子どもの貧困対策予算の6億5000万円も拡充すべき
ってのがあって。他にも。
とかもある。他にも似たようなツイートはあるけれどそこらは無視して、この6億5000万円の拡散元はおそらくは以下の2019年のツイート。
で、このネタのもとは多分ここら辺。
子供の貧困対策予算を倍増 内閣府の20年度概算要求
2019年8月30日
▽子供の貧困対策の推進 6億5000万円
まあ、とりあえず6億5千万円というのは2020年度の概算要求での額。
「子供の貧困対策の推進」について
さてこの6億5000万円は「子供の貧困対策の推進」のための予算であり、「子供の貧困対策」の予算ではありません。また令和二年度の概算要求においては6.5憶円でありますが、実は令和二年度の概算のつかない「子供の貧困対策の推進」の予算額は3億円です。6億5000万円も計上されていません。
ちなみに令和三年度の予算案においても「子供の貧困対策の推進」は3億円です*1。で、「子供の貧困対策の推進」ですが、これについての説明は予算案には以下の様にあります。
官公民連携プロジェクトである「子供の未来応援国民運動」の推進、子どもの貧困対策会議の開催、子供の貧困に関する調査研究、地方における連携体制支援事業、子供の未来応援地域ネットワーク形成支援事業(地域子供の未来応援交付金)など、子供の貧困対策を推進する。
つまりはこの「子供の貧困対策の推進」とは運動推進、会議開催、調査研究、地方における支援事業への予算であり、所謂一般にイメージされるような子どもの貧困対策の推進とは少し異なるといっていいかもしれません。
そして「推進」ではない「子どもの貧困対策」への予算ですが、全体像を把握するならば資料「子供の貧困対策に関する主な施策について(令和2年度政府予算案)」を参照するのが早いかと思われます。
一応概要を貼っておきましたが、見ればわかる様に6憶5000万円は軽く超えてます。なお3枚目の右下にある調査研究や対策会議、地域事業支援が「子供の貧困対策の推進」にあたるものかなと。
まとめ的にざっくりいうと「子供の貧困対策の推進」が6億5000万円というのは正しいけど正しくない。時系列的にはもはや過去の額であるし、さらに言えば概算要求であり実際の予算額でもない、またこの予算は実際の貧困対策への予算とは言えない予算であってミスリード。 あとそういえば以前に似たような記事を書いたことあるので、ご興味があれば。
おまけ
令和元年度子供の貧困の状況と子供の貧困対策の実施の状況という資料があり、こちらでは貧困状況がどの様に推移しているのかが少し前から分かります。個々の妥当性を考えた場合にはまたいろいろあるかもしれませんが、基本的には大抵の項目で微々たる改善が見られます。ただそれら改善項目は置いといて、多分現大綱策定時から調べられるようになった数値がありましたのでそちらを置いておきます。
コロナ禍を考えればこの数値から悪化している可能性の方が高いのかなと。
*1:さらに言うと概算要求は6.1憶円。2019年の時と同じく概算要求からは半減