というツイートがあったのでこれについてのデータを張っておきます。その前にですがこれに対して殺人被害者以外のデータや殺人事件数の世界的順位を貼っている方がいましたが、今回書かれているのは「殺人被害者が女性>男性」という話なのでお門違いな指摘でしょう。
データの出典
この話の出典はUNDOC(国連薬物犯罪事務所)による"Homicide rate by sex"が出典元です。wikipediaでのデータは2014年だった様ですが、現在は2019年のデータが出ています。そちらのデータではどうだったか。
以上の様に日本では殺人被害者(死者)数が「女性>男性」である稀有な国であることがデータ上示されています。
ではこの2019年のデータはどこから来たのか。当然ながら日本による統計の数字が用いられています。データは警察庁の2019年の統計の図表索引ページから確認可能です。この図表1-3-3「男女・死傷理由罪種別死傷者数R元」には日本の殺人事件被害者は以下の様なデータが示されています。
殺人
男性死傷者(人) 499
死者 136
重傷者 137
軽傷者 224
女性死傷者 413
死者 181
重傷者 85
軽傷者 147
表を見ればわかるように「殺人」の内訳には実際には死亡に至らなかった例も加算されています。これは今回話題になっている小田急の事件で言えば、事案は殺人として取り扱われると思いますが、死者のカウントはゼロ、重傷者や軽傷者というカウントになるでしょう。そういったものによる差異かと思われます。
なので殺人被害者の男女比については、「死傷者」は男性>女性、「死者」は男性<女性、という事になります。ちなみに2020年の殺人事件の被害者は以下の通り。
やはり男性の数の方が多くなっていますが、これを「死者」で括れば女性の方が多くなる可能性は高いと思われます。そしてこの男女別を年齢別にしてみると以下の通り。
データの分析は専門家でないために個々人の判断に任せます。男性の被害者が多ければ普通だとも思いませんが、日本の殺人被害者数の男女比が他国に比べて異なっていることは確かです。それと該当ツイートに対してデマという指摘がありますが、確かに被害者全体で見れば違いますが、死者数では正しくそれをもとにしているデータで語っているでしょうからデマとは言えないでしょう。