電脳塵芥

四方山雑記

川口市の「大気汚染」をクルド人由来にし、「クルドスモッグ」と称するのはあまりにも理由が乏しい


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1778733016237621704


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1778738951135912269

 まずこの「警報」とはグーグルマップ上における「大気質」というレイヤーを選択すると見ることができる情報であり、なんらかの公的な警報、例えばスモッグ注意報などではない。


※この画像は4月13日0時ごろの該当地域の大気質

なお石井孝明がもらった画像がいつのものかは不明ではあるが、該当地域はどうやら頻繁に「グーグルマップの大気質情報」で警報が出る地域であることがSNS上で確認できる。


https://twitter.com/clm_ranran/status/1757306259211207160

上記は2024年2月13日の投稿だが、その他にも3月4日4月5日などでも類似の画像が確認できる。なお石井孝明はこの場所で「解体業の野焼きの影響の可能性」と言っているが、地図を見るかぎり該当地域で野焼きを出来そうな場所は荒川の河川敷くらいの様に見える。

「川口の荒川の河川敷で野焼きをする解体業者」がいるとは思えないし、その様な業者がいたらそもそもすでに問題視されているだろう。また以下の様にグーグルマップ上での解体業者登録を見ていくと該当地域に解体業者そのものは存在するが、この地域に固まっているわけでもなく、むしろ業者の少ない地域と言える。

該当地域は基本的には住宅街であるし、原因をというのならば荒川の川沿いにいくつかの工場が映っている。また地域の北側には朝日環境センターというごみ焼却場も存在する。これらはいずれも該当地域の周縁と言って良く、これらが主原因であるとまではいわないが、実態も目撃談もないターゲットありきの「某外国人の解体業者が野焼きをしている」可能性よりもましな憶測だ。ちなみに令和4年度の川口市環境報告書では次の様に大気汚染防止法に定められる施設設置事業者に対して立ち入り検査を実施し、不適合が3施設とある。

やはりこういった「施設」の方をまず念頭に置くべきだろう。なお大気質情報は「世界の大気汚染: リアルタイム空気質指数」ではより詳しく確認でき、川口市のここ二日間の情報(最終更新日は土曜0時)は次のようになっている。

これを見る限りPM2.5が高くなりがちには見えるし、2024年のデータを見る限り定期的にPM2.5は大きくなりがちに見える。

ただこのサイトの情報と現状確認できる川口市での「警報」の日付の情報とでは齟齬をきたしており(例えばグーグルマップ上では3月4日に警報が出ている「時間帯」があることはわかるが、上記情報の「カレンダー上の日付」では大したことはないように見える)、観測データは異なるのかもしれない。
 ちなみにグーグルマップの大気質情報に関しては「大気質」でXを検索すると他地域でも「警戒」はたまに出ていることがわかる。見ている人が少ないであろうし、定期観測をしているような人は流石に見受けられず、その中でも川口市周辺のこの警戒は目立つのか目撃投稿の数が多いのは事実だが、それ自体の原因が明らかにされているわけではない。ただ少なくともあたかも大気汚染の理由を下調べも全くしていない、歪んだ憶測だけの「クルドスモッグ」などと特定の人種由来にする語句を用いている時点で論外でしかない。それとさらにいうならば埼玉県は当然ながら大気の監視はしており、それは埼玉県大気汚染常時監視システムで個人でも確認可能だ。憶測だけの石井孝明に言われんでも把握してると思うよ。


【4月16日追記】  そもそも川口市における野焼きの件数について、令和2年(2020年) に4件の野焼きが発生している事はHP上で確認できるもののそれ以降は不明となっている。なので川口市に問い合わせをしてみたところ、以下の返答を川口市消防局予防課火災調査係より貰った。

川口市における野焼きの件数について、令和2年に野焼きが起因と考えられる火災が4件発生しています。
また、令和3年に1件令和5年に1件発生しています。
さらに、令和6年は発生していません
野焼きに関する関係者については、個人情報のためお答えすることはできませんが、野焼きの件数にあっては、今後ホームページに掲載させて頂きます。

つまりここ2020年~2024年4月現在、川口市の野焼き件数は合計6件という事となり、2020年を除けば野焼きは1年に1回あるかないか程度の頻度となる。個人情報となるためにその野焼きをしたものが日本人であるか、外国人であるかは不明ではあるが*1、少なくとも「クルド人が野焼きをしている」というのはかなり胡乱な情報であるし、たとえ過去にあったとしても今現在その数はとても少ないと言える。少なくとも「(クルド人の)解体業者が野焼きをしている」という説はほぼ成り立たないと言って良いだろう。

■お布施用ページ
note.com

*1:なお川口市の注意喚起ポスターを見る限り、トルコ語のポスターも確認できる。ただしこれが過去にあったからなのか、単純な注意喚起なのかは不明だ。

陸自幹部による靖国神社参拝についての計画資料

 事の経緯としては1月9日に陸自幹部が集団で靖国神社参拝したという報道が存在し、報道では実地計画が作成されて行政文書として保存されているという内容があった。なのでその資料を開示請求したところ、以下の二つの資料が開示された。

令和6年の年頭航空安全祈願ロジ

 以上の様な感じの実地計画がなされており、続くページでは「6 参拝要領」として記帳や本殿参拝の仕方、「7 移動」で各職務の移動方法、「8 管理事項」として服装(私服(ネクタイ着用のスーツ))、玉串料として各人2000円、「9 緊急時の対応」(この部分はすべて黒塗り)などが記載されている。そして全体の流れは次の様に記述。

