日本周辺には80万人もの中国人民解放軍は入ってないと思うよ

https://x.com/alphaofchildren/status/1965289666967671196

　日本の「周辺」には中国人民解放軍が80万人と上記の「Alpha@alphaofchildren」が書いていた。ただこの「周辺」が何処までを指すかは不明なので「80万人」の分布範囲は如何様にも言えたりするのだが、とはいえ人民解放軍の正規軍は200万人ほどと言われている中でその半数近くが日本の周辺にいるというのは著しく軍の配備バランスが崩れており、おかしいと言わざるを得ない。また「自衛隊の奥さんのうち1万人が中国人妻」とあるが、2009年の朝日新聞によれば中国系の配偶者がいる隊員は約90人、2013年のニュースポストセブンでは中国600人となっている。10年以上前の数字しかネットメディア上では出ておらず増加傾向なのは予想できるのでその人数が4桁に至っていてもおかしくはないが正確な数字は不明である。なおこの投稿者「Alpha」の投稿文は全文が長かったので省略したが、最近よくこの手の話題に出てきている中国人の狩猟免許取得（これも在日中国人が武装する事への恐怖として使用している*1）も使用したり、治安への「不安」を募らせる様に誘導し次の様な事を書いている。

みなさん、今すぐにお近くの同志と食料を作り、身を守る為のコミュニティーを作ってください。でなければ危ういのです。オレは人生をかけて一次産業を軸とした日本人の日本人による日本人の為のコミュニティーを拡大し続けます。自警団の要素も真剣に取り入れていきます。みなさんも続いて頂かないとこの国は本当にあっという間に無くなってしまう。

そして最終的に「一億総農民♪みんなで米作りプロジェクト」というクラウドファンディングに誘導していくという内容となっている。言ってしまえば自分が運営するプロジェクトの資金稼ぎや囲い込みの一環ともいえる。
　ただここで使用されている「日本周辺に80万人」というネタは元ネタよりはマイルドになっており元々は「80万人の自動小銃を持った人民解放軍が日本にいる」という内容だった。これを言いふらしたのは石濱哲信という人物だが、ヤマダ電機の倉庫に武器弾薬が保管されているなどのトンデモを発信している人物だ。この石濱が2021年10月に石濱哲信代表講演：沖縄那覇『生き残る為の勉強会』という講演会を開いているのだが、「乗っ取り戦争」を語る際の43分ごろに「私の推定では80万人くらいの人民解放軍が日本に入っている」、「みんな自動小銃を持っている」といった類のことを述べている。結局のところ石濱の「推定」でしかないのだが、この「80万人」という数字の元ネタは在日中国人の数だろう。2020年頃から在日中国人の数は「80万人」、そして国防動員法で人民解放軍云々という投稿などがいくつかある*2。つまり石濱はこの在日中国人の人数を元にして、そこに自動小銃というネタをくっつけて「乗っ取り戦争」の危機を言いふらしたのだろう。また自衛隊の中国人妻1万人もこの石濱がネタ元となる*3。ちなみにこの石濱の動画ではこの後に日本に中国人の大量移民として1億人くるとまでいっているし、それを自民などが望んでいるという体であるのだが、あまりにもトンデモなのかこの部分は当時拡散していない模様だ。とはいえ、これは別の人物が流した中国からの5000万人移民計画という数を変えた話が一部でまことしやかに信じられている為に流す時期次第では広まっていたのかもしれない。
　いずれにしてもトンデモな部類の話であるのだが、わりと今はこの「トンデモ」を真に受ける人がわりと多くいるのが日本のSNS社会だったりするし、それを「資金集めと囲い込み」に使えてしまっているかもしれないのが冒頭の「Alpha」の投稿なのかもしれない。