、JR東日本がポスター掲示を拒否したというものであって張り出されたポスターにクレームが来たのではなく、JR東日本による事前審査によって断られたという話だ。

岩手伝統の裸祭りポスター 「きわどい」とJR東日本が拒否(AFP 2008年1月9日 )
千年の歴史がある「裸祭り」の伝統が、時代の変化の壁に阻まれた。JR東日本(JR East)が、岩手県奥州市に伝わる伝統行事のポスターを「不快感を与える」として掲示を拒否していたことが明らかになった。
(略)
同地域担当のJR東日本盛岡支社は、ポスター掲示がセクハラにつながるかもしれないと判断したという。同社広報室は「駅はいろいろな人が利用する。このポスターのデザインに不快感を持つ人も出てくる可能性は高い」としている。銭湯や温泉がある日本でも、公衆の面前で裸になることはますますタブーになりつつある。

 

祭りポスター:JR東が「待った」…女性が不快感毎日新聞 2008年1月8日)
岩手県奥州市の黒石(こくせき)寺で繰り広げられる伝統行事、蘇民祭(そみんさい)の観光ポスターを市が駅構内に掲示しようとしたところ、JR東日本から待ったがかかった。「男性の裸に不快感を覚える客が多い」というのが理由だ。数十年作製しているポスターの掲示拒否は初めてで、市は枚数を200枚減らして1400枚とし、駅で張れない分は市内や首都圏で張るという。

以上の様にJR拒否話がマスコミやワイドショーなどに報じられて一気に「話題」となる。クレームが来てからの掲示を取りやめたならばともかくとして、またこのJRの対応の是非についての話ならば成り立つが、果たしてこれを「ネガキャン」、そして「一部の意識の高い人たち」につなげるのはいささか発想が飛躍しすぎているように思える。「ネガキャン」という意味では以下の様な「ネット民」がオモチャ化した方が「ネガキャン」ともいえる。


http://riceballman.fc2web.com/AA-Illust/Data/HadakaMaturi.html

もっといえばポスターは2008年の話題で、今2024年ですよ……?



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イーロン・マスクが百田尚樹に引用して「Uso o kakuno~」っていってるのはコラだよ

 まあ、ネタとわかっているとは思うが中にはバズっている投稿もあって「おもしろい画像」であることは違いないのだけど、それはともかく今後残って出回ってしまうかもしれないので一応指摘しておく。

1)「Elon Musk@elonmusk」及び「百田尚樹@hyakutanaoki」に該当投稿がない
まずいずれのアカウントにも当然ながら該当投稿はない。たとえばイーロンマスクは「uso」で検索、百田尚樹は「コミュニティノート」を検索しても該当投稿はない。当然、存在しないのだからリンクやアーカイブもない。日本で拡散され始めたのが2月15日だが*1、マスクの投稿は2月13日で実在するならば日本で話題になるのが遅すぎる。ちなみに百田尚樹からの一方的なイーロン・マスクとの絡みは存在しており、それが下記の投稿。


https://twitter.com/hyakutanaoki/status/1621151479032877059
※「百田尚樹と申します。」で検索したのでそこだけ太字。別に百田尚樹が強調したわけではないです。

文面は今回の内容と類似しており、おそらくはこの投稿をネタ元としてコラ画像を作ったのだろう。ついでにいうと「初めまして」をこの時に使っているので今回「初めまして」を使用するのもおかしい。

2)百田尚樹アカウントにブルーバッジがついていない
上記投稿スクショを見ればわかる様に百田尚樹はブルーバッジ取得者である。それがコラ画像では存在しておらず、現在の百田尚樹アカウントの表示と矛盾している。

3)引用元の各種表示がおかしい
コラ画像と実際の画像を比較するとわかりやすいが、引用投稿に下記の様な差異が存在する。
・引用元のアカウント名は1行が正しいが、コラ画像は2行になっている
・引用元のアカウント名の横には日付が付くのが正しいが、コラ画像にはそれがない
・引用元投稿の右端には何も存在しないのが正しいが、コラ画像には引用の右端に縦三つの点が存在する
 ※そもそも縦三つの点ってXにおいて表示されないのでは
・コラ投稿の百田尚樹の文中にはリプライ表示がないところを見れば引用となるが、引用リンクがない

