電脳塵芥

四方山雑記

「イスラムのマッチングアプリ」画像はネタの可能性か、少なくとも通常検索では出てきづらいイレギュラー


https://twitter.com/frozensholder/status/1738108697891803306

 メモがてらに。この画像、わりと日本で流布していて2008年ごろから言及が見られる*1。とはいえ画像は狙った感がありややネタ臭い。まずこの画像の初出はdigg.comの掲示板における2008年7月1日の以下の書き込み、もしくは同日のphotobasementの書き込み。なお、2008年5月当時のmuslima.comにおける検索は次のようになっており、現在流布している画像とは様相がかなり異なる。


インターネットアーカイブ

中央にいるニカブにより目元以外が隠れている女性がおり、この女性は現在流布している画像にもいることから流布画像に使用されている女性の写真そのものはmuslima.comに登録されていた事が窺えます。ただし他を見ればわかる様に基本的には容姿がわかる状態での写真登録の方が多いと考えられる。ちなみに当時この画像を検索した記事が存在するが、次のように探し当てられてなかったとある。

本当に既存の画像なのだろうか?私は問題の出会い系サイトmuslima.comに行き、それを再現しようとした。できなかった。このような覗き見をした女性の写真はあるが、ジョークのように並んだりはしない。
それどころか、現実はまったく違って見える。試しにいくつかの国で、例えばサウジアラビア、フランス、モロッコといったイスラム教徒の候補者に順位をつけてもらった。どのセットがどの国のものか当ててみてください。
元の画像の絵は再現不可能であることが判明した。ニカブだけを表示する基準がないだけでなく、muslima.comではブラウザのウィンドウが実際と違って見える。そのため、作者は自分で画像を組み立てている。そのような努力をしてもなお、画像は微妙に違って見える。それはやはりユーモアなのか、それとも狂信的な反イスラムプロパガンダなのか?
https://www.franciscovanjole.com/blog/2008/07/02/beeldvorming-2/
※自動翻訳

実際、現在確認できるmuslima.comの当時に近しい時期の画像と流布画像ではレイアウトがやや異なる。とはいえこれは環境下による差異とかもあるかもしれないのでスルーするにしても、やはり流布画像の様にニカブを被った女性だけで画面を埋めるのは通常環境下では発生しづらいものと考えられる。細かい事を言うと流布画像のSEARCH RESULTSは601-620なので相当に探ってて探し当てた可能性も一応はあるが、探し当てにくくするためにその様にした可能性もある。しかし2008年8月のハンガリーの掲示板においては以下のような画像が貼られており、ニカブを被った画像が表示されやすい地域などの何らかの特定条件自体は存在する可能性はある。


http://ize.hu/_files/pics/00008/00008687.jpg

 この話題は今回の様に日本でも定期的に話題になり、2010年にはロケットニュースが中国で一部改変したコラ画像として流布していた画像をもとにして記事を書いていたが、その際の反応として実際にmuslima.comに登録して確かめている人が存在する。それが「「イスラム教徒出会いサイト」に潜入してみたら「美しすぎるイスラム美女」多数」で、サウジアラビヤや、

アフガニスタンなど、

確かに顔が隠れている人はいるけれど、それが全体ではないというのが実際のところと言える。これは流布画像とは2年間の時期違いがあるとはいえ、2008年当時も実際はこんな感じだった可能性の方が高い。最後に会員登録してまで確かめる気はないので、とりあえず今現在のmuslima.comのトップページの画像でも。

基本的に素顔を晒してはいけないなどというHP上での価値観そのものは見受けられず、個人や地域の実情に合わせて写真を選択しているにすぎず、それは2008年当時も恐らくそうでしょう。写真がコラであるか、特定条件下の画像であるかまではわからないものの、いずれにしても通常の検索では出てこない類の画像である可能性がそれなりに高い。それとイスラム教徒だから顔を隠しているのが普通だというのは思い込み、偏見の部類であるし、「笑う」話でもないのではと。



■お布施用ページ
note.com

*1:例えば2008年7月6日「たけくまメモ」、2008年7月29日「よちゃく