計画内容に関するものは以上であり、その後の別紙として「靖国神社全般配置図」で導線の説明、「参加者一覧」(陸幕副長以外は黒塗り。凡例を見ると不参加者も存在か)、「参拝要領」として本田参拝までの流れ、署名の要領、席次、参拝手順を各1枚ずつ説明、「移動経路」が5枚、参考資料として「靖国神社の起源等」、「航空事故調査委員会組織図」(すべて黒塗り)、「自衛官の参列に関する根拠等」という構成になっている。この中で気になった資料をピックアップするが、まずは「靖国神社の起源等」。

この文面説明は靖国神社公式HPにおいてある「靖國神社の由緒」に似ているのだが、細部がほんの少し異なる(例えば資料は「靖国神社の起源は明治2年(1869)6月29日~」で始まるが、靖国HPは「靖國神社は、明治2年(1869)6月29日~」で始まり、資料には記載のない一節が入る。)。この参考資料とHPの起源の記述の差異については自衛隊の参考資料が靖国神社HPリニューアル前の文章を載せているから発生している齟齬なのだが、靖国神社のHPリニューアル自体は2018年の出来事であり、なぜそれが2024年資料に使用されたのかは不明。自衛隊内にそういう古い資料が残っていたのでそれを借用した、というのが一番合理的な考えか。そして「自衛官の参列に関する根拠等」には次のようなもの。

自衛隊靖国神社に参拝」となると問題になるのではないか、という批判を想定しての資料と思われる。これについては「③官用車の使用を控える」という部分について、当時の報道で公用車を使用しているために問題になっていたし「全般時程」にも官用車が記述されており、③の部分が計画中で守られていないよう見える。

令和6年の年頭航空安全祈願実地計画

 そして2つ目の資料は以上の様なものだが基本的には「安全祈願ロジ」と内容はほぼ変わらない。ただ資料に記述されている日にちが1月10日になっており(ちなみに黒塗り部分は「装備計画部」であることが黒塗り無しの文書を入手した共産党の穀田恵二議員により明らかにされている。)、9日の参拝は終了後となる。ただ、この資料によれば参拝の日時は以下の様に「1月10日 8時~」となっているし、全般自程も官用車から徒歩になっており、計画そのものが異なっている。

これ以降の資料は「安全祈願ロジ」と全く同一なので割愛する。この日時の違いが何故発生したのかは朝日新聞によれば能登半島地震の対応で参拝が前倒しなったからとなる。

この集団での参拝は、私人としての航空安全祈願として、事故調で同省勤務の1佐以上を中心とした41人に案内を出し、参加したのが22人だった。行政文書の「実施計画」に参拝を定めていたが、幹部を含む参加者の所在を省内で共有するためだったという。当初は10日朝に参拝する予定だったが、能登半島地震の対応で早朝の会議が連日入ることから9日午後に変更。小林氏は移動手段をタクシーから公用車に切り替えたとされる。
陸自幹部が集団で靖国参拝は「部隊参拝ではない」 防衛省が調査結果

なので資料的には「1月10日」と書かれた資料が古く、「1月9日」と書かれた資料の方が新しいものだと考えられる。

■お布施用ページ
note.com

クルド人の春の祭り「ネウロズ」において、「テロ組織PKKの制服」を着ていたとはいえないのでは


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1770405710658158778

 手短に。まずPKKがこの様な服を着ていることは事実として存在する。


出典:www.aljazeera.com

これだけを見れば「PKKの制服」という推論も不思議ではないとはいえる。ただし、そもそもこの衣装は「PKKの制服」というよりもクルド人にとっての特別な日に着る民族衣装的な性格があるように思える。例えば2015年のトルコ語の記事「Şal û şepikler Newroz'a hazırlanıyor」に次のようなものがある。

シャル・ウ・シェピックを「テロ組織の制服に似た衣服」であるとして禁止する「国内治安パッケージ」法草案への反応が続く中、ハッカリのユクセコヴァ(ゲヴァー)地区の市民は、来るニューロズ祭を前にシャル・ウ・シェピックに特別な関心を示している。
(略)
ゲヴェル文化芸術協会の幹部の一人であるアイハン・クズルドアンは、クルド人の民族衣装の禁止は悲劇であると述べた。つまり、この組織は自分たちが戦う民族の民族衣装をユニフォームにしているのだから、それを禁止することはできない。
※自動翻訳

※記事内の写真

このシャル・ウ・シェピック(Şal û şepikler)が件の衣装のことなのだが、これが「国内治安パッケージ」のという法案ではテロ組織(PKKのことか)の制服に似た衣服であるから禁止するという内容のもので、記事にはこの服が逮捕の理由になっていることも窺える。また上記法案が議論された際にSNS上では反対として件の衣装を着るというムーブメントの様なものが一部であった事が「Sosyal medyada 'Şal u Şapik' tepkisi」という記事でわかる。これらの記事を読む限りはŞal û şepiklerは歴史の中で継続してきたであろう「民族衣装」であるのだからこの服装を以てして「PKKの制服」と捉えるのはトルコ政府に親和的な解釈でしかなく、まずは民族衣装と捉えるのが正解だろう。ちなみに外国のネウロズにおいても同様の服装をしている人間を複数確認できる。

asopress.com

いずれにしても「この服はテロ組織PKKの服装ですね」と石井孝明は断言しているが、この服装は民族衣装的性格があるものであり(故にPKKはこれを衣装ともしているのだろう)、断言するには根拠が薄弱といえる。物事の裏どりが出来ているとは到底言えず、ただ自身の偏った知識による偏見を述べているに過ぎない。


【追記】
 補足として。「Şal û şepikler」は自動翻訳で直接的に訳せば「ショールとスカーフ」となるのだが、必ずしもPKKが着ている様なカーキ色でポケットありのものだけではない。


https://www.indyturk.com/node/40596/ya%C5%9Fam/


https://www.vanolay.com/vanda-dugunlerin-vazgecilmezi-sal-u-sepik-ve-kiras-fistan