以上の様に意図的にかどうかまでは不明なものの細部におかしな点が多い。出所まではわかりませんが普通にコラ画像です。ちなみにこちらはあまりバズってないですがコラ画像はもう一枚あって、それは次のようなもの。

こちらのブロック画像と合わせてのネタだったんでしょう。



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*1:わかりやすい文言で検索したところ、2月15日午前1時の投稿が確認可能。

「夫のコレクションを勝手に処分する主婦の姿」として挙げられている画像は全然関係ない女性


https://twitter.com/mt_yamamoto_/status/1755429113031250123

 投稿内容と画像からネタ元は2018年11月1日にテレビ東京で放映された「しあわせ買取隊」という番組と思われる。これの放映後にtogetterに「「父の“積みプラ”を売って旅行に行きたい」という家族に、ご本人が前向きでも同情が集まる #しあわせ買取隊」というまとめができるくらいに反響が起きる。そのまとめに放送前の10月30日に番組予告を見ての投稿が挿入されている。


https://twitter.com/trapezohedoron/status/1057270295516471297

こちらの投稿自体も拡散はされている&まとめに取り入れられたことから、この画像の女性が「夫のコレクションを勝手に処分する主婦」として扱われるにいたると思われる。ちなみにこの冒頭の「やまもとやま(美少女)@mt_yamamoto_」とというアカウントは今回の投稿が初めてではなく、2023年8月にもほぼ同様の内容の投稿を画像付きでしている。この女性の画像を検索すると使用者はこのやまもとやまなる人物以外には使用していない様にも見えるので、このアカウントがまとめを見て事実を歪曲して覚えていたのだろう(とはいえ掲示板などで使用されていた可能性はあるので断言はできない。)。それはなにも画像の話だけではなく、元のまとめの時点で夫はテレビに出ており、家族との相談は見られるのでそもそも「夫のコレクションを勝手に処分する主婦の姿」など少なくともこの番組では映っていない。とはいえこの部分は「しあわせ買取隊」のことを言っているのではなく、画像はたまたま象徴的に覚えていたものを使用した、という論理は可能だが。
 そして画像の女性だが、この女性の買取査定を担当したエコスタイルバイヤーが自身の公式youtubeに「ブランドデータバンク査定士!エコスタイルバイヤー出演。突撃!しあわせ買取隊 2018年11月1日毎週木曜日19時~」アップロードしている(公式にアップロードしていることから許可を得ていると判断してリンクを貼っておく)。キャプチャされている部分までは映っていないもののお金を受け取る前までのシーンは存在する。

画像からもわかる様に売ったのは「ブランド品」。売ったのも自分で収集したものであり、関係のない画像をあげて個人をさらしていることとなる。これも11月1日放送であり、つまりは一時間番組なので「ブランド品」と「詰みプラ」の話など、複数扱われたうちの一つなのだろう。「人のコレクションを勝手に処分する人」的な話はSNSでウケやすい性質のものでたまに類似の情報は上がってくるが、関係のない人の画像を使用してまで広めるのはダメだろう。
 当たり障りのない結論をいうと、コレクションを集める以上コミュニケーションちゃんとしよう、ってなってしまう気。



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埼玉県の各地の河原でクルド人が動物の解体をしているという話は疑わしい

