電脳塵芥

四方山雑記

川口自警団代表オオタシュンの入院に「クルド人」は関係ないのでは


https://x.com/SyunOota3/status/1865337888352924122
午後7:09 · 2024年12月7日

 川口自警団という団体を作ってオオタシュン(おそらく東京都板橋区在住)という人物が上記の様な投稿をしていて拡散していた。この投稿なだけならばクルド人からの暴行による入院と思わせる内容であるが、この投稿に至るまでの流れは次のようになる。


https://x.com/SyunOota3/status/1864295841990889715
午後10:09 · 2024年12月4日


https://x.com/SyunOota3/status/1864875050111013087
午後0:30 · 2024年12月6日


https://x.com/SyunOota3/status/1864983795050647608
午後7:42 · 2024年12月6日


https://x.com/SyunOota3/status/1865263250541285793
午後2:13 · 2024年12月7日

この流れの上で入院時の写真とクルド人を絡めた投稿をしている。川口自警団の活動でオオタが川口での活動したのは12月1日のことであり、当日の川口自警団による投稿でも暴力沙汰になったような内容は一切存在しない。以上のことからオオタシュンのこの入院はクルド人による外的な暴力の様なものではなく自身が患っていた何らかの病気による入院と思われる。これ以前のオオタの投稿には病気等に関する情報はないので、結局のところこの入院の理由そのものは不明で断定はできないものの当日周辺の投稿ではその様な情報を一切匂わせず、そして退院後の落ち着いた段階で入院時の写真と「クルド人」というワードを絡み合わせた誘導及びバズらせるための投稿ではないのか。

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韓国における戒厳令に伴って発生したデマなどについて

 12月3日の22時15分ごろに始まったユン大統領が発した戒厳令に伴って発生した韓国におけるデマの記録をメモがてらに記しておく。韓国メディアにおいてフェイクニュースが氾濫したという記事も既に存在している様に戒厳令による混乱に伴い数々のデマが流れていた。この記事では名前自体は出ていないが「@akkxxe」という韓国のアカウントがデマを列挙していたので、基本的にはこのアカウントの情報を活用しつつ流れていたデマを列挙しておく。

※筆者は韓国語が不明なために自動翻訳を使用しています。

①午後11時以降通行時不視検問・逮捕

投稿削除済み。画像は別の投稿から

 テレビ朝鮮によるユン大統領の戒厳令宣布のライブ配信を切り取った画像であり、テロップには「午後11時以降通行時不視検問・逮捕」と書いてある。ただしこの字幕部分は合成であり、その様な事実は存在しない。出所は不明だが、韓国の各コミュニティ内に流れた画像らしくこれによるネット内の混乱も見られた模様。

②過去の装甲車画像の使用
 ソウル市内に軍による装甲車が現れたこと自体は事実であるが、その中には下記の様に過去の画像も使用されており偽の画像も流用されている。これらの画像は日本の投稿でも使用されており、いくらか拡散したものも存在している。

・韓国からは既に撤退したミニストップが映っている

・木に草が生い茂っており、季節が違う

今年1月の記事で使用されている画像

Naverが繋がらなくなり、政府側が制御しようとした
 実際にはアクセスが集中して接続障害が出ただけだと思われるが、タイミングだけにそういった懸念が存在していた模様。ネイバーについては他にも「疑惑」が生じており、監視体制に入った、戒厳令体制の単語は公開されない(「大統領」、「弾劾」、「ユン・ソクヨル」などの単語か)などがあったようだが、悪口や他のユーザー申告によって規制に見える状態となったようだ。関係者によれば「トレンド順位はトラフィックに基づいて選定される。戒厳令直後監視体制によって順位にランクされなかったという主張は事実無根」と掲載されている記事もある。

④教育部長官が学校に休校令を宣布した
 上記のニュース速報が流れたという情報もあるようだが、実際にはその様なものは発令されておらず偽情報であることが確認されている。

⑤李在明党代表室のドアが破壊された

投稿削除済み。画像は別の投稿から

  李在明が拘束されそうになったことは事実だが、上記のドアは李在明の部屋のドアではなく備品室のドアで議員には関係がない。

⑥市民に「申し訳ありません」と述べた兵士における「解釈」


https://x.com/yoox960093/status/1864132882895392804

 翻訳投稿が拡散していたので上記画像を引用する。これは「解釈」の問題と言えて「デマ」とは若干ズレるが韓国ではこれは動画撮影者の作為的な解釈であるという投稿が拡散している。


https://x.com/taekie/status/1864140515920499132
※230万のインプレッション

実際の動画ではこの撮影者(記者)は去っていく兵士に数分以上語り掛けながらついていくというシーンの最後ともいえる場所で兵士による謝罪といえる発言が行われるに至る。果たして兵士自身がどの様な文脈で言ったのかは言葉数の問題から不明であり受け手側の「解釈」の問題ともいえ(なので画像に引用した「ゆーすけ/유스케/Yusuke @yoox960093」は同様の指摘をされているが本人が訳した解釈を採用していると思われる)、撮影をやめてほしいという文脈ではという指摘投稿には賛否が存在し議論が分かれてはいるようだ。ただ兵士の心情が実際にどうだったであれ、過度にこの兵士の対応に意味を見出すのは少々危ういかもしれない。
【12月5日 19時追記】
 上記の投稿を経て韓国で記事が出ていたので貼っておく。ネチズンの反応的なものといえるが撮影した記者の目から見た兵士の状態が書かれている。結論はわからないが韓国内でもどの様な文脈で言ったのかは議論が分かれるところの様だ。

戒厳令の影響で輸血用の血小板が不足している
 戒厳令で軍病院から血小板がすべて持っていかれたことによって輸血用の血小板が不足しているという投稿が拡散しているが、赤十字社から公開されているデータでは有意な低下は見られず、またもともと血小板は不足しているという指摘が存在している。情報の拡散元となっているアカウントは友人の医者からの情報と言っており、ソースと言えるほどのものは存在しないといえる。確実にデマとまでは言えないが、怪しい情報といえる。