「一般的」にどちらが主流なのかまでは不明だが、このようなスタイルの「Şal û şepikler」も存在はしている。ちなみにインスタグラムで「Şal û şepikler」のレンタルや販売をしている業者のアカウントを見る限りはどちらのタイプも存在しており、やはり「PKKの制服」と断ずることは難しいと思われる。


【追記その2】
 今回のネウロズはクルド人が主体となった祭りであるし、この面で注目されている。そんな中、上川外務大臣ネウロズ(ノウルーズ)を祝った事で若干炎上した。


https://twitter.com/MofaJapan_jp/status/1770288437851214167

これは外務省が(クルド人の祭りである)「ネウロズ」を祝ったという解釈でのプチ炎上なのだが、文面を見ればわかる様に「諸国民」に対するメッセージであり、記述URLでは次の様な補足説明がなされている。

ノウルーズとは、ペルシャ語で「新しい日」を意味し、バルカン半島黒海沿岸地域、コーカサス地域、中央アジア、中東、その他の地域で新年の元日として祝われる。

元々は太陽イラン暦における新年の祝い事であって*1、該当地域は上記の様にかなり広いと言える。外務省が該当地域の諸国民に対して新年の祝いを述べるというのもさほどおかしくはない。日本で一部が注目していた「ネウロズ」ではなく、念頭にあってもおかしくないが基本的には世界的な暦の中での祝いの言葉ととるのが通常だろうと。むしろこれに対して違和感を覚えている人間は結局探ることや思考を誰かに託して憎悪煽動されている人が多いのではないかなと思ったり。

■お布施用ページ
note.com

*1:詳しくは英語版wikipediaなどを参照してください。

越谷市の「蒲生モスク」は「クルド人の為のモスク」ではないのでは


https://twitter.com/nonsuketyan/status/1766687013997269418

 写真は越谷市にあるモスク「蒲生モスク」だ。運営団体は2011年に設立された一般社団法人ISLAMIC CULTURAL FOUNDATION JAPANであり、公式HPは英語のみで構成されていることから基本的に日本人向けとは言えない施設であるとはいえる。投稿者は「クルド人の為のモスク」としているがフェイスブックを見る限り、この団体はベンガル語で発信しており、つまりはバングラデュ出身の人間がメインであろうことがわかる。越谷市HPの外国籍市民数(2023年12月)を見るとバングラデシュ籍の在住者数は5位で、その人数は329人。かたやクルド人が内包されるトルコ人は10位の台湾158人を下回り、「その他」に含まれるほどに少ない。SNS上ではこのモスクについて「国内バングラデシュ人 ムスリムグループの結晶」との投稿も存在する事から、利用者そのものはいてもおかしくはないが蒲生モスクを「クルド人の為のモスク」と言い張るのはおかしい。なおHPによる施設の来歴は、2003年時点に収容人数が70人ほどのモスクは存在したがイスラムコミュニティの増加による問題から2019年に新たなモスクプロジェクトを立ち上げ、全国を回って慈善融資を募っていると読める(HPには2022年3月までに1億5000万円の寄付を受け付けたとある)。このプロジェクトによって2021年に蒲生モスクが誕生したことになる。
 そして越谷市議からの情報としての「越谷市が事務局」だが、団体や越谷市のHPを確認する限り該当モスクが事務局が市である事実、つまりは宗教施設の事務局が市のわけがない。これが「越谷市に事務局」ならば意味は通るし、過去には越谷市議から「拠点は越谷市」と聞いたという投稿をしている事から、これは「越谷市が事務局」ではなく「越谷市に事務局」という日本語表現の誤ちだろう。


https://twitter.com/nonsuketyan/status/1753012730066579871

ちなみにこの「越谷市議」は自民党のたつざわ貴明氏の事であり、該当情報は以下のリプライの事かと思われる。


https://twitter.com/tatsuzawa1125/status/1752983336082079889

のんすけちゃんが述べている「あのモスク」は蒲生モスクの事と思われるのだが、この前段のやり取りは次の様なものとなる。

発端となっている削除された投稿ものんすけちゃんのものなのだが、現在アーカイブなどに該当投稿はおそらく存在せずにどの様な内容のものだったのかは不明である。ただし残存するやりとりを見る限りはどうやらベトナム国旗の存在をよく知らない状態なのか「越谷に(ベトナム国旗でカモフラージュした)クルド人の為の店がある」という様な事を言っていると思われる(しかしのんすけちゃんは以前にベトナムの外国人技能実習生が企業に搾取されていることに複数回怒りを表明していることからベトナム国旗を知らないとも思えず、何故クルド人と関連付けのか不思議だ。

https://twitter.com/nonsuketyan/status/1752946187299414335


https://twitter.com/TV65377118/status/1752962513187336345


https://twitter.com/xuexitaiyu/status/1752972969746542680

なおこの店はベトナム食品店なのだが店舗としては新しくグーグルマップやストリートビューでその外観などを確かめることは出来ない。なので現地を訪れてみたが、店の外観は以下の様なものだった。

ベトナム国旗部分は風によって棒に巻きついてよく見えない状態だったが、道路から見える形でベトナム食品の店であることがわかる様になっている。この部分が当時あったのかまでは不明ではあるが当時のやり取りを見る限りは存在したと思われる。少なくともこの店舗を見て「クルド人」に関連づけるのは想像力が豊かすぎる。筆者が訪れた時には客は一人も見かけなかったのでなんとも言えないが、「お客はクルド人」というのも怪しく、訪れていたベトナム人などをクルド人と勘違いしたのではないか。そもそも「ベトナム国旗でカモフラージュした店」であるかの判断はどう考えても発想の飛躍であり、断ずることは無理だ。ただ越谷市在住のベトナム人は2023年12月現在で約1100人で越谷市在住外国籍市民では2位の人数である。「普通」に考えればベトナム国旗でカモフラージュした店ではなく、ベトナム人をメインターゲットにした店だろう。