 昨年から埼玉県川口市における「クルド人問題」とでもいう様な動きが目立ち、メディアでもいくらか出ている。例えば昨年7月にあった病院前における100人程度の集団でのグループ的な対立からの騒動があり*1SNSでは「クルドカー」などの蔑称も生まれている状況だ。当事者としての川口市による国への要望や存在する問題点についてはNHKが2月2日に出した記事「埼玉・川口市がクルド人めぐり国に異例の訴え なぜ?現場で何が?」などが参考になる。ところでこの「SNSにおけるクルド人問題」そのものはつい最近生まれたもので、原因としては2023年4月に当時の国会で審議入りされた入管法改定案で4月15日からネット右派系の投稿が増えていき、そのいくつかはそれなりに拡散される状況となる*2。今ある「SNSクルド人問題」が実質的に「始まった(発見された)」のはこの時であり、例えばネット右派系アカウントである「T.M@TM47383445」は4月15日~30日の間に「クルド人」を含む投稿は50を超えている*3
 そんな状況のなかでジャーナリスト「石井孝明@ishiitakaaki」というアカウントがこの流れに4月21日から参加する。石井孝明という人物は実質的にこの「クルド人問題」を率先して扱っていると言える人物で、時に煽動的内容や支援者への嫌がらせ的な行動を行っている人物だ。石井のHPでは2023年5月8日からクルド人に関する記事をアップしはじめ、2月4日0時付近の24時間のアクセスランキングを見る限り「クルド人」に関する記事がウケている事がわかる。

つまり1年近くは「クルド人問題」を扱っているわけであり、石井がこれによってどれほどの収益を受けているかはわからないがこれらを見ると「ジャーナリスト」としてそこに狙いを定めたともいえる。そしてこれらの情報源のいくらかは匿名の情報提供によるもので、それを活用することで「クルド人問題」を訴えようとしている。例えば典型的なのは次のような投稿だ。


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1742815829400629711

どうにもこれはお気に入りのネタなようで記事の小項目としても取り扱っているし、複数回記事紹介の投稿をSNSでもしている。その中では「日本人の人通りが増えると、携帯から大音量で緊急地震速報を流し、日本人が驚くのを見て笑っていたという。伝聞ではあるが、実話の可能性が高い。」とあり、駅前という場所やその異常ともいえる行動から目撃情報がありそうな状況なのだがX上における情報源は石井孝明のみとあって事実性が疑わしい。


https://twitter.com/search?q=%E8%95%A8%E9%A7%85%E5%89%8D%20or%20%E8%95%A8%E9%A7%85%20or%20%E9%A7%85%E5%89%8D%20%E7%B7%8A%E6%80%A5%E5%9C%B0%E9%9C%87%E9%80%9F%E5%A0%B1%E3%80%80since%3A2024-1-3%20until%3A2024-1-5&src=typed_query&f=live

クルド人が河原で動物を解体しているという情報について

 そして本題なのだが、石井孝明によって次の様な投稿がなされる。始まりは9月。


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1702297761235001700


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1702460632807993702

上記の様に埼玉県の秩父長瀞の河原で羊を解体してバーベキューをやっているという「証言」があるという投稿をし、そしてこの投稿が下記の様にまとめサイトに転載されることによりさらに流布するという状況が生み出される。


https://twitter.com/nonbeiyasu/status/1702770688191586421

そして少し間が開いた12月にふたたびいくつか同様の投稿を石井は行う。


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1732928566789038468


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1737334257595593201


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1737653973262401796
※引用元の写真は園芸センターヤマオカが所持する牧場とヤギであり、クルド人は関係ない*4。引用元は近くにクルド人解体屋が存在しており窃盗を心配している体でありそれは石井孝明も同様なのだが(「クルド人=山賊」と解せる表現は論外だが)、なぜかこの牧場がクルド人によるものだと勘違いしていた人間も存在している。それは単純に事実と反する。


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1737819685675213027

12月21日の投稿では「長瀞」は消えて「飯能」が追加されており、また「河原」という場所は消えている。ただ一連の発言を素で信じるならば「秩父」、「長瀞」、「飯能」においてクルド人が羊、もしくはヤギを河原で解体しており、そしてその「目撃情報は多数」だということになる。