 以上が主に韓国で流れていたデマと思われる。最後におまけとして日本で拡散していた投稿も紹介しておく。


https://x.com/komukaepapa/status/1864150516206588286
※二枚目の左下に「胸に銃」というスーパー

戒厳令時に銃を持った兵士と相対しているこの女性「안귀령(アン・ギリョン? 共に民主党の広報担当者)」のシーンは世界中に拡散しており、兵士とのもみあいの終盤でアン・ギリョンは銃に手をふれ、その後に兵士の銃が1、2秒ほど実際の意図はどうあれ彼女の胸を狙ったかのように見える場面があった事は事実であるが、その部分を「胸に銃」とスーパーをつけて強調するのがふさわしいかと言えば疑問な部分があるし、番組中にそこまでの表現をしたかは不明だが「銃をつきつけられていた」とまで表現すればデマの類と言えるかもしれない。とはいえこの投稿自体がモーニングショーの切り抜き画像であり、実際に番組中の「動画」でどの様な紹介をされたのかまではわからないのでその表現についての適切かの可否は控える。「マスコミの切り取り」に「画像の切り取り」で語るのは不思議である。なおインタビュー記事によればアン・ギリョンは当時について次の様に応えている。

「瞬間的に体を投げて防いだようだ。その過程で(兵士たちが)私の腕を握って防いだから私も(軍人を)押したりもしていたようだ」とし「捕まえる腕を振りかけて、ちょうどこんなに何をつかんでいるから(銃をつかむ)になった」とした。
https://www.joongang.co.kr/article/25297489
※自動翻訳

「本人の発言=事実」とは必ずしも言えないが、投稿にあるような「兵士の銃を奪おうとして暴れていた側」という表現には飛躍を感じる。
【追記】
BBCによる日本語記事が出たので追記として貼っておく。
「何もしないなんて無理だった」 戒厳騒動の中で兵士の銃をつかんだ女性が心境を語る


【12月7日追記】
 ユン大統領の狙いが不正選挙を暴くことであるという背景が語られ、日本でも同調するような投稿が拡散されている。ただこれはユン大統領が韓国における極右系ユーチューバーの話を信じているというだけで、確固たる不正選挙の確証などはない。ユン大統領自身がどの様な「説」を信じていたかは不明だが、例えば韓国では事前投票における得票率と当日投票における得票率が異なる(事前投票では左派の得票率が多く、当日は右派の徳両立が多い)ことを理由として、これは選挙システムに不正が仕込まれているのでプログラムを見れば不正有無がわかるという主張をしている個人が存在しており、今年4月の選挙を含め同様の首長で複数の選挙における「不正選挙」を訴えている。ただしその訴えは「無嫌疑」で終結している。無嫌疑という答えが出ても蔓延るのが陰謀論と言えるが、ユン大統領はこの陰謀論にはまっていた可能性は指摘できる。

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兵庫県知事選前後におけるデマ、真偽不明などの情報

【11月26日 17時】スキーウェア項目の加筆修正、百条委員会の日当を追記
【11月27日】稲村和美、奥谷を加筆
【11月28日】公約達成率を加筆
【11月29日】いらすとやを追加
【12月1日】稲村、立花を加筆、報道特集のテロップを追加
【12月2日】日当五万を追記
【12月4日】立花に加筆、奥谷の刑事告訴が不受理を追加


 兵庫県知事選前後におけるデマ、真偽不明などの情報についてメモ的に羅列しておく。

①斎藤元彦の公約達成率は98.8%
 発端は2024年7月30日における知事会見で「達成、着手した状況は171項目、98.8%」と発言したのがきっかけ。同様の発言は2023年8月1日にもしているが、これは「達成」と「着手」を合わせた数値であり、そして着手の進捗率は不明である。この「着手」の単語が抜けて「達成率(実現率)98.8%」という情報が流布した。また斎藤元彦HPの公約には公約達成・着手率「171/173」と書いてあるが、氏の公約には173項目の公約は記載されておらず、その公約は不明である。なお2021年時の選挙時には公約詳細版がHPに存在していたが、こちらの公約も173には及ばず137となる。明示されていない謎の公約が誇られている。
【11月28日追記】
 11月27日の知事会見において、公約達成率が27.7%(173項目中43項目)であることが明かされた。

②港湾利権にメスをいれた
 9月13日ごろに2023年3月21日の朝日新聞「県、外郭団体の使用料を不適切割引き 監査指摘、利益剰余金14億円」を受けて、斎藤元彦が港湾利権にメスを入れたという発想をした人物によるデマ。記事を書いた記者による否定、毎日新聞においても否定され、元投稿は削除されるに至る。早期にデマと認定されたため選挙選においてはほとんど出なかった話題だと思われるが、9月という斎藤元彦への批判が多かった時期に、その批判が「大きな権力」によるものであるという陰謀論的発想がこのころから見られたことがわかる。

兵庫県のみのアンケートでは支持が39%

 上記の円グラフ周辺を切り取った状態で、支持率は39%だとする9月26日の投稿が発端。実際には画面上を見ればわかる様に出直し選挙の判断についてのアンケートであり、斎藤県知事の支持率ではない。

パワハラはなかった
 まだ結論そのものは出ていない部分。選挙前もそうだが、選挙後にも多く見られた。8月23日に行われた百条委員会の奥谷委員長の会見動画などが都合よく一部切り取られ、パワハラがなかったという発言に編集されて誘導。会見の部分を文章化すると次の様になる。

記者:分かりました。6人のうちパワハラを受けた、または、その判断は本人ができないということで、知事から理不尽に厳しい叱責を受けたと明言された人はいらっしゃったんでしょうか。また6人のうち何人いたか、可能な範囲でお伺いできたらと思います。
委員長:私の認識では明確に知事の方からパワハラを受けたという方はいらっしゃらなかったという風に考えておりますが、それは職員さんの中でもこれがパワハラに当たるのか自分では判断できないという方もおられましたし、そこはこれから我々が聞いた事実を評価して 、パワハラに当たるのかどうか、しっかり評価をしたいと考えてます。
ファクトチェックセンター記事より抜粋

