電脳塵芥

四方山雑記

マスクの日本の生産量とか中国などからの輸入量について

 マスクが市場に流通し始めて値下がりして来てます。それらの何故かの話は下記記事とかで参照してもらうとして。

マスクバブル崩壊! 4大スポットではついに50枚入りで千円台も アベノマスク配布はたった4% (1/5) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
1枚140円→36円に大暴落!新大久保の闇マスク価格推移をまとめてみた
世界はアベノマスクだけで動いていない

手短に日本のマスク状況などを置いておきます。

【国内生産】

国内メーカーは、24時間体制で、通常の3倍の増産を継続しています。 マスクや消毒液やトイレットペーパーの状況 ~不足を解消するために官民連携して対応中です~ (METI/経済産業省)

通常時の月産枚数は約9千万枚。単純計算で2億7千万枚ですが、東京新聞の記事によると設備投資への補助金などもあって3月時点での国内マスク生産量は3.6億枚となっています。また上記の経産省HPで確認できますが「マスク生産設備導入支援事業費補助金」に計15社の企業が採択されています。それらの生産能力は、

・2月28日採択:3件 合計1500万枚規模
・3月13日採択:7件 合計約5000万枚規模
・3月25日採択:3件 約300万枚規模
・4月27日採択:3件 約2,600万枚規模

以上16件で合計約9400万枚規模の増産体制となっています。最後の4月27日採択の生産体制が5月現在に効果をあげるとは考えにくいですが、それ以前の6800万枚分は市場に出回り始めていると考えて良いかと考えます。3月3.6億枚と併せて考えれば4月は国内生産量だけで4億枚以上と考えてもそうおかしくはありません。2018年のマスク消費量が55億枚なので月あたりの消費量4.5億枚。この数字は輸入分を含めたものですが、国内生産だけでその数字に追いつく可能性もあるくらいに国内生産量は上がっている様です。

【輸入分】
不織布マスクをメインにピックアップします。まず不織布マスクのHSコードは「6307.90-029」。これには不織布マスク以外のスーツカバーなどの他の品目も入る為に数値イコール不織布マスクの輸入量を表すものではないので注意が必要ですが、このHSコードを見る事によって輸入量の増減を確認可能です。

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輸入量は上記の表のとおり。各月の合計輸入量は、

1月 1万5157トン
2月 4732トン
3月 8697トン

となります。不織布マスク(を含む)の輸入先は中国が特に多く、1月1万3393トンが2月に3439トン、3月に7001トンと大きく上下しています。また輸入額を見ればわかる様に3月にマスクの値段が高騰していることが分かります。で、4月の輸入量はまだ貿易統計が更新されていないので分かりませんが、中国の税関HPに以下の様な記述があります。

税関統計によれば、医薬品の輸出規模は着実に拡大している。4月24日、中国は10億6千万枚のマスクを輸出しました。これは、3月31日の発表が実施される前の2億2,400万枚から3.7倍の増加です。
(中略)
税関の統計によると、3月1日から4月25日までに、国は211億のマスクと防護服を含む、合計550億元の主要な流行防止材料を輸出したと述べた。 http://www.customs.gov.cn//customs/xwfb34/mtjj35/3026425/index.html
※自動翻訳

という様に4月から輸出が大幅に増加していることが伺えます。10億枚6千万枚のマスクが全て日本に来ているわけではありませんが、とはいえ日本の貿易統計上での増加を考えれば4月は3月よりもさらに増えていることだけは疑いようもありません。またベトナムなど、東南アジアからの輸出の増加も考えられるでしょうから相当数の輸入量があるはずです。何億枚と断言する事は不可能とは言え先述した東京新聞記事では3月時点で輸入枚数は2.4億枚。憶測の域を出る事は出来ませんが4月に3億枚以上になっていてもなんら不思議ではない数ではないかと。


 何億枚という数字が表に出てこないので何とも言えませんが、4月は7億枚以上の供給があってもおかしくありません。また上記の輸入分は不織布マスクに限っているので布マスクなどの他のマスクを加えればもう少し数字に上乗せされます。
 ってのを考えると供給量が多くなってマスクが市場に出て値段も下がったと考えるのが妥当な訳で。一部でアベノマスクがマスクの値段を下げたという与太話が流布されていますが、アベノマスクは5月11日現在東京のごく一部での配布でしかなくマスクの供給そのものへの寄与は薄いと言わざる負えません。マスク不足の対応策ですし一切値下げと無関係とまでは言わないでいおきますが、そもそも市場に出ておらず東京以外では配られていない1世帯2枚のマスク如きで消費者のマスク需要は満たせはしないであろうし、市場で日々消費されるマスクの値段を大きく下げているというのはまとめサイトの見過ぎじゃないかと。あそこら辺にファクトはない。

マスクの品格

マスクの品格

  • 作者:大西 一成
  • 発売日: 2019/11/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)