電脳塵芥

四方山雑記

ドライブスルー検診について

 ドライブスルー検診についての「調べてみました!」くらいの軽い記事です。

◆韓国でのドライブスルー検査について
 とりあえず、まずはドライブスルー検査に詳しい韓国の記事から。

※自動翻訳
コロナ19検査5分で終わり...進化するドライブスルー選別診療所
 
一日一日が野戦病院のような生活の連続だが、お互いを頼りめまいと看護師は伝えた。看護師のチョ(38)氏は、「私たちの病院のドライブスルーには、一日の自動車350台程度が来る」と「6時間ずつ3交代勤務をするそれでも序盤より環境が非常に良くなった」と話した。
ドライブスルー選別診療所は、コンテナ4個設けた。各コンテナで受付、診療、収納、検体採取を順番にする。受付の段階で身分証明書と携帯電話番号で本人確認をした後、診療段階で嶺南大病院所属の医師が発熱や呼吸器症状などの状態を確認する。収納を経て看護師が待っている検体採取の段階で、本検査が行われる。全過程10分になると知られたが、ここで医療スタッフは、このシステムに習熟されて平均的に5分で検査を終える
(略)
たまに内部事情を知らない市民が陽性判定を受けては、「あなたがたは消毒していなくて、私は感染した」と電話で抗議する事例があるとした。キム某(25)看護師は、「一人一人の検体採取をするたびに、きれいに消毒している」とし「一般スクリーニング診療所よりも検査進行速度が速いみる誤解が生じることもある」と述べた。
(略)
換気の良い屋外選別診療所が民間消毒業者が午前・午後に2回一帯を消毒する。
(略)
ドライブスルー選別診療所は、自動車で降りずに相談と診療、検体採取までのすべてのプロセスを一度にする方式である。医療スタッフとの接触を最小化し、検査待ちと医師の間の感染の危険を下げ、消毒・換気時間を惜しむ長所がある。効率性と安全性が知られると、政府は、全国の自治体にドライブスルー選別診療所運営指針を提供し、その数を拡充することにした。
(略)
検査の結果は、一般的な選別診療所のような1〜3日程度かかり、個人の携帯電話のテキストメッセージで通知される。嶺南大病院関係者は「一般的な選別診療所は、ドライブスルー選別診療所の検査速度をたどることができない」とし「あえて欠点を挙げるなら、交通渋滞だ十分耐えることができるレベルである」と述べた。
2020-03-05
코로나19 검사 5분에 끝…진화하는 드라이브 스루 선별진료소 | 연합뉴스

 韓国の記事をさらっと見た感じではありますが、ドライブスルー検査についてのある程度の工程が書かれた記事は以上のようなものです。なお、いくつかの記事を見た中では基本的に韓国国内でドライブスルー検査に対しての批判記事は見受けられません。逆に「世界絶賛「ドライブスルー」... 「1番」主治医キム・ジンヨンのアイデア(自動翻訳)」というように世界から絶賛されている検査であるとの記事はいくらか見受けられます。特に下記の様な評価を外から受ければ誇りと感じるのも不思議ではないでしょう。

※自動翻訳
「韓国は医療崩壊に地獄 "... コロナ19対処に貶め熱中する「日本」
医療システムの優秀性はもちろん、民主主義の原則を守った素晴らしい事例と評価も続いた。ワシントンポスト(WP)は、コラムニストヨスログインの寄稿文を通じて「民主主義国家の強みをうまく活用して、国民の健康を保護することが、より適していることを証明した国は韓国」とし「数百万人を強制的に家に閉じ込めて政府批判を防ぎしまった、中国 "とは異なり、民主主義の価値を守りながら大量の検査を迅速に進行したことを強調した。
"한국은 의료붕괴로 지옥"…코로나19 대처에 폄하 열중하는 '일본' - 이투데이

それと上記の記事の見出しを見ればわかるようですが、日本では韓国が「医療崩壊」しているという論がいくらか見受けられますが、韓国で「医療崩壊」を検索しても「日本が韓国は医療崩壊に陥っているに対する反論記事」以外には新型コロナに関する医療崩壊記事は見受けられません。上記の引用記事では村中璃子武藤正敏などを紹介しての反論、また記事によっては孫正義氏のツイート紹介とそれに群がるネチズンの声を紹介する記事などがあり、基本的に韓国(ネット)国内では韓国の「医療崩壊物語」は日本のいちゃもんというタームで語られていると考えます。少なくとも各記事を見る限り、個々のレベルでは病床の問題もあるかもですが、国内レベルで問題になるほどの崩壊は起こっている様には見受けられません。


◆日本でのドライブスルー検査について
 現状、日本はドライブスルー検査をする気はないようですが、新型インフルエンザを受けての検討などでドライブスルー検査が考えられていたというのを見た(新型インフル感染、ドライブスルーで防げ 岡山 初の発熱外来訓練|岡山の医療健康ガイド MEDICA)ので、他にはどうだったのかなと。