奥谷委員長の発言は「職員の認識として」パワハラを受けたという人間はいなかったという事だが、聞き取りなどから委員会がパワハラに当るのか判断するという文脈であり、「パワハラはなかった」という認定自体はされていない。兵庫県文書問題調査特別委員会における県職員アンケートの集計結果では「知事のパワーハラスメント」について「A:目撃(経験)等により実際に知っている」が140件とされる。ただし県の百条委員会は現時点ではまだ最終的な結論を出してはおらず、パワハラと「認定されるか」、「認定されない」かは不明だ。斎藤自身は「必要な指導」だったとしており、あとはこれがどう判断されるかによる。

⑤おねだりはなかった
 パワハラと同じくまだ結論そのものは出ていない部分。ただ根拠の一つとして挙げられるのはスキーウェアのおねだりがなかったというものがある。これは関西テレビが「養父市」でその様な事例があったと報じたが、やぶ市観光協会がその様な事実はなかったと声明を出している事から無かったと考えられる。ただし中間報告ではその様な事例があったという伝聞情報は複数回書かれており、8月23日の百条委員会においても証言は存在する。兵庫県議会議員の丸尾牧によれば、「養父市のスキー場の話ではない」という事だけであり、「スキーウェアを欲した」という事例は存在するとみられる。またこの件については丸尾が「スキーウェア疑惑を捏造した」という話があるようだが、本人は経緯を書き否定し、この件についてのまとめを記述している。
 以上の様にスキーウェアについては指摘された場所のみが違うだけであり、その様な事例があった可能性は高い。この事例がなかった場合においても、産経新聞兵庫知事「おねだり」贈答品を公開 ゴルフ用品、スポーツ服など25点」、「「斎藤家の食卓をにぎわしただけ」〝おねだり〟疑惑に百条委員が指摘 兵庫知事は正当性主張」などを見ればわかる様に「贈答品」をいくつももらっている。他の知事と比較してその数が多いかは不明だが、これらの記事などからは「贈答品」をそれなりにもらう知事であり、それが「おねだり」と判断されるかどうかとなる。

⑥自殺した元局長は10年で10名以上の女性と不同意性交罪をしていた
 立花考志が選挙ポスターなどでまき散らした怪情報。今回の一連の発端となった3月の怪文書(後に公益通報)を作成した職員が特定され、そのパソコンの中身が調べられという一件が存在。その文書の中には「クーデター」などの文言が見つかり、また私的な文書もあったとされる。クーデターはどの様な文脈で使用されていたかは不明なので触れないが、こういった文言が「斎藤元彦が嵌められた」という様な言説を生む一つの要因となったと思われる。そして私的文書だが、これには不倫について書かれたとされる。しかし「不倫」が事実だとしても「不倫=不同意性交罪」ではなく、10年で10人という数値も立花の「予想」であり立花に明確な論拠はない。たとえ通報者が不倫したとしても、それはなんら公益通報に当らないという話でもなくそれは全く私的な問題であり今回の内部告発に影響するような話題ではない。また職員の自殺の理由をこの不倫にしようとしているが、不倫が事実であればそれがバレる事による希死念慮もあろうが、個人特定やPC内部の調査などに起因すると考えた方が自然であり、あくまでも要素の一つだ。遺族からは「死をもって抗議する」と記された本人のメッセージもあり、それは何も不倫のみの話ではないはずだ。そもそもで言えば、立花に何故この情報を持っていたのかが不可解であり、事実上斎藤の援護選挙活動をしている。
 立花の演説などの情報を含めればまだデマと言えるのものはあるかもしれない。その一つととして挙げられるのが各議員の名前が記述され、この機を狙って斎藤元彦を失職にまで追い込んだとされる怪文書だ。この怪文書の真偽、出所では定かではなく、また事実の可能性そのものについて肯定も否定も出来ない為にその事実性をここで検証するとは控える。しかし上記の10人と不同意性交罪や怪文書情報による斎藤知事は嵌められたというストーリーがマスメディアの報じない「真実」として受容し、そして選挙中に流布されるに至る。この立花の動きが斎藤再当選の一役を買ったと言えるだろう。
【12月1日追記】
 元局長の調べられたパソコンの中身だが、その他にはプライベートのUSBも含まれる。立花に漏れた情報が果たして公用PCであったのか、私的なUSBであったのかは不明であるし、私的なUSBを公用PCで使用していたのかも謎だ。ただ漏れ伝わる情報を見る限り怪情報の下は私的なUSBの中にあったデータの可能性は高いように見受けられる。また11月29日に立花は元局長のファイル名などを見える情報をアップロードしたが(本稿では直接リンクしない)元NHK党の副党首は丸山穂高もこれらのファイルの中身を見ている様で、そこでは女性が2人、男性が5人だった事を書いており、多人数との不倫という考えには否定的な意見を示している。一人だけ別項目として名前が挙げられている女性は存在する様だが、その女性との関係も不明といえる。また「小説」フォルダが存在しており流布された情報の中にはその中のファイルもあること、不倫相手と思しき相手名のファイルが複数あるがそこには「番外編」と書かれたファイルがある事から「小説」を思わせるファイル名も存在しており(私小説」という解釈もあるが)、果たしてどこまでが「事実」でありどこからが「小説」かも不明な面がある。 【12月4日追記】
 元職員のパソコンの中にあった「クーデター」という単語の入った文書だが、情報をもらったという丸山穂高によればこの「クーデター顛末記」というファイル名の中身は2021年の選挙時の話であり、斎藤元彦が勝利し、井戸派の元局長の世界観から見た「クーデター」という文章らしい。当然ながらそれが事実ならば今回の件とは全く関係のないファイルとなり、その文言を持ってきて論難するのは筋違いと言える。

⑦稲村和美候補に対する選挙デマ
 稲村のHPでは主に次のデマに対する反論を行っており、内容はそちらに任せる。

尼崎市長時代の退職金は、1千万以上減っています。
・いなむら和美は、県庁建て替えに1,000億円かけません。
・いなむら和美は、「緑の党」ではありません。
・いなむら和美は、外国人参政権を進めません。

リアルタイム検索で見ると「外国人参政権」などについて選挙期間中を通して関連付けられている事がわかる(「県庁」、「緑」を合わせて検索しても出てくるが、一番反応が多いのは「外国人参政権」だろう)。また「極左」というワードとも組み合わせられており、「左」の人物というレッテル張りによって票を逃そうとしている事が窺える。