農林水産省HPに存在する地図から作成

クルド人が主に居住している場所が川口市であり、そこから秩父長瀞、飯能となるとそれなりに距離が離れており、そこで羊などを解体してバーベキューをしているという状況はやや不思議だが、好意的解釈をすれば娯楽としてのキャンプをしに遠出をして現地で解体を行っている、という解釈は成り立つ。ただ「目撃情報多数」にしてはX上において河原で羊、もしくはヤギなどの動物を解体している外国人の投稿は石井の投稿以前以後、いずれも特にみられない。つまりはこの話の発端は石井孝明が媒介した「証言」となる。この「証言」なるものが石井孝明自身が取材して対面した相手から聞いたのか、それともDMなどネット媒体によって得たものか、果たして実在するのかさえ不明だがいずれにしてもその実態は不透明と言える。ただ少なくとも石井の投稿を読む限りは決定的な証拠のようなものはないと見える。

自治体への問い合わせ

 ネット上の情報だけでは河原での動物解体は不透明であるのでこの件について各自治体にその様な事例や苦情などは存在するかどうかを尋ねてみたところ、以下の様な返答を頂いた。

秩父市
生活管理課
お問合せ頂きました河原でのヤギ・羊の解体に関しましては、市に対する苦情や目撃情報等は届いておりません
なお、ヤギ・羊の解体は、と畜場法が関係すると思われますので、その関連業務を行っている埼玉県(食肉衛生検査センター北部支部)や、河川(水路)の管理者等へ情報提供を行いました。
飯能市
農業振興課
本日時点で、本市に対し本件に関する市民の方からの苦情や目撃情報は寄せられておりません
また、関係機関からの情報提供も受けておりません
今回いただきました内容をもとに、今後につきましても情報収集に努めてまいりたいと考えています。
長瀞町
お問い合わせいただいております件につきましては、現在のところ、当町へ苦情や目撃情報は入っておりません
また、実態の把握のため、関係機関、関係部署と連携し情報を収集しておりますが、こちらにつきましても情報は得られておりません
今後も引き続き、河川管理ならびに環境衛生保全のため関係機関、関係部署と連携し情報収集を行い、事実であれば然るべき対応を検討してまいります。

当事者といえる三つの自治体はその様な苦情は届いておらず関係機関からの状況提供も受けていないとあり*5、事実上は石井孝明による情報は否定された形となる。石井孝明がいうところの「目撃情報多数」の「多数」が石井孝明にだけ情報を流し、各自治体などへの問い合わせもせず、SNS上での投稿もしていなかったという可能性も決してゼロではないが、その可能性は低いと思わざるを得ない。そもそも石井孝明にどの様な情報がもたらされたのかも不明であり、石井のHPにも該当記事は挙がっていない様に見受けられる*6。邪推をするならばこれらは虚偽の情報提供に釣られたか、もしくは自らによる情報の捏造の可能性もゼロではない。石井孝明氏は「ジャーナリスト」を名乗っているので裏どりをしているだろうし、そんなことはないと信じたいものだが現状では「クルド人が河原で動物を解体」という情報は疑わしいと判断せざるを得ない。



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*1:騒動の背景については、週プレ「在日外国人の暴走に「住民は恐怖している」は本当か? 現地で見えた埼玉県川口市「クルド人騒乱」の真実」が詳しい。

*2:例えば4月15日~4月20日において「クルド人」でRT数が100を超えるものを見るとネット右派系と思われる投稿が目立つが、それ以前の時期において2023年4月1日以前の「クルド人」でRT数が10以上を見るとバッシングと言える内容の投稿はほぼ見受けられない。ただし例えば外国人排外投稿を主に行いデマも多い高安カミユによるクルド人の危険性を煽る投稿なども存在はする

*3:当該アカウントはそれ以前から「クルド人」を含む投稿をしていたが、ここまでの執拗な投稿はこの時期から

*4:ヤマオカのHPはないが、こちらの学校の「ヤギさんと散歩」というページを見ると状況がわかる。

*5:「関係機関」が何処までかは不明だが、こちらとしては埼玉警察に問い合わせを行っていた。しかしながら問い合わせをしてから1か月以上たっても返答がない事から警察が情報を持っているかまでは不明。

*6:例えば「河原」で検索しても記事はヒットしない