https://www.instagram.com/reel/DLU4OlrOw-2/
https://www.threads.com/@orange.2588/post/DLWUaUUz5hd?hl=ja
インスタの投稿からスレッズへと繋がり、今回の都議選において八王子市の選挙区で不正選挙があったという「疑惑」が若干拡散していた。主な論拠としては、
・無効票が2598票あった
・出口調査では参政党の候補者が4位なのに落選した
・出口調査で7位の公明党候補者が当選した
・参政党候補者の票数の動きが不自然だった
以上の様なものだ。一番下は動画もないので飛ばすが、とりあえず他の点について軽く書いておく。まず無効票だが、東京都のHPにある「都議会議員選挙(令和7年6月22日執行) 投開票結果」の開票結果内訳において東京都内の無効投票率が既に公表されている。
※表を見やすい様に一部項目などを非表示化
八王子市の無効投票率は「1.14%」となり、この無効投票率は都内において最も無効票が少なかった自治体といえる。中には6%を超える自治体もある中でこの無効投票率はかなり優秀だろう。また令和5年の八王子市議会議員選挙の記録を見てみると投票総数203,896、そのうち無効投票数3,784という結果の選挙において、その無効投票の内訳が記載されている。
一番多いのは白票2,464、その次が雑事記載659というのを考えれば今回の都議選における無効投票も白票が一番多かったと考えられる。この「無効票の多さ」(実際には少ない)で不正選挙を訴えるにはあまりにも論拠が弱すぎる。
そして出口調査における参政党候補者と公明党候補者の順位が実際の当選順位と大きく異なる事だが、出口調査は「選挙当日」における調査であって、期日前投票分は含まない。それはNHKも明言している。
NHKは、6月22日の東京都議会議員選挙の投票日に、有権者の投票行動や政治意識を探るため、出口調査を行いました。 調査は都内492の投票所で投票を終えた有権者7万1638人を対象に行い、57.5%にあたる4万1217人から回答を得ました。一方、前日までに有権者のおよそ15.3%が期日前投票を済ませていますが、これらの方々は調査結果に含まれていません。
https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/togisen/2025/exitpoll/
もともと公明党支持者は期日前投票率が高いと言われている。以下は山下洋史と大栗正彦『期日前投票の増加はどう影響するか-出口調査と選挙結果の比較による考察-』(2019)による期日前投票のイメージ図であるが、今回の八王子の例もこの様な投票行動を取った可能性は高い。
また逆に参政党支持者は「不正選挙」を懸念して選挙当日の投票を選ぶ傾向はあるだろう。参政党の神谷は直接的には不正選挙を訴えてはいないが匂わせてはいる。
https://x.com/jinkamiya/status/1934944175256166868
この様に政党支持者による投票行動の傾向は存在しており、出口調査による順位が必ずしも投票結果を占えるものではない。それと「不正選挙」を懸念するならば開票を見学する事をお勧めしておく。