緑の党に関してはこの前進団体であった「みどりの未来」の共同代表で会ったことを論拠として、この団体が外国人参政権を政策の一つとして掲げていたことが論拠なる。ちなみにこの「外国人参政権」という言説を一番精力的にSNS上で流布していたのは「うえはた のりひろ 神戸市会議員@NorihiroUehata」という自民党議員だろう。彼は清水候補を推していたが稲村へのこういった種類の批判を多く行っており、外国人参政権絡みだけで複数回行い、それなりに拡散している

上部はうえはたのりひろの動画が関連しており、おそらく今回の「外国人参政権」がらみの投稿では一番拡散している。下の「あんかけナポリ@napori_ankake」は有名なネット右派アカウントだ。これらを見ると稲村への批判はネット右派層を中心に形成されているであろうことがわかる。ただし当然ネット右派系のみではなく、例えば斎藤支持の高見ちさき市議(自民)などは県立大無償がチャラになる、県庁舎に1000億使われるだのという投稿をしている(あまり拡散していない)。ただネット右派系と斎藤支持はある程度被っているであろうから、あまりここを区分けをする必要はないかもしれない。公約に記載がなく、そしてHPにおいてこれらの情報をデマとして事実上否定しているにもかかわらず稲村はこれらの政策を実行するという情報は虚偽の情報といえるだろう。
【11月27日追記】
 稲村陣営に行われた公選法への指摘について追記しておく。まず稲村には兵庫県22の市長が支持を表明した。ただこの行為に対して公選法違反ではないかという指摘が存在したが、市長が特定の候補を支持する事はなんら公選法違反には当たらない。市長などに禁止されているのは地位利用による選挙活動であって支持表明そのものは法に触れるわけではない。市長などの首長職の支持が公選法違反になるならば例えば大阪における維新の会の選挙では知事や市長が出てくることは珍しくなく、既に何らかの指導が行われるはずだが当然ながらその様な事実はない。つまりはデマの類だ。
 次の事例は座間市議会議員の「かたおか将志」(元NHK党)による稲村の応援弁士が腕章をつけていないことに対して、「腕章がない」ことを公職法違反とする指摘だが、これは運動員は腕章をつけるべきという部分への指摘となるが実際のところ応援弁士となる人物の大半は腕章をつけないことが慣例化しており、応援として出てくる政治家などの演説は腕章は基本付けていない。厳密に判断した場合、グレーなのかもしれないが実際にこの弁士の腕章有無によって問題になった事はないと思われる。
 そして最後に挙げるのが稲村の選挙事務所の看板の大きさ問題だ。腕章と同じくかたおか将志による指摘で選挙事務所に掲げられた「いなむら」「和美」という看板が公選法に規定されている大きさを超えているというものだ。公選法では選挙事務所の看板類は最大で「3,500mm×1,000mm」と定められているが、上記の看板はその規定を超えるというものだ。しかし稲村の選挙事務所は「いなむら」「和美」と二枚の看板であるためにこの規定に触れないようにしている様も見えるが、ただし二枚の看板を合わせて一枚に見えるようにしてはダメという規定も存在する為にそれには触れる可能性がある。選挙を多く取材しているフリーライターの畠山理仁はそれぞれの看板の下に「いなむら 和美事務所」と書いてあることから独立した看板二つという解釈ではという投稿をしており、その解釈も可能ではあるがグレーな領域と言えるだろう。なおこの投稿をきっかけとして通報があったのか稲村事務所にある看板の「和美」部分は外されるに至る。ちなみに同時期に斎藤元彦事務所の二枚連続看板も外されるに至るが、斎藤事務所の場合はメッセージボードの付箋を貼るスペースがなくなったために看板を剥がしてメッセージ付箋を貼る場所にしたとの情報があるが、真実は不明だ。公選法絡みの指摘はデマとグレーな部分が混在している状態となっている。ただ看板についてはわきが甘かったとはいえそうだ。
【12月1日追記】
 報道特集において稲村和美がインタビューで「極左」呼びから選挙後半では「既得権益」呼びされる様になったという部分があったようなのでリアルタイム検索における「稲村 既得権益」の結果を置いておく。確かに選挙中盤あたりから持ち上がったレッテル張りと言えるが、「極左」で「既得権益」は無理がある。

⑧斎藤元彦の三宮での演説画像はAIでつくられたもの

 11月10日の三宮での演説画像について反斎藤派のアカウントなどからAIだという意見が存在した。確かに画像中の人物の多くの顔が潰れて表示され、プライバシー保護のために潰したとしても不自然極まりない状態となっている事、また密集度合いなども不自然に見えてそう思われたようだ。インスタグラムの三宮センター演説の公式動画などを見ても特に不自然な点はなく、これは画像をなんかしらの加工をした結果、この様な不自然な状態となりAIだという誤った結論を招いたのだろう。しかしAI作成ではない。

⑨奥谷委員長が局長の自殺の原因を隠している悪人
 百条委員会の委員長である奥谷謙一は立花孝志に「悪人」扱いされている。


https://x.com/tachibanat/status/1851981100002013308

立花によれば百条委員会において議題に関係のない片山副知事が自殺した職員の不倫についてしゃべろうとしたことを遮った際の音声などをアップしている。奥谷側からすれば百条委員会において職員のプライバシーについては触れないことをにしているから止めているのだが、この行為が立花側のストーリーであると不倫が自殺の原因であることを隠している様子であるといった様に誘導していると思われる。この件に関しては奥谷は「奥谷委員長は悪人で、マスコミに圧力をかけ告発文書を作成した元県民局長の死亡原因を隠ぺいした」などウソの投稿をされ、名誉を毀損されたとして告訴状を出している
【11月27日追記】
 上記の百条委員会(10月25日)の音声流出などは百条委員会が公開されない故に起きたもので、百条委員会が知事選挙に不都合な事実を隠しているという「疑惑」が存在した。ただし11月25日の百条委員会の会見において、10月18日に斎藤知事側の弁護士から次回の百条委員会(10月24日、25日)について非公開のことだが正式に公開されるまでの間に報道機関やSNS等に情報を流すことが無いように申し入れられたことが明らかになった。これは個々の議員が発信した場合、ファクトチェックによる正式な反論が出来ないという論理の下に行われている。つまりは斎藤側の要請によってこの非公開の百条委員会の情報は議員側から報道などで伝えられることはなかったが、しかし何故か片岡副知事と奥谷のやり取りの音声が流出し、そして立花がその音声を下にして奥谷側への攻撃を行ったという図式や「疑惑」が生まれたこととなる。果たしてこの一連の流れが「狙った」ものであるかは不明であるが、結果としてはこの申し入れは斎藤に有利に働いたと言える。