【2008年 新型インフルエンザ 保健所対応マニュアル 平成 20 年度版】

4.発生を想定した実地訓練
(5)訓練・演習の種類
オ)その他の医療対応訓練 ファックスや電話による処方、ドライブスルー方式の予防接種訓練などが考えられる
平成 20 年度地域保健総合推進事業 全国保健所長会協力事業

【2009年 シンポジウム「新型インフルエンザ発生に備えた国立病院機構の体制」】

2009年2月に出された政府の新型インフルエンザ対策行動計画(略)対策の目的は(略)実行不可能な「完全をゼロに」ではなく「パンデミックの可能な限りの緩和」を目標に据えており、「封じ込め」に対し、「mitigation strategy(被害軽減)」とよばれる概念を提唱している。その方法の一つにウイルス伝播を助長する集団の形成を避けるということがあげられる。医療現場は患者が集中する場所であり、待合室における混雑はパンデミックという設定では最も危険で好ましからざる集団の形成を意味する。その対策として米国や本邦においてもドライブスルー形式によるインフルエンザ外来の試みがなされており、その有用性が示唆されている
新型インフルエンザからの提言

【2010年 佐賀県 鳥栖三養基地区健康危機管理対策幹事会】

―― 7月21日から、一般医療の受診が可能となりました。全医療機関の対応となったわけですが、この部分では、こちらの地域の対策案として注目されたドライブスルー方式の発熱外来にも触れています
中里  新型インフルエンザが発生する以前から、他の患者さんとの接触を防ぐことを狙って、ドライブスルー型発熱外来を検討していました。しかし、今回の新型インフルエンザのウイルスの病原性が明らかになるにつれ、当初想定していた強毒型ではないことが分かってきましたので、その段階で地域で協議をし、ドライブスルー方式の発熱外来はやらないこととしました。
―― 実際の対応の一環として、ライブスルー方式(ママ)の亜型が実行されたと記されています。
中里  患者さんに自家用車で医療機関に来てもらい、そのまま車の中で待機した状態で、医師が診察するという方法です。抗インフルエンザ薬が必要な場合は、ファクスで近くの薬局に処方せんを送り、その薬局の薬剤師さんに薬を車まで持ってきてもらうようにしたところもありました。
―― 「一般の患者さんと新型インフルエンザの患者さんを完全に分離して受診してもらうことは、困難だった」が課題に挙がっていますが、その解決策の1つとして、ドライブスルー方式の亜型を取り入れた医療機関があったことは、今後につながる工夫だと思います。
中里  発熱外来自体をどうするのか、という大きな課題もありますが、ドライブスルー型発熱外来の亜型が対策の一環として実施されたことは成果の1つに挙げたいと思います。
シリーズ◆パンデミックの教訓(No.3) ドライブスルー型発熱外来の亜型は成果の1つ

【2011年 新型インフルエンザ対策ヒアリング日本病院会

死亡率が高い場合はドライブスルー方式、ファックス処方箋方式を推奨し、他者との接触を極力回避した形で迅速な治療ができる体制を作るべき。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/housei/231219hear/siryou3.pdf

【2015年 「北九州市新型インフルエンザ等対策マニュアル(医療対応編)」の改定について】

3.県内未発生期~県内発生早期(国内発生早期)
(1)概要
イ. 生活衛生課は、市立医療センターの外来受入状況を踏まえ、その他の協力医療機関に帰国者・接触者外来を順次設置する。また、病原性によっては、外来診療を対面式から非対面式(ドライブスルー外来)へ変更する等適切な診療体制について検討する。

【2016年 度新型インフルエンザ患者発生時対応訓練(江戸川区)】

(2)感染症診療協力医療機関にて感染防御機材を準備、患者を診察する。(「ドライブスルー方式」)新型インフルエンザの可能性がある患者に対して、検体採取を行い、保健所に検査を依頼する。
平成28年度新型インフルエンザ等対応訓練事例集

などなどが見受けられます。それとネットでは中身は見られませんが 2017年の江戸川医学会誌には「新型インフルエンザパンデミックを想定したドライブスルー診療の検討 | 文献情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター」というものもあったりします。2011年の「新型インフルエンザ対策ヒアリング日本病院会」を除けば基本的には地方の動きであって中央の動きではありませんが、日本においても時折というレベルですがドライブスルー検診についての訓練や構想は行われています。リソースや準備、周知の問題はありますし、訓練では効率が逆に悪くなったという様な反省点が書かれていたりするのもありますので、これらの下地があったとはいえ即ドライブスルー検診の対応が可能だったかといえばそうでもないでしょうが、少なくともそういった動きがあったのも事実なわけで。

 今回の件については、厚労省内部での議論の議事録とか見たいなあって強く思ったりします。やらずに終わるんですかね。