【3月15日追記】


https://twitter.com/nonsuketyan/status/1753027733897330886

投稿が削除されたのは店から抗議を受けてとのこと。のんすけちゃんの投稿内容を想像するならば正当な抗議だと考えられる。


 またのんすけちゃんの元投稿には「恐ろしい事に他の県にも事務所がある」とも書いてあるしたつざわ市議の情報にも「拠点は越谷ですが他県にも事務所とある」。しかしHPやフェイスブックで該当団体の住所は蒲生モスクだけであり、他事務所の記載はない。2022年にまとめられた早稲田大学の店田廣文名誉教授の「イスラーム関係団体の法人化に関するデータ」を参照すればわかる様にあえて言えば全国各地にモスクが存在し、そのモスクにそれぞれの管理団体がいるという事はいえるだろうが、ISLAMIC CULTURAL FOUNDATION JAPANの拠点が越谷市で他県に事務所があるという情報は疑わしい。「日本人Cね」については以前指摘したが聞き間違いから端を発したデマであるし、つまらない突っ込みだが「観光ピザ」は「観光ビザ」だ。いずれにしてもイスラムフォビアクルド人バッシングを念頭に置いた意図的な混同なのかは不明だが、のんすけちゃんの冒頭の元投稿は文字通りの日本語で読んだ場合、事実と異なる表現をしている。
 この投稿者の「のんすけちゃん@nonsuketyan」は去年ごろからモスクに関する投稿が増えてきており、中には下記の様に「彼らのバッグには手引きして、モスクも用意している組織がいます!」などの陰謀論的な主張が垣間見える。


https://twitter.com/nonsuketyan/status/1676388183305760768


https://twitter.com/nonsuketyan/status/1676557978944827392

下の投稿では川口市長の奥ノ木信夫氏を「共産党系」と書いているが、奥ノ木氏は2022年選挙で「自公推薦」であり、共産党の支持は受けていない。埼玉県知事の大野元裕氏は無所属で自民、公明、立憲、国民、維新の与党を含む推薦を受けているので「立憲の大野知事」は誤りであるし、その際の県知事選には共産党は独自候補を立てているしで、この投稿者は基本的な情報の理解が出来ていない様に見受けられる。これは蒲生モスクの利用者についても同じことが言え、バングラデシュルーツの方がおそらくメインであろうに該当アカウントは彼らの存在を一切不可視化し*1、「クルド人」だけをピックアップするという不可思議な状況になっている。


https://twitter.com/nonsuketyan/status/1751464329298444769

これはイスラム教の地域への流入によって生じた「モスク」からのイスラムフォビア、そしてそこに近年の「クルド人問題」を混ぜ合わせて出来た陰謀論的世界と隣り合わせの人間が発したデマだと言える。調べれば見えるであろうものを見ずに、見えないものを積極的に見ようとするのは危ない。


【3月15日追記】
 越谷市に問い合わせをしたところ以下の様な返答を頂きました。

ご指摘のとおり、本市は大間野町二丁目にあるイスラム教のモスクについて、バングラデシュ国籍の方が中心となって運営されていることを認識しております。
なお、越谷市がこのモスクの事務局になっているという事実はございません。
また、市では外国人市民と日本人市民が互いにちがいを認め合う多文化共生社会の実現のため様々な施策を展開しています。
大間野町二丁目のモスクには、これまで本市が実施した外国人向けの事業に参加者として参加していただいたことや越谷警察と協力して合同の防犯パトロールを実施したことがございます。
併せて、本市の必要な情報を外国人市民へ提供することを目的に、毎月一回発行しているお知らせ「コシガヤ・メッセンジャー」をモスクへ配布しております。
越谷市 市民活動支援課 国際化担当



■お布施用ページ
noteからはこちら
note.com

*1:該当アカウントを「バングラデシュ」で検索しても一件もヒットしない

鳥山明がドラゴンボールをパチンコ/パチスロ化を断ったとされる際に用いられる美談的エピソードは捏造コピペじゃない?


https://twitter.com/discozombie104/status/1765943507326529858

 かなり拡散しているがデマ。事実として鳥山明作品がパチンコ/パチスロ化を許諾しなかったという事実は存在する。ただし、上記の様にメディア上で鳥山明がパチンコ/パチスロ化に対して明確な反対理由を述べたことは一度もない(はず)。しかしながら何故か上記の様な「(捏造)エピソード」が流布されている。これは例えば2023年10月にジャンプ速報が「【驚愕】鳥山明さんが『ドラゴンボール』をパチンコ台にしない理由、ついに判明wwww【ドラゴンボール】」といったまとめ記事を出したりと、最近においてもまとめサイト系による影響が大きいと思われる。この捏造に対してはにぐるた氏の「加熱済み宇宙食4691パック」の下記ブログ及び、氏の資料置き場が詳しい。

niguruta.hatenablog.com

niguruta.web.fc2.com

この記事でほぼほぼ精査は終わっているのだが、少しだけ補足が可能であったのでメモ的に残しておく。まずこの捏造エピソードに関しては二つ存在する。

2005年バージョン
183 名前:番組の途中ですが名無しです[sage] 投稿日:2005/10/27(木) 21:04:43 id:V0kE5vzY0
鳥山「この前もパチンコ会社からドラゴンボールで作らせてくれってきましたよ(笑)でも、きっぱりと断りました」
─なぜですか?
鳥山「私は自分のキャラクターが、パチンコという大人の賭博に使われるのが我慢ならないんですよ。漫画を大人の賭博に使って、お金のために誇りを捨てる人たちがたくさんいる」
─たとえば誰ですか?
鳥山「誰でしょう?(笑)たくさんいるじゃないですか。私は絶対に、パチンコに作品を売ったりしませんよ。だってそうでしょう、自分の子どもを賭博屋に売る人間がいますか?」

