
https://www.threads.com/@shigehito_gotou/post/DNmZwIGPP9u
以上の様な画像がスレッズで拡散していた。ビル・ゲイツ来日に伴い様々なデマ、ミスリード、前提知識がない為のお門違いの批判などが氾濫しているが、とりあえずこういった画像は蔓延る可能性があるのでここに画像の出典を記録しておく。これは2020年6月27日に宝島社より発売されたベンジャミン・フルフォード『図解 世界「闇の支配者」とコロナ大戦争』における「実行犯はビル・ゲイツと「ビル&メリンダ財団」説」という章の一部となる。ベンジャミン・フルフォードは地震兵器や気象兵器を提唱する陰謀論者であるが、この本のタイトルからもどういう政治的思考の人間であるかを示しているだろう。この本が出た後に上記画像である「人類をウィルスで間引き~」が切り取られて一部で流布するに至る*1。元々ビル・ゲイツは陰謀論のターゲットにされていたような人物だが*2、日本においては2020年の新型コロナの流行によって過去のビル・ゲイツの発言が「再発見」されたものと言える。例えば2015年におけるTEDの講演において「もし次の疫病大流行(アウトブレイク)が来たら?私たちの準備はまだ出来ていない」をしており、これによって「予言」とも扱われる一方で新型コロナの流行と蔓延と関係があるかのような陰謀論が流布した。そして画像にある2010年の講演「ゼロへのイノベーション」もその一つとなる。公式には日本語の字幕もあるのだが陰謀論のターゲットとされた箇所は次の部分だろう。

人口増加を懸念される言説は古くから存在し、その解決策は人口抑制政策へと繋がるわけであり、ビル・ゲイツのこの部分はそういった側面を持つことは否定できないだろう。ただワクチン、保健医療は新生児の死亡を減少させることによって多子の抑制、生殖関連は避妊を含めた提言の域だろう。この提言そのものに対しての批判はあり得なくはないが、しかしベンジャミン・フルフォードによる書籍ではこの部分をかなりの拡大解釈と悪意を以て歪ませていると言え、もはやデマの域だろう。