⑩奥谷委員長の親族の会社が県庁立て直しの見直しにより倒産し怨んでいる
 上記の立花の誘導にって奥谷は今回の件で「悪人」扱いされており、それが上記の様な「私怨説」を生む。まず兵庫県庁が耐震診断で国の基準を下回るなどの問題もあり建て替え計画が存在したものの、これがコロナ禍後のインフレなどによって当初の700憶から1000億を超える費用見込みとなる。そして斎藤元彦2021年の選挙において県庁再整備構想という公約を掲げ、この新庁舎の建設がストップしているというのが現在の状態となる。そして奥谷謙一だが、彼の周辺が調べられていくうちに「神戸不燃板工業」という企業の社長が叔父である事が調べられ、11月20日にこの企業が官公庁への搬入もしている企業で、しかし倒産しているという投稿が行われる。ただこの情報は直結して立て直しとは繋げられずにそこまで拡散しなかったものの、のちに5chに転載されて700億などの情報が付加される。


※imgurがXにおける投稿画像
※「685」がいっているのは「これマジか ~ 始まってんの?」まで。その後にwikipediaなどで情報があさられて上記の投稿が完成し、コピペしていくつかのスレッドに書かれるに至る。

この情報がXに投稿されることによって情報が拡散して、「奥谷の私怨説」が完成する。しかしながらこのコピペ内容は細部でおかしい。神戸不燃板工業は木繊セメント板という木材をセメントペーストで圧縮成型した建材を扱う企業だが、これはコピペ内にあるような「木質ボード」とは異なる。隅研吾の建築物は数年たつと腐るという問題があるのは確かだが、木繊セメント板は腐敗に強いとされるから「おかわり」はおかしい。そして細部はわからないが、隅研吾の建築物の「目立った腐る」場所に木繊セメント板は使用されていないだろう。700憶は県庁の建て替えの当初の価格であるし、たとえ神戸不燃板工業が受注したとしても700億の案件ではない。などなど情報の精査が怪しいとしかいえない。そしてこの情報を受けて女性自身は奥谷に取材して「百条委員会・奥谷委員長 親族の会社が倒産→私怨で斎藤おろしに加担? Xで拡散する疑惑を「一族経営では全くない」と完全否定」という記事を書いているが見出しにある様に否定している。本人が否定すれば即それがデマになるわけではないが、奥谷は2021年の選挙時に斎藤を応援している。状況的、提示される情報の薄弱さから、これは点と点を繋げただけでまともな検証を経ていないデマだろう。

はばタンpay第四弾のチラシに斎藤元彦の顔写真が使用されている

 11月22日ごろに流布された画像。以前のはばタンpay+の告知チラシに斎藤元彦の顔写真が入っていたのだが、その顔写真が入った経緯としては斎藤のリクエストによるものだ。なので第4弾のこのチラシにも入っている事を批判する論調として使用されているのだが、この第4談の申し込み期間は選挙日である11月17日の翌日の18日からとなる。つまりこのチラシが事実ならば当選前に作成されている事になるが、これはコラ画像である。まず斎藤の画像は彼の選挙用のHPにある写真と同一の様に見えるが、選挙用の写真を使用するのは不自然極まりない。当然ながらはばタンpay+公式にもこの様な画像は存在しないし、現実に配布されているチラシにもこの様なチラシは存在しない。またはばタンの作者もフェイク画像と断じている。ちなみにこの画像だが悪意をもって作成されたものではなく、善意で作られた模様だ。それがわかるのが「西宮つーしん」による記事だ。この記事では当初この画像が使用されたのが、のちに非公式と判明したことから非掲載へと変わったのだが、その中の経緯の説明として次のように記述されている。

この画像は、西宮つーしんと仲良くさせてもらってる知人が善意で作成し、自らの目的で使用していたもので、公式資料ではございませんでした。しかし、その完成度の高さから公式と誤認してしまい、知人への確認を怠るという確認ミスが発生しました。

⑪斎藤知事のこれまでの全国知事会議出席率=36%
 

 11月19日の投稿がきっかけ。日本ファクトチェックセンターの記事をそのまま引用するが、”全国の知事が集まる会議には、斎藤知事が今回出席する政府主催の「全国都道府県知事会議」と、全国知事会が主催する「全国知事会議」があり、拡散した表は全国知事会主催の出欠です。斎藤知事1期目の全国都道府県知事会議への出席率は約7割”

【26日 17時30分 追記】
⑫百条委員会の日当は1日5万円
 11月25日に「百条委員会は1日1人5万が支援」という投稿が拡散するが、その様な事実はない。


https://x.com/mikimikihappy2/status/1861053744122937504

この話自体は11月20日【ゆっくり解説】で存在するし、また投稿が削除されたが「サキガケ@nihonpatriot」というネット右派系アカウントの投稿に対して「委員会出席で1日の日当5万らしい」という投稿が存在する。どうにも11月20日に流布し始めたものだが、拡散したのは上記投稿となる。いずれも何をソースとして語っているのかは不明。投稿削除されたサキガケの投稿内容は「百条委員会の委員長奥谷さん 斎藤元彦さんがパワハラしてなかったと発言」というもので、これも別に5万円という数字は出ていない。当然ながら百条委員会にその様な手当ては存在しない。
【12月2日追記】
 ファクトチェックセンターの記事ではここより詳しく扱っています。また出処は不明なものの19日の21時台の書き込みが存在。この投稿では「おみそちゃんねる」を見たとあり該当動画は19日にアップされた「【兵庫県知事選】〇〇の話はするなって言われました」だろう。この動画内では日当の話はしてないが「百条委員会をするのに1回、一人5万円の日当って、、、」というコメントが存在する。動画内ではその様な話はしていないので少々謎な反応であり、ソースも不明だがコメントへの評価は大きくおそらくこれが初期の拡散元だと思われる。

