読売新聞1923.10.7「鮮人と見誤って母を殺した自警団員」の記事から。
※一部旧字体を直し、読みやすくするために一部に句読点を挿入しています。
※判別が難しい文字には後ろに(?)を、判別が無理な文字には「□」で表記しています。もし間違っていたらご指摘お願いします。
鮮人と見誤って母を殺した自警団員
千住署管内の暴行自警団員の検挙百名にのぼろう
六日、東京地方裁判所検事局の鈴木検事主任として千住署へ出張、同署管内の自警団暴挙事件に関する取り調べであるが、警視庁でも小泉捜査課長中村強力犯係長等同署へ出張し、湖北□青木某が自警団員として警備中、九月二日の深夜団員数名と共に同人の母青木とめ(59)を罪人と見誤り殺害した外、千住町花畑村や西新井等に於ける傷害殺人の犯人数十名を検挙した。なお活動の手をゆるめず検挙終了までには尚数日を要するらしく、其数が百人近くに達するだろうといわれている。
深夜という状況で自警団が実の母親を殺したという記事です。自ら殺害したのかともにいた自警団員が率先したのかは不明ですが、当時の深夜という時間帯に如何に不確かなもとに殺人が行われていたのかがうかがえます。また「検挙百名にのぼろう」というのは当然ながら朝鮮人ではなく自警団員です。この検挙された自警団員の罪が軽かったなどの問題はありますが、とはいえ少なくとも相当数の自警団員が暴力を働いています。