 

2009年バージョン
175 :マロン名無しさん[sage]:2009/02/12(木) 08:24:42 ID:???
おいおい大丈夫なのかお前ら。ていうかマロン住人。
ここまでソース一個もなしとかありえんだろ。
まあ>>1も微妙に(ていうか大幅に)いじってあるんだけど。
確認できるのは「寺田克也全部―寺田克也全仕事集―」収録の鼎談だな。
424頁中段から。
捏造とか抜かしてたマヌケは今すぐ買って十回読め。
以下抜粋。
鳥山「こないだも某パチンコ会社から来たんですよ。ドラゴンボールでパチンコ台作らせてくれって。
まあその場は忙しいって切って、後日担当を通じてキッパリと(笑」
寺田「断るの苦手ですもんね、鳥山さん。」
鳥山「勘弁してくれよというね。やっぱりイヤじゃないですか。
子供たちのために、ためにって言ったら押し付けがましいんですが、
そういうキャラクターが、パチンコはねえだろっていうね。」
―やはり抵抗が?
鳥山「そりゃそうでしょ。自分の子供をサ(検閲)売るみたいなもんじゃない。」
寺田「さらりと危ない発言が(笑)。でも本当そうですよね。
まあ俺なんかそのサ(検閲)を楽しんでるんですけども(苦笑」
この本は他にも金子一馬との対談とか載っててえらく豪華なんだが
なぜか「ペインタボン!」の大友克洋対談ばかり取り沙汰されるんだよな。
買うのがそういう層だってことか・・・。
176 :マロン名無しさん[sage]:2009/02/12(木) 08:39:46 ID:???
ちなみに文脈は
鳥「寺田くん、競輪とか行く?」
寺「賭け事はちょっと。パチンコくらいですかね。今ってルパン3世のタイアップとかしてるんですよ。」
鳥「ああ、なるほど。」
―先生の作品もいつかパチンコになるかも・・・。
鳥「いやいや、それはありません!これは断言します。」
寺「おお、なんでまた。」
という流れ。
99年当時はタイアップ機があまりなかったことに注意。

この2009年バージョンは「寺田克也全部―寺田克也全仕事集―」の424頁中段をソースとしているが、該当書籍は298頁となり、存在しないページをソースとしている調べればすぐわかるネタ(捏造)だ。そして検証ブログのコメント欄に自称とはいえネタを書いた張本人が暴露している。

あくまでも「自称」であるのだが、そもそも自分が張本人であると嘘をいうメリットもほぼないことからこの証言は真実性は高い(愉快犯なら別だが……)。ただ「ネタ」を検証しない人間によって広まってしまったデマであるといえる。
 そして2005年バージョンだが、それに入る前に。そもそもこの版権物のパチンコ/パチスロ化の話は北斗の拳パチスロ化(2003年)による人気などが背景に存在してる。にぐるた氏の集めた資料では2004年5月には鳥山明がスロット化を断ったという噂が既にみえるし、件のコピペが登場する一日前の2005年10月26日にはCRドラゴンボールが開発中という噂に対する質問に対して「鳥山さんがパチンコ嫌いとか子供の夢をパチンコにするなとかいろいろ言われてますけどね」という回答が存在していたりなど、2004年から2005年ごろにかけてドラゴンボールのパチンコ/スロット化が幾度が噂になり、そしてそれを鳥山明が断り、それは子どもの夢云々という理由付けがされていることが窺える。そしてにぐるた氏の集めた資料では10月27日の書き込みが10月28日の「2ちゃんねる観測衛星」という場所に件の書き込みが転載されている事が記録されている。この観測衛星の他に10月30日にニダー速報の「ドラゴンボールの朝鮮玉入れがない理由 」などを経由して広まっている事がわかる。しかしながらこれらの転載はスレッド名がわからずにソースが辿れない状態になっている。当方もこのスレッド自体は見つけられなかったが、その数時間後にニュース速報の「10/17よりパチンコは「朝鮮玉いれ」に名称を変更いたしました。5」の498(10/28(金) 00:05)において件のコピペが貼られる事は確認できた。

498 :番組の途中ですが名無しです: 2005/10/28(金) 00:05:37 id:u7lGge5V0
鳥山「この前もパチンコ会社からドラゴンボールで作らせてくれってきましたよ(笑)でも、きっぱりと断りました」
(以下略)