【29日 追記】
⑬いらすとやが斎藤元彦と折田楓のイラストをかいた

 上記の画像をいらすとやが風刺として書いたと思い込んだアカウントが存在するが、「Kishax(帰社倶楽部) 🟦 🐤@kishaburaku」が作成したネタ画像である。

【12月1日 追記】
報道特集で印象操作を促すテロップが付けられた

https://x.com/c8nfpQMiqCoRrw6/status/1862994777358393430

 11月30日に報道された「報道特集」において斎藤元彦へのインタビューで上記の様なテロップがつけられて印象操作がされていたとする投稿だが、当然ながら画面上部に映し出されているテロップはSNS等で報道特集の該当部分を挙げたアカウント(投稿者となっている「ラッキーちゃん♡」か)によって追加された部分だ。本放送はyoutubeで確認できるが、その様なテロップは存在しない。

【12月4日 追記】
⑮奥谷県議の立花への刑事告訴が不受理

https://x.com/oma_daresuki/status/1864074749674242208

 奥谷県議が選挙時の立花による自宅兼事務所への演説に対して名誉棄損などを訴えた件について刑事告訴を行おうとしたが不受理だったという説が流れ、上記投稿以外にもやや拡散している投稿が存在する。しかしながら奥谷は名誉棄損については刑事告訴をして受理され、脅迫や威力業務妨害容疑で被害届を出している状態という記事が11月25日に出ており、それ以降に「不受理」という報道はない。11月27日の時点で告訴しても不受理だったので被害届という投稿はあるがソースは存在せず、少し間を開けて12月2日ごろから同種の投稿が見られるようになり、4日になって上記の投稿によって拡散するに至る。ちなみに「そしー(祖品) / So Sheena @oma_daresuki」は斎藤元彦陣営の勝手連の中核的存在ともいえる人物である。ただいずれにしてもこの話になんらかのソースはなく、(脅迫に関しては)「刑事告訴が不受理だったから被害届」にしたというストーリーが展開されている。ただ脅迫罪は非親告罪であるために刑事告訴をする必要はなく被害届を出せば捜査は開始されるために刑事告訴ではなく被害届という奥谷はとったのだと思われる。他方で名誉棄損は親告罪であるために刑事告訴をしているのだろう。いずれにしてもこの「不受理」という話はデマの類と言える。



 デマにはまだ抜けがあると思われるが、とりあえずはここで筆をおく。特に立花やその影響下における発信はまだあるだろう。ところでこの選挙はSNSやネットの影響が強かった選挙と言われるが、youtubeにおける視聴回数などを含めると立花の圧倒的影響が垣間見える。


https://netcommu.jp/Report/hyogochijisen2024

斎藤元彦批判への相次ぐマスコミを介した批判報道から生まれたであろう「不信感」に立花がこれらの批判が仕組まれたものであるかのように喧伝した効果は大きく、また見聞きする者に幾人かの「悪人」を作った物語も不信感を抱くものの隙間に入っていきやすかったのだろう。立花の情報は真偽不明且つ確かめることは困難であり、プライバシー情報である事から公開そのものが難しかったことも「陰謀」にはプラスに働いている様に見える。その様な情報が立花に渡っていることも「陰謀」を生むが、ここら辺の情報は後に出てくることを期待したい。
 また斎藤元彦に関しては、選挙中にSNS運用を頼んだmerchuの代表 折田楓がおそらく無自覚に内情をnoteに書いたことにより公選法違反などが疑われている。この話は登場人物も多く、その関係者間でも情報の行き違いが発生している為に事実がなんであるか、どのような帰結になるのかは不明だ。なのでここではその内情には触れないが、一つだけ書いておく。どうやら「斎藤元彦は折田楓に嵌められた」という陰謀論的な「説」が一部で生まれている。


https://x.com/May_Roma/status/1860020588418683107

折田のnote記事が「おかしい」のはその通りだが、それは彼女の迂闊さ、無知、自己主張の強さなどによるものが大きいだろう。そもそも誰が何のために「嵌める」のか。斎藤知事が当選した時の為のもしもの爆弾を仕込んでいたとでもいうのだろうか。いずれにせよこの件がどこまで明らかになるかは不明だが、それでも折田に嵌められた、はないだろう。
 選挙の広報という意味では9月26日に斎藤元彦は「組織もなく、自分一人からの挑戦になります。厳しい道のりですが、しっかり歩んでいきたいです。」と書いていた。


https://x.com/motohikosaitoH/status/1839264142412362074

恐らくこの時点で折田側へは接触はしていた可能性はあり、「自分一人からの挑戦」は暴露された今となっては白々しい。またこれらの投稿以後、表面上の「クリーン」さを斎藤自身は帯びさせていた選挙である気はするが、選挙の前後も含めた全体を通してみると一つの知事選ではあり得ないくらいにデマも多く「ダーティー」な選挙だったように思える。

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福原愛と一緒に映っている男性はクルド人じゃなくてイラク人だし、騙されてインプレッション養分にされてるよ


https://x.com/Parsonalsecret/status/1860031296124445020

 コミュニティノートも付いている通り、これはクルド人の「マヒル」という人物ではなくイラク出身の人物であり「伊拉克老王」という人物で、元動画は福原愛がビリビリ動画に挙げた「与两位国际友人交流中文古诗词 我尽力了」となる。端的にいって上記投稿自体はデマ以外の何物でもない。ところで、この動画は「投稿者: 零敲牛皮糖597.9」とある様にソースが明示されており、そちらの投稿では次のような内容だ。


https://x.com/liuguangchui/status/1859263759765930094

つまりソースとなる投稿では当然「マヒル」などとは言っていない。では何故「髙橋𝕏羚@闇を暴く人。@Parsonalsecret」はこの「伊拉克老王」を「マヒル」という人物であると推定したのだろうか。それは次のような経緯であることがわかる。


