電脳塵芥

四方山雑記

2019年の訪日韓国人が激減したよ

 2019年の訪日韓国人が激減しました。その数としては、

<訪日韓国人客数>
2018年:753万人
2019年:558万人
JNTO 国籍/月別 訪日外客数(2003年~2020年)

1年で約25%、数としては約200万人の減少となります。ちなみにこの訪日客の減少は2019年前半からみられる傾向なものの、やはり大きな原因は2019年7月の日本による半導体など材料3品目の輸出規制を厳格化である事は論を俟たないでしょう。

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8月の観光客は前年同月比約48%減、10月以降はー60%を下回る様相を示しており、回復傾向は一向に見せず、2020年1月の訪日韓国人も同様に前年同月比59.4%減。韓国からの訪日数がこのままの推移である場合、2020年の訪日韓国人客数は2018年750万人の6割減である300万人程度になる可能性も存在します。実際にはここに新型コロナであったり、東京オリンピックなどのイベントが存在するのでそう簡単に当てはめられるものではありませんが、現状のコロナへの日本の対応を考えればマイナスの影響の方が高いでしょう。
 ちなみに韓国人の訪日客数が減ったという話の際に韓国人は消費金額が低いから来なくてもよいというスタンスを発する人が存在します。確かに韓国人の消費金額が低いのは事実で、その額は約7.5万円。訪日観光客の中で消費金額が10万円を下回っている唯一の国であります。額が少なければ来なくていいという話は甚だ排他的でありおかしな話ですが、そもそも訪日客数がそれを補って余りある人数が来ていた事にも留意が必要であり、雑な計算をすれば1人当たり7.5万円を消費する観光客が200万人減少すれば1500億円の減少です。実際には、

<訪日韓国人客消費金額>
2018年:5881億円
2019年:4209億円
2018年(平成30年)の訪日外国人旅行消費額(確報)
2019年暦年全国調査結果(速報)の概要

となり、1年で1600億円、割合にしてー28.4%とかなりの減少が発生しています。雑な計算よりも減少幅は大きくなっています。雑な計算の方を2020年に当てはめるならば300万人×7.5万円で2250億円近辺になり、その場合は2018年から3500億円程度の減少となります。これらの減少額が些細な金額ではないことは誰にでも理解できることかと思います。

 事程左様に訪日韓国人客数は激減しました。徴用工判決からのギクシャク感があってか7月以前からも減少傾向であった事は確かですが、しかし決定的になったのは安倍政権による輸出規制である事は間違いありません。その施策により200万人の観光客と1600億円の消費を失ったといっても過言ではないでしょう。ナショナリズム優先による失策といっても良いかと。

前年の9割減も 対馬念頭、韓国人観光客激減を政府支援:朝日新聞デジタル
韓国人観光客が消えた対馬 ホテルも免税店も閑古鳥|NEWSポストセブン

という様に対馬などはその典型ですが、観光地によっては存亡の危機レベルかもしれません。そして2020年も減る。


 オマケ。
 輸出規制の一角であるフッ化水素は現在以下の様な輸出推移となっています。

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12月の輸出額は1億5千万ほど。日本からの輸出は回復傾向はあるものの問題のなかった6億円近辺にまで戻るのは先になりそうです。この間隙を突いた韓国や他国による競合商品が生まれていますので実際にその値まで戻れるのかは不明ですが。
 それと今回の日本の輸出規制は許可制度にかかわるものであり許可さえされれば回復するものです。でもその場合は別に問題になったカッコつきの「輸出規制」が元に戻ったというわけではありません。仮にですが、このままの回復傾向が続いて元の値に戻る可能性もあるわけです。その場合、韓国での不買運動、今回で言えば訪日観光客数の「終わりの合図」的なものになるのか疑問。どのように終わりを迎えるんですかね、この問題。分かりやすいのは徴用工の話の決着なのでしょうが、果たしてここまで落ちたものがその合図で簡単に戻るのかも少し疑問です。