電脳塵芥

四方山雑記

レジ袋有料化になった2020年、因果関係はわからんけど万引きは減ったよ

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 海洋プラスチックはわからんのですが、とりあえず万引きについては去年の統計が出ているので紹介しておきますね。出典は「令和2年1~12月犯罪統計【確定値】」から。

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■万引き認知件数
2019年:93812
2020年:87280

以上の様に2020年は2019年と比較して前年比-7%と万引きの認知件数は減少してます。なぜ万引きが減ったのかまでは踏み込めませんが、ただこの窃盗関連については以下の表の様に全ての罪種で減少傾向となっています。

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これらの変化は規範意識の向上というよりもコロナ禍による影響、特に万引きに関しては小売店など緊急事態宣言に伴い店が開く時間の減少や一時期は店自体が閉まっていたので単純な比較をしてよいのかという話はありますが。それと月別の件数が出ていないので有料化となった7月以降の数が見れないのも痛い。
 レジ袋有料化によって万引きが増えたという報道もありましたし、ツイート内容を邪推すればそう言いたい感じを受けなくもないですが、それはともかく事実としては2020年、万引きは減少しました。


2月25日追記
 そういえばスーパーマーケット白書あるじゃん、って思い出したのでそのデータを貼っておきます。まずは「レジ袋有料化によるスーパーマーケットへの影響実態調査」より。

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Q1では有料化以降、マイバック利用が大幅に増加したことが分かります。そしてQ2では万引き、盗難の増加を聞いていますが、「かなり増加」が5%、「やや増加」が26%で合わせて31%。「変わらない」が26%、「わからない」が43%となっています。警察庁の統計では減少していますが、スーパー側の実感として増加している店がある事はそれもまた事実でしょう。個別には増えても全体では減っている可能性や、行動変容によるスーパー以外での万引き件数の低下は考えられますし。
 次に「スーパーマーケット白書の第1章」から。

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有料化に伴いマイバックが30%ほど上昇し、「毎回」と「どちらかといえば」レジ袋の数値が5分の1ほどに縮小しました。まあ、減ったねと。


レジ袋の生産・輸入の変化

 日本で使われるレジ袋は7割ほどが輸入、3割が国内生産です*1。国内全体の生産量の変化は分かりませんが、国産の6割のシェアを占める福助工業の生産は2020年6月ごろから生産量が落ち、工場の稼働率はピーク時の2013年の50%*2となり、国内生産の減少がうかがい知れます。また外国からの輸入についても以下の様にレジ袋有料化後に輸入量が減少している事が分かります*3

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有料化後の7月~12月のレジ袋輸入量は前年と比較して1割ほど低くなっており、1年を通してもその程度の減少量になるかなと。

レジ袋有料化についての意識の変化

 最後にレジ袋有料化後に行った環境省による「令和2年11月レジ袋使用状況に関するWEB調査」の結果をいくつか貼っておきます。

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レジ袋辞退率が2倍ほど上昇し、プラスチックごみ問題への関心も高まっています。プラスチックごみの数の大小の問題はともかく明確な行動・意識変容が起こっている事を考えると、ネット、というよりツイッター受けは悪いですがそれなりの効果はあったと言えるかも。

 あとレジ袋有料化の経緯については以前まとめましたのでご興味があればどうぞ。

nou-yunyun.hatenablog.com

*1:出典:朝日新聞 2020.9.20 レジ袋有料化から考える プラごみ削減に向けできること

*2:同上

*3:なおレジ袋のHSコードは3923.21とエチレンの重合体 又は3923.29に該当するとのことですが、JETROの記事においてはHSコード3923.21のみをピックアップしていたので、そちらに準拠しています。