https://x.com/kawaguchi_safe/status/1859930548019531955

11月22日に今回と同じ動画を「髙橋𝕏羚@闇を暴く人」は福原愛が中国語をしゃべっている事などから(?)イコールスパイという認識を示す投稿をする。そこに対して「【公式】川口自警団@kawaguchi_safe」が伊拉克老王の容貌がマヒルに似ている事から伊拉克老王のことを「マヒル」であるという認識が示されるに至り、それを受けて髙橋𝕏羚は川口自警団の認識を採用して再度投稿してバズった、という流れとなるだろう。川口自警団はわかってやっているのか、勘違いしているのかは不明だが(少なくともワンクリックで確かめられるソースを見る能力が欠如している)、髙橋𝕏羚に関しては元投稿を見ている為に動画の人物が「マヒル」であると認識していたとは到底思えず、しかし川口自警団の「勘違い」をインプレッション数稼ぎに有利と判断して「クルド人」という単語を使用している可能性が高い。要は自分の客層(反移民、反外国人、ネット右派)の釣られやすさを意図して嘘をついている可能性が高く、そして案の定多くの人が釣られてインプレッション稼ぎの養分となっている。

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川口市の「日本人不可(外国人のみ入居可能)賃貸」はコラ画像だよ


https://x.com/AmiHeartGlitter/status/1856265450327576709

 コミュニティノートにも書いてあるが、各画像に対して画像検索を行えばこの画像は二つの物件画像を使用したコラ画像であることがわかる。


千葉県習志野市実籾本郷


千葉県市川市大野町

以上の様に千葉県市川市習志野市の物件の画像を使用したものであり、埼玉県の物件ですらない。また条件欄の話をすると、当然の様に今現在このような条件を満たす不動産は貸し出されていないし、そもそも「外国人のみ入居可能」という単語で検索してもこの様な賃貸条件を満たす物件は存在しない。ちなみに日本における拡散元は上記の「ami@AmiHeartGlitter」だろうが、元々は5chで「【悲報】川口市、ついに日本人お断りになるwwwww」が日本での出典となるだろうし、さらにいうならば5chの投稿はredditの次の投稿が元だろう。

下に書いてある文章を自動翻訳に変えると「誰が知っていますか、私たちはいつも外国人が空いているかどうかを尋ねるために電話します、そして私の同僚が今日のジョークを共有しました〜ハハハハ」となる。どうにも中国人の間でごく最近で流布したジョークと思われる。ここでいう「同僚」が何処でこの画像を得たかまでは不明だが、ただ千葉県の物件画像を使用している事、その様な条件が出てこないことからジョーク(?)の為の作成されたデマ画像だろう。

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イマネ・ケリフ氏に睾丸があるという「報告書流出」は現状では胡散臭い

https://x.com/Reika8833/status/1853456600729792845

 匿名アカウントだけならともかくとして日刊スポーツでも「「睾丸が埋もれている」「生物学的に男」パリ五輪で性別騒動の女子ボクサーのヘリフ、報告書流出」として記事が出てこの件が広がっている。とはいえpoligrafoOPENDWがファクトチェック記事を出している様に現状では胡散臭いとしか言いようがない。
 まずこの「問題」は「報告書の一部のスクショ」が流出したことによるものだが、報告書の著者であるソウマヤ・フェダラ(Soumaya Fedala)とジャック・ヤング(Jacques Young)のうちジャック・ヤングはpoligrafoやDWに対してこの報告書へのかかわりを否定し、イマネ・ケリフについて何かしらのことを書いたことはないとしている*1。もう一人のソウマヤ・フェダラは連絡が取れていないとのことであるが、共著者の一人とされる人物が否定しているだけあって報告書の信用性は疑わしい。またこれを報じたアイト・アウディアによればこの報告書自体がジャック・ヤングがパリの学生に明かしたものだとしているが、それが真ならばジャック・ヤングに倫理上の問題が生じることとなり、その流出過程は疑わしい(なのでその問題を隠す為に否定している、という論理は成り立つが)。それと当然ではあるがDWの報道においては病院側は医療上の守秘義務に関する情報は一切提供していないとしている。
 そしてこの報告書について報じた記事だが、時系列的には表に出るまでに紆余曲折を経ている。


8月30日
アイト・アウディアがイマネの医療記録を調べた記事を数時間以内に公開すると投稿
9月8日
記事を投稿するが削除
9月11日
再度記事を投稿するが、これも削除
10月25日
現在の記事が投稿され、拡散


都度、タイトルなどを変えながら公開という不思議な流れを経ており、これが何故なのかは不明だ。また不可思議な点で言えば9月8日の記事においては医師の名前は「Soumaya Fedad」と「David Joung」とあり、前者はつづりの間違いとしても後者は現在の記事で「Jacques Young」になるのは奇妙な部分だ。とくに「Jacques Young」はアイト・アウディアによれば言いふらした本人となるために名前を間違えるのはおかしい。おかしいといえば、記事中にはジャック・ヤングが学生に明かしたという部分は存在しないことも奇妙な点であるともいえる。ただこれらの奇妙な空白期間や人物名の間違いなどがあるものの、最終的に投稿された10月25日の記事が反トランスジェンダーを隠さないReduxxなどを経由して拡散する事によって今に至る。
 実際のところ、この診断書の真偽は不明だ。それっぽい形式や内容は保っている様に見える。診断書の全体像は出ていないが、それはプライバシーのためにと言えば正当化も可能である(ただそもそも事実ならばこの流出自体が重大な問題だ)。とはいえ診断書に沿ったとしても、発端の記事の診断書のスクリーンショットには診断対象となっている「イマネ」という人物(この「イマネ」がイマネ・ケリフであることは立証されていはいない)が「臨床歴を考慮すると、女性の方が常に好ましい」というような事が書いてある。ルモンドによればイマネ・ケリフ側は今回の件で法的措置を検討している様で、この件はもしかしたらのちに明らかになる可能性もある。ただ少なくとも現状ではこの診断書は胡散臭さが抜けないし、乗ったとしても診断書は「女性」だと判断しているようだ。