スレッド名の最後に「~5」とある様に当時のニュース速報では次のような嫌韓を伴う反パチンコスレッドが続けざまに建てられていた。


https://tamaire.nomaki.jp/

10月27日前から存在するスレッドを見ても「10月27日の書き込み」は見つからなかった為に初発と思われる書き込みはこのシリーズ化したスレッド以外で行われたであろうが、ただ当時のニュース速報での雰囲気はある程度察せられる。そして上記のリンクを貼ったスレッドにおいても特にソースは貼られていない。ちなみに11月6日に「鳥山明「宮崎駿はお金のために誇りを捨てた」」という件のコピペから始まるスレッドが建つが、そのスレッド内でもソースは?であるとか、いくつか捏造だとの指摘が既に存在する。また「最近」出回っているとの投稿もあり、つまり当時このコピペが拡散し、しかしそこにソースは全く存在していなかったことがわかる。なお脇道だがこのスレッド名に何故「宮崎駿」の名前があるかというと当時「CR未来少年コナン」がリリースされたからであるが、コピペにおける”鳥山「誰でしょう?(笑”の「誰」が宮崎駿を指していたかは不明だし、未来少年コナンの版権は日本アニメーションが持っているので宮崎駿は関係ない。
 そして冒頭の投稿内容に戻るのだが、「子供のヒーローが賭博に~」と書いており、実は2005年、2009年のバージョンとも表現が異なる。さらに言えば「子供のヒーローが~」という言い回しによる流布自体が過去にない。ディスコゾンビ104氏がなんらかの確かなソースを持った発言ならば別だが、そうではない場合、伝言ゲーム的な新しいデマが生まれた瞬間でもある。鳥山明が自作品をパチンコ/パチスロ化しなかったのは氏の意向である事は確かだろうが、捏造エピソードで「美談」を盛る必要はない。



■お布施用ページ
note.com

石井孝明が元ガソリンスタンドの場所をクルド人解体業者が解体してると懸念しているが、ガソリンスタンドが存在したのは35年以上前の話


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1764436305499525545

「元ガソリンスタンドの場所」と書いてある。さて、場所に関しては遠くの方に亀戸ビアなどの文字が見えるために簡単に場所の特定はできる。該当住所は「東京都江東区亀戸2丁目8−3」とみて間違いない。そして取り壊される前の店舗は「Honda Cars 江東 亀戸天神店」となりディーラーであってガソリンスタンドではない。

該当箇所はグーグルストリートビューでは2010年1月まで遡ることができ、その際の店舗もHonda Carsであってガソリンスタンドではない。インターネットアーカイブならば該当店舗のHPは2007年には確認可能であるし、さらに言えば会社設立日は1988年01月01日となっている。


https://twitter.com/cdas_command/status/1764459528903381162

同様の説明をしているアカウントがあったが、それに対して以前は石井孝明はガソリンスタンドだと地元民から聞いているとしている。では、実際どうなのか。これを過去地図から探っていく。

【1983年 江東区地図(ゼンリンの住宅地図)】

1984江東区地図(ゼンリンの住宅地図)】

【1988年 江東区地図(セイコー社 東京の住宅地図江東区)】

以上の様に1983年までは「KK天神モータース」となり、ガソリンスタンドの表記はない。これについては81年も同様の表記となっている。それが1984年からは日本石油による天神給油所モータースとなり、ガソリンスタンドであった事が確認できる。85年の表記も同様にガソリンスタンドとなっている。86年については資料が存在しなかったために不明だが、87年になるとガソリンスタンドの表記は消え「天神モータース」へと表記が変化していた。そして88年には「ホンダプリモ天神」へと変化しており(なおゼンリンの88年版地図では「天神モータース」のみの表記となりホンダの文字はない)、これはアーカイブに残っている88年設立という情報と一致する。つまり「東京都江東区亀戸2丁目8−3」には地図上で確認する限り84年と85年にはガソリンスタンドが存在しており、確認は出来ていないが86年もおそらくは存在していたと考えても良いだろう。ただし、83年以前のゼンリンによる地図上の表記を見る限りはガソリンスタンドがあったかは少々疑問であるし、88年以降に至ってはディーラーであってガソリンスタンドでないことは確実だ。こうなると確かに件の場所は「元ガソリンスタンド」であるという文言自体は事実であるが、しかし35年以上前にガソリンスタンドはなくなり、その後にディーラーになっている。この際に建て替えなどが発生していると考えるのが妥当であり、もしもこの土地に問題が残っているとしたらそれは当時の業者や検査の問題になり、そしておそらくは日本人業者の問題になるだろう。勿論、もしもその当時の「杜撰な結果」が残っていたならば新しい解体業者が対応する事にはなろうが、石井孝明の投稿による情報ではその様な事は一切読み取れない事になっているし、氏のリプライを見る限りは解体前の施設情報を調べているのかも怪しく、「地元民」の情報をただ鵜呑みにしたように見える。
 さらに言えば拡散している投稿は午前8時42分で約30万回のインプレッションを稼いでいるが、11時19分に以下の様なこの投稿案件からは身を引いたと思われる投稿をしている。


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1764475777192792416

業者からの説明で合法に行われているとしているし、「この写真のみで、続報は無しにします。土壌検査はしてるそうです。」と自身の言説と影響に無責任且つ自身の邪推を謝罪することもなく、また邪推の理由を「複数の住民」に投げている。さらにカーディーラーは改造で対応し、スタンドのタンク処理をしたと業者が言っているというが、地下にタンクがあったとしても改造時にも相応の対応はされているはずだ。


https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1764555407799071018

また石井孝明に対して解体業者と思われるアカウントが実際のものとも思われるタンク解体の安全管理指導票を提示している。このアカウント自体は活発なアカウントではなく信ぴょう性の図り用が難しいが、画像はネットに流れているものでもなく城東消防署も該当箇所の管轄だと思われる。


https://twitter.com/mhsahinnn/status/1764480001184092658

この安全管理指導票があったから必ずしも安全に解体したとはなりはしないが、しかしそれを言ってしまえば石井孝明は解体の「プロ」ではない。もしも素人目に違和感を覚えたとしても問題提起するならば業者の説明を待ってからで良いはずであるし、「元ガソリンスタンド」にしてもそれが何時存在していたのかを精査してから世に訴えるのがジャーナリストではないのか。「カーディーラーは改造で対応」という投稿に「解体元請けは説明」とあるが、つまり石井孝明の初期投稿は取材前に「元ガソリンスタンド」以上の事を知らずに特に裏付けもせずに感覚で危機感を煽っていたと白状しているに等しく聞こえる。石井孝明は「ジャーナリスト」を自称しているが、この一件は氏の「ジャーナリスト」としての精査能力や責任が欠如しているのではないか。