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*1:探し当てられなかったのだがヤングに対してアウディアが診断書を見せようかというやり取りが存在。画像の出所がわからないので脚注に画像リンクを貼っておく。

シンガポールは土葬も可能だよ


https://x.com/Southern_X777/status/1852655947501769084


https://x.com/Parsonalsecret/status/1852678856458818017

 シンガポールでの土葬(埋葬)は可能です。

シンガポール環境庁
With effect from 1 November 1998, the burial period for all graves will be limited to 15 years. At the end of 15 years, the graves will be exhumed. For those whose religions permit cremation, the exhumed remains will be cremated and stored in columbaria niches. Where burial is mandated by religion, the exhumed remains will be re-buried in smaller individual plots.
(1998年11月1日より、すべての墓の埋葬期間は15年に制限される。 15年経過後、墓は掘り起こされる。 宗教上火葬が許可されている場合、掘り出された遺骨は火葬され、コロンバリア・ニッチに保管される。 宗教により埋葬が義務付けられている場合、掘り出された遺骨は小さな個別の区画に再び埋葬されます。)
※自動翻訳

死後には遺体埋葬許可申請を選ぶか、火葬許可申請という選択が用意されており、どちらかを選ぶかは個人の選択だろう。シンガポールでは15年間後に掘り起こされるが、そこでも宗教上の扱いにとって火葬するのか、そのまま小さな区画へと再び埋葬されるのかが選択可能であり、可能な限りの配慮はされている。またsilverstreakというシルバー世代向けのシンガポールのHPによれば、シンガポールでは5人に4人が島内にある火葬場で火葬されるとある。「島内にある火葬場」という表現から残りの1人が必ず埋葬というわけではないだろうが、しかし残りの多数は埋葬を選択してはいるだろう。ちなみにだが、シンガポールのムスリム人口は15%ほどだとされている。「SouthernCross@Southern_X777」は別の投稿で、近年は火葬を選ぶムスリムも増えているというが、ソースも示されず、またそれっぽいキーワードでもその様な統計的事実は特に見当たらない。そもそも国の制度上いずれも選択可能な状態であるので、個々人のムスリムで火葬を選択している人間がいたとしてもシンガポールの埋葬制のシステムがある事は事実であり、日本におけるムスリムの土葬へ反対する根拠としては到底機能しえない。

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「男女共同参画9兆円の内訳」とされているイベント一覧の表は不適切

【11月5日】一部表現を修正。



https://x.com/nihonpatriot/status/1852297187364941851

 メモがてら。「男女共同参画9兆円(10兆円)」というネタは古くって、2006年時点で「「男女共同参画予算10兆円」のカラクリ」というブログ記事が書かれているくらいに古いデマの類。要は男女共同参画事業における関係予算(男女共同参画社会の形成に効果を及ぼす施策・事業)すべてをひっくるめた予算となる(ちなみに今年度は10兆円*1。ただこれが「男女共同参画社会の形成を目的とする施策・事業」となると2000億円*2、内閣男女共同参画予算となると15億円となり*3、事程左様にこの9、10兆円という数字はある意味で言えば盛られている数字ともいえる。この予算10兆円の話そのものについては上記ブログ記事や2020年のバズフィード記事でも再三指摘されている事なのでここでは割愛する。
 さて、冒頭の画像では謎の表をもってして「男女共同参画9兆円の内訳」としている。この表を見て「9兆円」の内訳と本当に信じているかは不明だが、それはとにもかくにもこの表は何なのかと言えばネット保守のインフルエンサーであった「海乱鬼@nipponkairagi」が2022年12月に投稿した次の投稿がおそらくの出所と思われる。


https://archive.md/YZl9J

海乱鬼は現在アカウント削除済みであり、何に反応して調べるに至り、そしてどのようにして調べてこの表を作成したのかは不明だが、この表にある「男女共同参画事業イベント一覧」とは「男女共同参画センター」という全国に356ある施設で行われた「イベント」となる*4。またこの「イベント」だが「公的主体」が主催するイベントと、施設内にある貸しスペースを「私的な団体」が借りて行ったイベントが混在していると思われる。後者の例としてわかりやすいのが「TWICEのサビだけ踊る会」だ。これは2022年12月に札幌市男女共同参画センターで開催予定だったイベントと類推できるが、このイベントの事務局は「TWICEのサビだけ踊ろう in 札幌事務局」というもので男女共同参画センターが行うものでもないし、会場は「健康スタジオ1」と書かれており、貸しスタジオであることがわかる。あくまでこの「TWICE」のイベントは男女共同参画センターの施設を利用しただけであって、それを「男女共同参画事業イベント」というのは無理筋だろう。
 ただし表に多く見受けられる○○講座/教室というのは実際に男女共同参画センターが行っているものが多数と思われる。とはいえこれらの講座系は有料のものが多い。それがわかりやすいのが公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会による事業報告書(2023年度)だが、多くの講座は参加費が設定されている(勿論、無料も存在する)。

この参加費による収支は不明だが、多くの税金支出を伴うのか、というよりも少なくとも「男女共同参画9兆円の内訳」的な語りをするにはあまりにも不適切な例示だろう。またセンターによりけりだと思われるが、札幌市の男女共同参画センターは利用料金収益や自主事業収益によって黒字の模様だ*5

これはおそらくうまくいっている部類なのだろうと思えるが、政令市などの施設として充実している男女共同参画センターは貸しスペースや講座などである程度の収益も見込めるのかもしれない。
 以上、見てきたように「男女共同参画9兆円の内訳」として男女共同参画センターにおける「イベント」を持ってくるのは不適切だ。表の中には検索してももはや出てこないイベントが複数存在しており、発端となった海乱鬼がどの様にしてこれを作成したのかは謎だ。「こくちーず」というサイトでは「男女共同参画イベント特集」があり、そこからさまざまな事務局が主体となっているイベントが告知されているのでそういったもの中から「耳目を引く」ものを選んだ、などとも考えるがそこには強い恣意性が見受けられる。これは表にある「イベント」にカルチャースクール的な講座を偏って多そうなことからも窺える。実際、「燃やす」ことを念頭に置いて作られた表なのだろうから恣意性が高いのは当然なのだが。

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