【3月5日追記】
 石井孝明氏からリプをもらった。

大事なことなのか何故か三回も似たような内容なのだが、とりあえずは氏の取材の結果として悪質な業者ではないと判断したとのこと。  



■お布施用ページ
note.com

「川口市で川で二人の遺体」という詳細不明な事案を明言せずだが、あたかも「事件」かの様に匂わせている

 2月26日の国会にて、維新の高橋英明議員が次の様な質疑をして批判ととれる記事が共同から出ている。

高橋氏は26日、クルド人への直接的な言及を避けながら「川に遺体が二つ浮いている事件があった」と治安の悪化を主張。
(略)
埼玉県の新芝川で8日に男性2人の遺体が発見されたが、武南署によると外国人が関与した事実は出ていないという。
共同通信 2月27日「維新高橋氏、クルド人危険視発言 国会質疑で「一斉取り締まりを」

この記事に対して、本文にある様に高橋議員は「クルド人を直接名指しはしていない」という批判も見られたが、例えば産経新聞の2月26日記事「川口のクルド人めぐり国会で初の関連質問「現地見て」 岸田首相「ルール守るのが大前提」」を見ればわかる様に、写真パネルを使用して”市立病院の前で何百人規模”(既存報道では100人ほどなので「何百人規模」という表現は過剰だ)など、明言はせずとも「クルド人問題 」を念頭にある事は容易にわかる様になっている。そして高橋議員が挙げたこの「男性二人の遺体」だが、共同通信記事にある様に警察署は既に「外国人が関与した事実は出ていない」と述べている。ところで、そもそもこの「男性二人の遺体」とは何か。これは2月8日に配信された次の報道によるもの。

「川に人が浮かんでいる」 埼玉・川口市の川に身元不明の男性2人の遺体 いずれも目立った外傷なし
きょう昼ごろ、埼玉県川口市にある川で男性2人の遺体が浮かんでいるのが相次いで見つかりました。いずれも目立った外傷はないということで、警察が事件と事故の両面で調べています。

川から「二人の遺体」が発見され、そして「川口市」であった事からも一部で注目を集めるに至り、5chでスレッドが建った後にもえるあじあに「【!】 埼玉・川口市の川に身元不明の男性2人の遺体」というまとめ記事が出来たり、SNS上においては有本香の投稿などが拡散される*1


https://twitter.com/arimoto_kaori/status/1755914367818973636

この有本香の投稿はなんの「明言」もしておらず、あえていえば「日本ではほとんど聞いたことがない」という文章から日本人以外の存在を「匂わせている」に過ぎない。ただし、この投稿を拡散に協力した人物などは大抵は「わかる」様にしている投稿と言える。さらにこれに乗っかり水難の多さを指摘する投稿が拡散を見せる。


https://twitter.com/citizen_koshig/status/1757361564024467955

補足情報に記述しているが、確かにここ数ヶ月での川口市の水難はやや多いとはいえる。しかしながら「1年だと4件5遺体」というが、それならば2021年にも水難で四人亡くなっているし、いずれもそこに外傷があったなどの報道や「事件性」を感じさせる追加報道も特にないように見えることから水難以上の事件性であったり、「何か起こってない?」というのは陰謀論に片足を突っ込んでいると言える。
 冒頭の二人の遺体の話に戻るが実際のところ、これが「事件」であるのか、「水難事故」であるのかは不明ではあるものの、2月10日の埼玉新聞でもその様な記述は特になく、3月1日時点でも続報はない。埼玉新聞によれば争った形跡などもない事から水難の可能性の方が高いといえる。つまり、この事案の特殊性は「遺体が二人」見つかった以上の話はないが、この「二人」と「川口市」を繋げることによってネットにおける右派を経由して冒頭の維新議員による質疑に繋がる事となる。「場所」とそこに「住まう人」、そしてほんの少しの「奇異」が入り混じった事によって「事件」として認知され、流言的に広められたともいえる。それも国会という場で。


【補足情報】
2021年以降で埼玉新聞の報道ベースで確認できる川口市の水難報道件数は次の通り。

2021年 4件
2022年 1件
2023年 2件
2024年 2件 ※3月1日現在

これはあくまでも報道ベースであり、例えば埼玉県の消防年報では救急に関して川口市の水難への出動は次のようになっている。増加傾向であると言えるが、原因は不明。

2019年 出動 15 搬送 2
2020年 出動 18 搬送 1
2021年 出動 22 搬送 4

埼玉新聞による報道】
■2021年
1月28日
川口市弥平 新芝川に隣接する芝川マリーナ
・30~70代の女性
https://www.saitama-np.co.jp/articles/7264/postDetail

■3月7日
川口市舟戸の荒川
・30~50代の男性
https://www.saitama-np.co.jp/articles/7681/postDetail

■5月19日 ・川口市南鳩ケ谷7丁目の新芝川
・60~80代の男性
https://www.saitama-np.co.jp/articles/8454/postDetail

■8月7日
川口市南鳩ケ谷の新芝川
・行方不明になっていた84歳男性
https://www.saitama-np.co.jp/articles/9324/postDetail

■2022年
7月19日
川口市弥平の芝川マリーナヨットハーバー内
・60~70代ぐらいの男性
https://www.saitama-np.co.jp/articles/12995/postDetail

■2023年
4月23日
川口市舟戸町の荒川
・50~70代の女性
https://www.saitama-np.co.jp/articles/23875/postDetail

12月9日
・埼玉県川口市飯原町の荒川
・40~70代の男性
https://www.saitama-np.co.jp/articles/58555/postDetail

■2024年
1月21日
川口市新堀の辰井川
・70~90代の男性の遺体
https://www.saitama-np.co.jp/articles/63887/postDetail

2月8日
川口市南鳩ケ谷6丁目の新芝川河川内
・40~80代ぐらいの男性が二人
https://www.saitama-np.co.jp/articles/66697/postDetail




■お布施用ページ
note.com

*1:SNS上では有本と類似の反応がいくつか見られる。

難民に認定された人の月収「37万5千円」はデマだよ


https://twitter.com/shop_kakiko/status/1761342567524831286

 この投稿がバズっていた。元ネタは次の「城之内みな」による投稿。


https://twitter.com/7Znv478Zu8TnSWj/status/1760797167915352088

難民と認められると「年間450万円」という投稿はこれ以前も一応存在するが*1、一気に拡散したのは上記の「城之内みな」によるアカウントの投稿がおそらくは初。そしてこれがNewsSharingというまとめサイトによってまとめられて拡散される。


https://twitter.com/newssharing1/status/1760939849463545859

そしてそれを受けた反応があり、


https://twitter.com/airi_fact_555/status/1760970572107010073

その反応がJAPAN NEWS NAVIというこれまたまとめサイトに転載されて、


https://twitter.com/JapanNNavi/status/1761229950601048333


https://twitter.com/mattariver1/status/1761232062462493182

こういった反応や、冒頭の投稿へと繋がっていく。コミュニティノートがある様にこれはデマなのだが、そのデマ情報がまとめサイトに転載され、さらにその記事への反応を転載したまとめサイトやアカウントによってさらに拡散していくという、デマの転載拡大再生産の様相を見せる。
 そして冒頭の月収については「450万÷12か月=月当たり37.5万円」という考えで至ったのだろう。指摘内容はコミュニティノートに準拠するが、まず城之内みなは内閣官房の資料である2012年6月19日「諸外国における第三国定住による難民の受入れの概要」をソースにしている(コミュニティノートも同じ資料)。そこに次のような記述がある。

(1)中央省庁における予算措置
日本の場合,おおむね難民1人当たり約450万円の中央省庁における予算措置がされているが,例えば,ニュージーランドでは約490万円,米国では約110万円,カナダでは約80万円,スウェーデンでは約240万円となっている。
(参考1)
日本(パイロットケース)では, 政府予算は約1億3,500万円(注)であり,年間約30人を受け入れる場合,難民1人当たり予算額は約4 50万円となる。
(注)平成23年度の外務省,文化庁及び厚生労働省の委託費予算であり,一部に条約難民の定住支援に関する予算を含む。また,定住支援施設の手当に係る予算は含まれていない。

ここの記述は当時の政府予算である1億3500万円で難民を年間30人受け入れた場合の一人当たりの予算額であり、難民一人当たりの「年間支給額」ではない。さらに言えば外務省、文化庁厚生労働省の委託費予算の合算であり、その内訳はこの資料からは不明であるし、定住支援施設の手当てにかかる予算は含まれていないなど、正直言ってこの資料から「金額」を云々言うのは意味がないし、資料が読めていない。ちなみにコミュニティノートは額としては次の文言を引用している。、

(2)中央省庁による第三国定住難民への生活支援
日本(当初の180日間)では,収入補助等として,月額約4万5千円の生活費支給,住居(受託団体が手当。1世帯当たり家賃12万円前後)への入居等の支援や,一時金(約15万7千円)の支給などの支援がある。

ただしこれは「第三国定住難民」に対する支援であり、第三国の難民キャンプにいた難民を日本で受け入れた際のプログラムである事には留意が必要*2。日本での難民申請からの難民認定者(条約難民)へのプログラムとは若干異なる。


出典:文化庁政府の難民等に対する定住支援体制」より

日本における難民支援はアジア福祉教育財団の難民事業本部(RHQ)が行っており、そこには難民認定者に対する「月収」と呼べるような保護費の情報は存在せず、難民への支給として見当たるのは教育訓練援助金くらいとなる。これは日本国内の学校に入学した難民への一時金であり、最高額でも大学入学時の10万円となる。「生活に困っている」という相談項目もあるが、ここでは「難民申請者」に対する支援の話であり月当たり大人4万8千円の支給額となっている。この資料には住宅費がいくら出るのかは書いていないが、難民支援協会によれば月当たり単身で6万円、4人家族で8万円だと書いてある。なおこの申請中の保護費に関して、難民支援協会によれば認定の結果が出るまでは就労して自活することが想定されているとあり、保護費は来日後から就労資格が付与されるまでの限られた期間の支援と位置づけられているとある。この期間などについては2018年の改正などによる影響もあるようなのだが、その部分は割愛し、近年の申請者の保護費受給者の割合を見ていくと次のようになる。


出典:難民支援協会より

このデータを見る限りは、大抵の申請者は自活している事となる。そしてそれは難民認定を受けた後も同様と考えられる。RHQにしても難民支援協会にしても難民認定後に保護費、冒頭のアカウントが言う様な「月収」の存在などは微塵も感じられない。就労支援、定住支援などの存在は確認できるが直接的と言えるが、それは「月収」でばない。そもそもこれは資料を読めない人間が誤読した事に端を発し、ネット右派とまとめサイトロンダリングによって反難民感情に付け込んできたデマといえる。



■お布施用ページ
note.com

*1:2月21日に同資料をソースにしていると思われる類似の投稿がされている(その1その2)。関連性は不明。

*2:ちなみに第三国定住難民の現在の生活費額はRHQの説明を読む限りは2012年資料とほぼ変わらない。